遺志を継ぐとは、単に先人の財産を継ぐという意味と、先人の志を継ぐという意味がありそうだが、ここでは先人の財産を継ぐという意味でのお話を専門家から聴いた。財産と言えるほどのものを持ち合わせていない私には縁遠い話ではあったが…。
1月25日(金)午前、札幌市社会福祉センターが主催する「わたしの生き方セミナー」の1月講座があり出席した。1月のテーマは「遺志を継ぐもの Part Ⅱ~今知りたい!相続と遺贈~」と題して司法書士の佐藤岳大氏が講師を務めた。
※ 講義をする司法書士の佐藤岳大氏です。
前述したようにここでいう「遺志を継ぐ」とは、あくまで財産を継ぐという意味であることをまずお断りしておきます。
まず、財産を継ぐ方法として、一つは生前に遺言書によって特定の相続人や第三者に遺産を贈与することを予め決めておく方法がある。もう一つは、遺言書などが作成されていない場合、相続人全員による遺産分割協議によって財産を分割して継ぐ方法がある。
よく混乱を引き起こしたり、世間を騒がせたりするのは後者の方であることは言うまでもない。そこで問題になるのが、相続人として資格がある「法定相続人」についてである。その法定相続人とは、まず「配偶者」、そして「子ども」ということになる。そうした方がいない場合は「直径尊属」(父母、祖父母、曾祖父母、…)、以上のような方もいない場合は相続順位の第3位として「兄弟姉妹」という順になっているという。私がこの話題で目を見開かれたのは「養子」に出た子も相続人であるということは新しい知見だった。(もっともこの場合、特別養子ではない等、難しい条件があるようだが…)
遺産分割協議がスムーズに進めばよいが、なかには協議が難航し、このことによって親、兄弟などの仲違いが生じるということもよく聞かれることである。ここで重要な役割を果たすのが佐藤氏のような行政書士の方々の存在なのだろう。
しかし、それでも解決が付かないときは「遺産分割調停」にかけることになるという。そうなると審理期間が6カ月から1、2年程度と長期に及び、相続人たちには経済的にも精神的にも大きな負担がかかるという。
こうした状況を作らないためには「遺言書」の作成が最も合理的な相続ということになるが、遺言書には「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の二つの方法があるというが、「自筆証書遺言」は手軽な方法であるが、いざ執行というときに問題が生起する場合もあることから、「公正証書遺言」の方が手間や費用はかかるが安全ということが言えそうである。
さて、私は講義を受けながら「自分にはあまり関係ないなぁ」と思いながら聴いていた。というのも、前述したとおり財産と言えるほどのものを持ち合わせていないという気楽さがあるからだ。講義後の質問コーナーではたくさんの方が真剣に質問される姿が目立った。この問題に憂うる方がけっこう多いことをうかがわせてくれた。
その姿を見ながら「お主、羨ましい悩みをお持ちでるあなぁ…」と呟いていた私だった…。
ぼくも財産らしい財産はないし(持ち家くらいか)、子どもも娘一人なので、相続争いなどは起こりようもありませんね。ぼくの死後に、隠し子が名乗り出てきても面白いけど、遺産をひと目見て逃げ出すでしょう。
まあ、娘には負の遺産を残さないようにだけしたいというのが目下の願いです。
遺せるものは思い出くらいなので、できるだけ笑えるエピソードを作っておかなければ!
そうですね。負の遺産を残さぬように、清く貧しく生きていくよう努めましょうかね。