私のレベルではアマチュア落語の方が相応しいのかもしれない。一生懸命に演ずる彼らの噺に私は素直に反応することができた。札幌落語倶楽部の「さつらく寄席」を楽しんだ。
昨日(1月28日)午後、札幌エルプラザで開催された第27回「さつらく寄席」に足を運んだ。以前は札幌で活躍する桂枝光さんをはじめとするさまざまな高座に足を運んだのだが、どうも夢中にはなれなくて足が遠ざかっていた。
そんな中、過去に一度足を運んだ「さつらく寄席」の主催者の札幌落語倶楽部から、「さつらく寄席」の開催の度に案内が送付されてくることに恐縮し、一度くらい応えなくてはと思い、今回足を運んでみることにした。
会場はエルプラザの研修室というごく普通の会議室に高座を設けたところだった。定員は90名ということだが、ほぼ満員状態と盛況だった。
※ ほぼ満席状態だったエルプラザの会場です。
出演者は下記のプログラム(番組)のとおりであるが、演者は分かるものの演目が表記されていないのが素人には辛い。なお、中入り後の宝玉斉こん太さんは落語ではなく「色もの」と言われる出しもので「紙切り」を披露してくれた。また、酉をとったエレキ家ニッパさんは落語ではなく講談を演じた。
寄席全体では中入りを含めて2時間弱の時間だった。演者個々について評するほど落語通ではないのだが、泉屋春之輔さんはまだ若干14歳(中学2年)ということだが、堂々としたものだった。私は以前一度彼の高座を聴いているが、今回の演目「初天神」を堂々と演じきったところに彼の進歩を見た思いだった。
※ 若干14歳の泉屋春之輔さんの高座です。
ベテランのいい味を見せてくれたのが日之出家金助さんの「猿後家」がなかなかいい味を出していると私には思えた。
※ ベテランの味を出した日之出家金助さんの高座です。
続いて私の印象に残ったのは、「紙切り」を披露してくれた宝玉斉こん太さんだった。こん太さんはかなり修養を積んだ方とみえた。客席からお題をいただき、その場で切り上げる技はプロと遜色ない、というよりあるいはプロの方ではないかと思われた。紙切りをしている間の話芸も堂に入っていた。
※ プロとして活動しているのではと思わせてくれた宝玉斉こん太さんの紙切りです。
と他の演者も含め、相当にレベルは高く十分に笑わせてくれ、楽しませてくれた。私は「さつらく寄席」を見直した思いだった。演者はところどころに素人ゆえの綻びも顔を出すが、一所懸命に演じてくれていることが伝わってきた。
頻繁に通うことはなくとも、これからは機会があれば足を運んでみようかな?と思わせてくれた「さつらく寄席」だった。
それはさておき、最近、落語家さんとかアナウンサと素人との差は何かと考えて、それは声の出方ではないかと思うようになりました。
プロの噺家とかアナウンサは、自然に声が出る。発声法というテクニックを超えて、自然に声が出ている。
その点で素人は、どうしても大きな声を出したり、声を張ったりする。無理もないことなのですが。
自然に耳に届く声と、こっちに届かせようというする声の違いかな、なんて考えてます。
もちろん、プロの方もいきなり声が出るわけではなく、紆余曲折艱難辛苦を経て声を自分のものにしたのでしょうけれども。
加えて、だから素人の芸や話は聞けない、ということではなく、あくまで一般論として。
私が素人さんの落語に肩を持つのは、実は本文では触れませんでしたが、プロの方の高座を聴いたときに「どうだうまいだろう」的な雰囲気を感ずることがあるんですね。それに比して素人さんは…、という思いが、どうも私の中にはあるようで……。