札幌の街(まち、マチ)は今、拡大期から成熟期に向かうと共に、北海道新幹線が札幌まで延伸されることを見据え、札幌都心のリニューアルが加速されているという。札幌市の関係部局(都心まちづくり推進室)の方からお話を聴いた。
※ 北海道新幹線の札幌駅の完成予想図だそうです。
昨日6月28日(水)午前、中央区民センター主催の高齢者講座「中央区いきいき講座」の第1回講座が開講された。この講座はこの日から10月まで毎週水曜日の午前に連続で16回開催される。
この講座はかなりの人気らしく、抽選で受講が認められた講座なのだが、参加してみて定員40名のうち男性はわずか12名と圧倒的に女性受講者が多い講座だった。最近はさまざまな講演、講座などにおいても女性の姿が目立つが、この講座も同様だった。
さて、講座の方だが中央区長の開講式の挨拶の後、すぐに講座が始まった。講師は札幌市の「都心まちづくり推進室」の岩田課長という方だった。岩田課長は62ページもわたるパワーポイントの資料を用意され「札幌都心のまちづくり」について様々な角度から説明された。
札幌市では、「札幌の都心の範囲」を下図のように定めて「札幌都心のまちづくり」を進めているという。
※ 札幌市の都心は図(赤線内)のように大通公園を中心に菱形に広げた地域を指すそうです。
その札幌の都心であるが、その対象となるのは民間が所有する土地であり、建物がほとんどということだ。つまり「都心まちづくり推進室」が主導して札幌の都心を築いていくのではなく、あくまで民間との調整を図りながら札幌市が描く街へと導いていくコーディネーター的役割が推進室の果たす役割と受け止めた。
ただ、札幌市として徒手空拳では、札幌市が考える理想的なまちづくりは進展しない。そこには理想的な街づくりに導くためのインセンティブ(開発誘導方針)が用意されていた。例えば、周辺の景観資源を積極的に生かして景観形成に寄与するような建物を建設しようとしたとき、建物の容積率を最大規定より50%緩和したものを許可する、といったような制度で民間側の理解と協力をもとめるのが推進室の役割のようだ。札幌市においてはそうした開発誘導方針が10項目もあるとのことだった。
※ お話される岩田課長様です。
岩田氏のお話は多岐にわたったが、その中で「エリアマネジメント」というワードが印象的だった。「エリアマネジメント」とは?「地域のおける良好な環境や、地域の価値を維持・向上させるための住民・事業主・地権者などによる主体的な取組み」ということだが、推進室はその取組みを側面から援助しているということなのだろう。そのエリアマネジメントを具体的に主導的に推進しているのが「札幌大通まちづくり株式会社」であり、「札幌駅前通まちづくり株式会社」であり、「一般社団法人 さっぽろ下町づくり社」だということだ。これらの会社や法人では、さまざまな形で事業を展開しまち(地域)の隆盛を図っているという。私もずいぶん以前のことだが、「札幌大通まちづくり(株)」が主催するワークショップに参加したことがあったが、まちの隆盛にほんの少しでも関わることができたかな?と振り返っている。
現在、札幌都心では北海道新幹線の札幌延伸を見据えて、札幌駅周辺の大規模開発が進展中だったり、都心のビルの建て替えが盛んに行われたりしている。札幌の都心が大きく変わろうとしている中で、「都心まちづくり推進室」が各機関を連携した、支援するなどコーディネーター役として重要な役割を担っていることを理解することができた。
札幌市民の一人として、札幌の街がさらに魅力的な街へと発展していくことを楽しみにしたい。