近所のS病院が閉院したのだが、ここの外来はいつも混んでいた。院長先生は人柄もよく臨床の腕も確かである。また経営能力もすぐれている思う。昔、一緒に働いていたので十分に知っている。そのような先生が院長で辣腕を振るっていたのだから、まず地域では安心な病院であると思っていた。言葉は悪いが「雇われ院長」であって理事長ではなかったので、閉院に関しては何か事情があったのだろう。しかしながらこのようにきちんとした先生がやっていた病院が閉院したのは医療行政の貧困さが大きな理由であろう。まじめに一生懸命やっていて閉院せざるを得ないのは保険点数の低さ、看護単位の締め付けが原因であろう。救急病院もやっていたので行政は地域に大きな損失を与えたことになる。まじめにやっていても医業は危うい世の中なのである。