このような近隣病院の閉院・撤退の打撃は大きい。数年前より新臨床研修医制度がおこなわれてから地域の中核病院から医師がいなくなり地方の市民病院が次々と閉院に追い込まれている。医師はいなくなるわ、医療点数の締め付けにより病院は経営破綻になるわで、空洞化どころか医療の枠組み自体が消失しかねないところまできているようである。小さい頃から道徳などで「きちんとこつこつとまじめに仕事をすればそれなりの結果は保証される」という観念を教わってきた。ところが真面目に医療をやっている病院が廃院する世の中である。勤勉で正直であるという二宮尊徳の銅像が小学校にもあったが、今ではその道徳観念も通用しない世の中のようだ。これからの医療は「胡散臭いことや、きな臭いこと」にも手を出さないと継続できないのかと思うとゾッとする。ここは保険医療の点数改革をして、また晴耕雨読の真理に戻してほしいものだ。