根本的な問題とは、最近、内視鏡カメラで多用されているNBIという特殊フィルターをかけた画像処理法のことなのである。これでみると病変部と健常部の境界がはっきりと描写されるので見落としが少なくなってきた。ところがうちにはこの装置は高くて導入できないのである。とても元をとれるようなシロモノではない。学会では最先端の発表なので、すでにこのNBIシステムをもちいた観察法での話が当然のように出てくるのである。自分のような貧乏開業医にはどうしようもない。ただあと数年すればこのシステムも安くなってくるだろうし、今からその画像の勉強をしておくに越したことはない。今まで大学の救命センター勤務時代では吐血の内視鏡的止血などが多かったが、今では内視鏡的スクリーニングや診断が多い。見落としたら困るのである。