このたび閉院したS病院の院長先生と昔、会食したときに「今の保険医療制度下の保険点数は中小病院に特に厳しい割り振りになっている」と聞いた。確かにそう思う。どうも国は中小病院をなくして大病院と無床診療所のみにするように思える。診療所にとっては「大掛かりな病気ではなくちょっと2~3日点滴の入院で様子を見てほしい」患者さんが時々いる。このような場合は大病院では敷居が高い。「大した病気でもないのにこのような大きい病院に入院させるの?」とばかりに門前払いを食らうこともある。したがって地元の中小の病院の存在はありがたいのである。地元の人にも気軽に入退院できる病院の存在は安心であるはずである。地域からコンビニやスーパーがまったくなくなりちょっとした買い物も遠くのデパートに行かなければならない状況と同じである。地元からのこのような病院の撤退は地域にとって大きな痛手である。ますます地域の医療は空洞化していくだろう。