吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

日大アメフト部傷害事件 その3

2018年06月05日 05時41分33秒 | 日記
 今回のアメフト事件であるが、この「私は貝になりたい」という話に似ていなくもない。監督には絶対服従である。理不尽と思っても相手にケガをさせることで自分がこのクラブ内で生き残れるのである(もし監督がケガさせろと命令を出したのが事実であれば)。
 ネットによる世の中の判断もこの選手に対して同情的であるし好意的であるし、しかも芸人カンニング竹山は「この選手を守ってあげなければならない」とまで言い切っている。確かに同情的にもなるし情状酌量の余地はある。

 でも守ってあげなければならないというのは行き過ぎである。というのは状況や動機はさておき、やはり彼は実行犯なのである。戦争犯罪の場合は戦時下という特殊状況である。もちろん比較の対象にはならないが、今回の場合は戦時下ではない現代社会での話である。試合から干される、あるいは今後の就職活動に影響を及ぼされるという報復を課せられても「相手にケガを負わせるということをすすんですることはお断りします」と言えたはずである。今の時代、憲兵隊にしょっ引かれることもないし軍法会議にかけられ非国民として監獄に入れられることもない。
 世の中の同情が行き過ぎて実際手を下した者を免罪してしまうことは行き過ぎと考えるのだが。