吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

肺がん患者さんに暴言議員 その2

2018年06月26日 05時59分30秒 | 日記
 ヤジの攻撃先は肺がんの、しかも末期に近いかもしれない患者さんである。体力低下で辛い中、しかも参考意見を述べてもらうため国会に呼ばれた立場である。その人が自分の意見、つまり屋外であっても公衆施設ではゆくゆくは喫煙施設も廃止してもらいたいという意見を述べたところ、「いいかげんにしろ!」とヤジを投げたのである。
 さすがにこのヤジの議員は非難されて謝罪文をSNSに出したがこれもよく読むと酷い内容である。
 この文面にはかなり違和感ある。「不快な思いを与えたのであれば謝る」(本文下線部)と言うことは逆に「不快な思いを他人に与えていなければ反省などしませんよ」という意味になる。
 つまり自分のヤジ内容の正当性を主張したままなので反省の文章ではない。この議員の言う「喫煙者の権利も認めてほしい」というのは今の世の中かなり無理がある。
 今の世の中、いい悪いは別として些細な言動もパワハラになる。また「なんだ、彼氏いないんだぁ~」と談笑しただけでセクハラにもなる時代である。かなり厳しい世の中であり、この徹底した「社会悪撲滅傾向」は少し行き過ぎの感も確かにある。
 しかしこれと同様、いい悪いの問題ではなく、世論や世の中の流れは喫煙行為に寛大ではなく、存在そのものも許してはくれていないというご時世なのである。国会議員でなくとも常識である。
 喫煙者の権利をそれでも認めたいなら、がん患者の参考意見の際にヤジるのではなく、自民党内で自ら対案を出して戦えばばいいのである。それがまともな国会議員のやることである。でもそんなことはしないだろう。そんなことすれば自民党内で叩かれるは、国民の多くの批判を浴びて次期選挙も危うくなる。
 でもそれをしないで、弱い立場の人の参考意見を潰すような汚い発言は人間のやることではない。