吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

「徘徊」言い換え優しい街に 認知症JR事故あった大府 その4

2018年06月14日 06時17分04秒 | 日記
 認知症の方の人権尊重・・・と声高に述べられているようだ。これはこれでもちろん否定するものではない。人権も認め差別もしないということも理解できる。でもそれならば「JR線路内に入り込んで起こした事故」である。差別しないのであれば通常通りJRからの賠償請求には応じるべきであろう。それを「健常人と同様の扱いで人権尊重し、賠償請求については精神疾患的病人扱いで『区別』してくれ」ではなんとなく、違和感を覚えるのである。
 やはりこの社会で周囲から支えられながら安全に幸せに同居していくには認知症患者さんは「区別」しなければ周囲からのサポートは受けにくい。
 差別とは人間の心がするのであって、これは「痴呆症」を「認知症」に言い換えても、また「徘徊」を「道に迷った人」に置き換えてもなんら根本解決にはならない。
 用語ができた当初は差別も区別もなかったのである。それがいつの間にか「そう」なってしまったのである。なんだか今回の用語変換作業はまるで、道の真ん中に大きな穴が開いたので上にベニヤ板を乗せときましょう。それで一安心。何十年かしてベニヤが痛んで来たらまた上に乗せているベニヤだけ替えればいいんですよ」と言っているかのようである。
 もしかしたら「差別用語だから変えましょう」と言っている人達の思考背景にこそ差別意識があるんじゃないの?と思ってしまう。