特定健診やら長寿健診はそろそろ終わりになる。毎日多くの健診患者さんが来られた。胸部のレントゲンを撮る場合も多い。ところで通常、人間は喋る時は吸った空気を吐きながら喋っている。息を止めている最中や、息を吸いながらでは人間は喋ることはできない(意識的に吸いながらは可能であるが)。レントゲン撮影では「息を吸ってくださ~い・・・、ハイそこで息をとめてぇ~(ガシャン:レントゲン照射)、はい終わりー」という流れである。呼吸しながら撮影しては画像がブレてしまう。ある高齢の礼儀正しい方?のレントゲン検査であった。いつものセリフである。私:「はい、息をすって~・・」 患者さん:「はい、わかりました、息をすってま~す」 私:「あっ、いやそうではなくて息をすってください」 患者さん:「はい、またすってまぁ~す」 私:「・・・(ええ、んじゃ、しょうがない)、では息をそこで止めていてください」 患者さん:「はい、止めてますよー・・・」 これではいつまでたってもレントゲンは撮れないのである。お願いだから喋らないでくださいよー(笑)。
時々宅配便が日祭日や、診療の休み時間に来る場合には、診療所ではなく自宅の方に配達される。さて自宅でCTフィルムを受け取ったという記憶はあるような、ないような・・・。患者さんも少し待たされてイラついている様子である。今から自宅のほうをひっくり返して探してみようかと途方にくれていたら、検査センターから電話があり「手違いでまだ配送していません」と・・・。う~ん、もうっ、「配送し忘れました」と最初からいうのならまだしも、「配送したはずですが」といわれればこちらは家捜ししなくてはならない。手違いは一定の確率で起こりうるものなのでしょうがない。でも「配送したはずです」と言われてしまえば、以後のこちらの手間ひまが大きく異なる。つまり家捜しの場合はスタッフではなく私がしなくてはならない。そうなると長い時間診療を中断してしまうことになり、そうなるとお待ちの患者さんは怒り出すであろう。いろいろな手違いはあるだろうが、この手違いだけはかなり困るのである。自宅兼診療所の困ること?は、私的公的にかかわらず宅配便がどちらか在宅のほうに配達されることである。
うちはクリニックなのでMRIやCTなどの大きな検査は他の病院や区の健診センターに依頼して検査してもらっている。この前ある患者さんのMRI検査を自宅が近いということで某検査センターにお願いした。通常ここのセンターは1週間以内に検査結果などを郵送してくれる。なので患者さんには10日後くらいにうちに再来するよう伝えてあるので、再来時には検査結果を提示しながら説明できるのである。比較的ここのセンターにはよく検査を今まで依頼しているのであるが、今回は検査結果がかえってくるよりも前に患者さんが再来した。いろいろ探したが検査フィルムは届いてなさそうである。慌ててこのセンターに連絡したら「〇〇日に宅配便でお送りしてあるはずです」とのこと。しかしもう一度院内をひっくり返して探してもないのである。患者さんはお待たせしているためかすこしイライラされている様子である。さてと、困った・・・。
レスリングの吉田沙保里選手の国民栄誉賞が決まった。自分としては、えっ?今更なんで? という感がある。どうも時の総理大臣が人気取りのために行なった授与とも思える。というのは吉田選手の業績は歴代の国民栄誉賞受賞者の記録と比べても「断トツにずば抜けた」記録なのである。なんで今まで声がかからなかったのかというくらいのものである。彼女の記録は、あのロシアの霊長類最強とよばれた重量級レスラーのアレキサンドル・カレリンの記録を超えているのである。カレリンは五輪3連覇+世界選手権9連覇であるが、吉田選手は五輪3連覇+世界選手権10連覇なのである。もちろん重量級の、しかも男子選手との比較は意味がないかもしれないが、歴代国民栄誉賞の受賞者と比べると彼女の業績ははるかに飛びぬけたものなのである。なんで今まで声がかからなかったのかが不思議である。野田さんの人気とりなのか?とも思ってしまうが、でも歴代受賞者の顔ぶれを見ると、なんとなく分かるような気がしてきた。
そろそろ外来にも咳をしてこられる患者さんが増えてきました。今年もクリニックの入り口に大人用と子供用のディスポ紙マスクを置いてあります。咳のある方、くしゃみのある方はぜひ着用してから待合室にお入りください。咳をされている方でマスクをしていない方には、受付のほうからマスク着用をお勧めするようにしています。しかし受付業務が忙しい場合はお声をかけられないこともあるので自主的に着用くださるとありがたいのですが。先日もある患者さんにお叱りを受けましたが、「隣に座った患者さんがマスクもせずに咳をしていた。これから急いでうちに帰ってうがいしなくちゃ」と。本当に申し訳ありませんでした。不快な思いをさせてしまったようです。今後はますます咳の患者さんは増えるので十分注意するようにいたします。あっ、でも嗽をするならクリニックでも可能ですので急いでうちに帰らなくとも大丈夫です。紙コップと嗽薬は常に準備してあります。ご遠慮なく申しつけください。
本当につい1ヶ月前までは夏日もあったのにそろそろ冬支度が必要な気候になってきました。10月から開始したインフルエンザ予防接種もはや1ヶ月をすぎたが、まだまだ接種される方はそれほど多くはありません。区の補助を受けられる65歳以上のかたは区から予診票が個人宛に郵送されるためたくさんの方が受けに来ています。しかし実際インフルエンザにかかるのは65歳以上というよりも、会社や教室など同じ場所で一緒に仕事したり生活したりする青壮年層や幼児・学童などです。これら年代の方々には予診票が配布されないため、さてとじゃあ接種でも受けに行きますかと腰をあげるのが一苦労なのかもしれません。特に爆発的に流行するのは幼児・学童です。彼ら教室内で蔓延し毎年必ず学級閉鎖になりますが、それが家庭で兄弟やお父さんお母さんに感染して広がっていくパターンが多いようです。今年は先月下旬に、第一号のインフルエンザ患者さんが出ました。嗽手洗い、マスク着用に勝るものはありませんがやはり予防接種です。
こちらも対応に困り果てたが、とりあえず「傘はご自宅にあるそうですよ。また妊娠している妹さんもご自宅にいますので」と説得しご自宅へ帰ってもらうようにした。自宅まではきちんと帰れるとのことであったが商店街の道に突き当たって見えなくなるまでは、彼女の後姿を確認した。さてどうやら認知症の疑いもあるが、こちらには何も情報がない。おかかりの医院からの指示ですでに介護サービスは受けられているかもしれないので、うちから包括支援センターに連絡するのも気が引ける。しかしこのまま何もしない状態のままでは、うちも無責任であろう(と言っても果たすべき責任はありそうで実はないのであるが)。まあ乗りかかった舟なので、とりあえず地域の民生委員の方に連絡して事情をお話した。この地域担当の民生委員のかたは心当たりはないが調べてくれるとのことであった。他院おかかりの患者さんについては、どこまで面倒を見てあげたらよいのかまだまだ自分も難しいなぁ~と感じている。ビル診療所では起こりえない、自宅兼診療所ならではの一コマであった。
すでにクリニックのドアは開錠してあったので、その通行人は「待合室に入ってもらって待たせてもらっています」と・・・。待合室に行くとくだんの「親切な通行人」はおらず、そのパジャマのご婦人が一人ソファで待っていた。(えっ?・・親切というか対応に困ってこちらにお世話をお願いしたのか?・・と思いつつも)鎮座された患者さんのお顔には見覚えがない。話を聞くと「私の妹が妊娠しているのでその赤ちゃんを見せてほしい」とか「傘がここにあるはずだ」とか辻褄があわず会話にならない。お名前を聞いて調べてもうちへの来院歴はない。ご自宅を聞いてもはっきりしない。手荷物には薬がたくさんあってよくみると他院からの処方である。さて困った。他院管理の患者さんのようなのでこちらでは迂闊に動けない。あまり出すぎたことをするとそちらの先生の管理下なのでその先生の顔を潰すことになる。かえってどこにもおかかりではない患者さんなら、いろいろ気兼ねなく動けるのであるが・・・。
そんなこんなで自宅兼診療所のある日の一コマである。この前、診療前の朝の早い時間に自宅のインターフォンが鳴った。通りすがりの人のようである。クリニックの入り口で高齢のご婦人がドアが開かないので困っているというのだ。もちろんまだ診療時間前である。その通行人の方はそれを見かけて親切にもうちの自宅のほうから連絡してくれたのである。慌ててクリニックのドアを開けると、おかかりの患者さんである。どうやら検査の日時を間違われて来院されたようだ。正しい日時をお知らせしてお帰りいただいた。またこんなこともあった。やはり朝早くのことであるが自宅のインターフォンが鳴って、これまた通行人らしき方からの親切な?お知らせなのである。パジャマを着た高齢のご婦人が近隣をフラフラされているのできっとうちの患者さんだろうからみてやってほしいとのこと。えぇ、なんかなぁ~?