きっと、いいことあるよね!

母(sake)と息子(keke)の日々の記録。
お出かけ写真と料理など。

アリとキリギリス

2013-11-21 | 息子keke
少し前から「アリとキリギリス」と言う話が気になって、今更なのだが検索して調べてみた。
するとアリとキリギリスの童話は幾つか説があるらしい。

「働き者のアリさんは冬にたくさん貯えがあって、キリギリスは怠けていたので何もありませんでした。」
だから、皆さんも遊び呆けずに努力しましょうと言う話だと、私は思っていたのだが、原作はどうも違うらしい。

食べ物が無くて困ったキリギリスは、アリさんに「食べ物をください」と言うのだが、アリさんは「君は夏に歌ばかり歌っていたからだよ、冬には踊りでも踊ってれば?」と突き離す。
それでキリギリスは餓死してしまいました、おしまい。
(これも幾つか説がある。)

アリが正しいキリギリスが間違っている、と言う話では無くて、働き者って言うのはこのぐらい残酷ですよと言う話だ、と言う説もあるのだ。

やっぱりそうか、と私は思う。
詳しく知りたい方ははwikiの該当ページでどうぞ。


どちらが正しい、そして悪人が正しいものによってざまあみる、と言うのは一種の”快感”なのだ。
そして、私達は「何が正しいか」「何が悪いことか」をつい、探ろうとする癖がある。
それを紐解くことによって、あの”快感”を得たいがために。

でも世の中には、あいまいなものがたくさんあるように思う。むしろ、そういうものの方が多いと思う。
他人を裁いてばかりの人生は、自分を生き切っていないのではないか、と思ってしまう。


例えば、ここでアリさんのセリフ「冬に踊りでも踊っていれば?」ってセリフはないよなぁ、って思うのだ。

アリの方は夏の間、歌を歌って楽しんでいるキリギリスがとっても、うらやましかったのだ。
本当はそうしたかったのに、できなかった。
それがあのセリフになるのである。

キリギリスは間もなく死んでしまうのだが、人生(いや、虫生か)に悔いはない。

何が正しいか、どっちの生き方が良いのか、ここでは述べられない。
それぞれがどちらを選ぶか、そして後悔せずに進むしかない。


私は生きているうちは、特にこれからは、悔いのない方を選びたい。
いっぱいおいしいものを食べて、思いっきり時間の流れを泳ぎ回って、好きな人がいる間は恋していよう。

父は糖尿病だったけど、酒をやめなかった。
「酒をやめるぐらいなら早死にする」と言って飲んでいた。
てんぷらも食べていた。

「アリさん、そうかい、分かったよ。そりゃそうだよね、キミが言うのは当然のことさ。
ボクはでも、後悔は何一つないよ。思いっきり好きなことをしていたからね。」

イヤミでは無くて、勝ちでも無くて、キリギリスはこう思いながらあの世に行ったのだと思う。


ちなみに、原作は「キリギリス」では無くて「セミ」だったと言う。