津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

蘇鉄

2008-08-21 09:37:43 | 徒然
 蘇鉄という木は、釘などを打ち込むとよく育つという。「鉄で蘇る」からとしてその名がついた。よく役所や学校の玄関先に植えられたりしていた。
熊本では、玉名市大野下(旧・岱明町)に有名な蘇鉄がある。その持ち主は「蘇鉄さん」(本当の話、詳しくは下記サイトを御覧あれ)
       www.ajkj.jp/ajkj/kumamoto/taimei/kanko/sotetu/sotetu.html

 「鉄」という字は「金を失う」と書くから、蘇鉄を玄関先に植えるのはよくないという話を聞いた事がある。なんだかこじつけがましい話が多い。

 寛永六年六月江戸の忠利から、「蘇鉄を十本急ぎ送るように」との連絡が入る。小倉・東鳥町に住む浄喜という人が見事な蘇鉄を持っていた。これが召し上げられる事になったが、浄喜は下葉を七本ばかり切り落としてしまった。町奉行は浄喜に入牢を沙汰する。町の人々がいろいろ詫び言を入れ時間が経過していく。命を受けている吉田縫殿に対し奉行は、「今日の七つ時には、かならす/\籠者可申付」ている。この申し付けには不思議な一文が付されている。「但、かようニ申渡候時ハ、八つを打、一寸ほともかうたち(香立)可申比にて候つる也」と・・・?注脚には「入牢ノ刻限ヨリ一時一寸程モ香立チシ後」とある。(なんのこっちゃ)

 江戸から文が下されてから十三日後、家老有吉頼母・米田監物が検分、厳重な荷造りが成され、翌六月十八日出船していく。江戸屋敷の庭や玄関先にでも植えられたのだろうか、蘇鉄の消息は知れない。籠者になった浄喜の消息も知れない。

 借金だらけの細川家、鉄ならぬ金を蘇らせたかったのかも知れぬ。

 
コメント
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