津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

風説秘話 ・・ 8

2010-02-09 13:54:59 | 歴史
■水道橋喧嘩(寛政元年)の際のことか
一、筑山五次郎先年江戸二て出火之節公義より火消衆御行
   列を切たれハ挙二て散々ニ打擲し馬より取て引落そ此
   事跡ニて公義より御吟味なり評定所ニ被召出御尋あり
   しに五次郎答たるは私事近年■■ニ罷下些手あ
   らく相成申候されは御火消衆此方行列ニ御乗懸被成候
   故是ハ/\と申御袴の裾に少障ると覚へ候得者御
   落馬ニて気の毒の御事ニ御座候と云しかハ彼方より無為
   方済しとぞ
         参考 :五次郎恭之(与右衛門)  御番方・朽木内匠組 高百石之御擬作
                     文化元年頃~   小国久住郡代
                     文化五年頃~   宇土郡郡代
                 名は恭之、所々の郡代を勤め、きわめて厳格の人なり。
                 天保十二年閏正月四日没す。年九十二。


■八代城の火事と木材の調達について
      ママ
一、寛政  年十月二日暁天火ニて八代御城御本丸内并御櫓  
   茂一ケ所焼失是者主水殿居住の所より焼始しに其家士
   松井門左衛門此様子を見て己か家ニ火を懸たり御城焼て
   ハ主水殿身分難立間我家よりの出火ニ取成■切んと覚
   悟せしが天火也と知れたる故其事ニ不及しと也扨御城御普
   請者鎌田左一兵衛ニ被仰付享和元年成就此木材は多く                      スゲ、メマル
   菅目丸の奥山より伐出たる此山ハ九州無双の深山ニて樅栂塩   現・山都町(旧・矢部町、菅、目丸)
   地桂槻の教良木枝を雑へ樹木暗く澗泉飛流し■こと甚
   難し東をと云西を目丸と云山の續は那須五家ニ至る矢
   部の地も凡八九里其中衆嶺に秀るを國見嶽と云絶頂木
   を伐出す然し二里斗の所也樵夫の通ふ岨道もさだかなら

   す最嶮敷山なれハ橇を作て運出す其仕懸山の片岸高く
   従■し岩角の少のかゝりに柱を立横木を結渡し根を大木の
   本ニ結付る櫓普請の時の道懸の如し其上ニ八寸角の材木を
   並へ如頓桟を作る事一里斗の間也其上を車ニ材木を積て
   押行車を使フ者一人油をさす者一人くさびを■ル者一人
   也勿論の木の上二て押損すれハ忽ち数十丈の谷底ニ     (ふぞろいの意)の間違いか  
   落誠ニ命を的ニする業なり故是を修羅出しと云と
   矢部の人語れり夫より緑川を下す也

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管理人注:昭和53年大坂藤井寺市の仲津媛陵古墳の陪塚の周濠から、一木のY字型の修羅が発見さ
       れた。長さ8.8メートルという巨大なもので、ほぼ完全な形であった。
       巨石や大木の運搬に遣われたものと推測されるが、「命を的にする業なり、故修羅出しという
       という話も共感できる。


  
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風説秘話 ・・ 7

2010-02-09 08:10:14 | 歴史
一、薮市太郎町を通時夏の事ニて水を打たるか袴ニかゝりたる
   を少も不知躰ニて見向もせず行通られしとそ又何比の

   事ニや或時侍米屋町を通りしに内より唾を吐懸たり侍押
   拭て見向もせす行しに其家より一人出て暫く御侍可被下
   と云何事かと問ハ只今あの者ケ様/\の御無礼申上候勿
   論御通り被成事を少も不奉存候手之儀ニ御座候間何卒御免
   可被下と云侍夫ハ此方ニてハ定て人違なるべしと云中に■頭
   様来り左様被仰下候而者弥以奉恐入候と頻ニ断て不止免
   や角の中往来の人も立留り何事なるやと大勢集り
   見るゆえ侍云たる者再應申通此方ニ者決てかゝらねと
   も汝等左様ニ申なれハ仮令懸らすとも何分差置かたし
   弥以吐懸しに相違なきなと云しか者何も大ニ警く躰
   なりしに壱人■早き者て返答したる者左様被仰聞

   候へ者定て懸り不申ニて有御座たると奉存候唾吐し節御
   通被成候間何れも是ハと仰天仕候処より折節風立者仕
   旁懸り申候と見損し申候此段真平御免可被下と云し
   かと侍然らハ弥其通間違なきやと問詰て行過たると也
   又昔是も名は不聞候侍夜中町を通りしに内より唾を吐
   懸しを直ニ打捨たり此由相達シ事済たり其後
   君御尋有たるは何某は此間手討せし節挑灯を燃
   たりやと 上意也其節ハ挑灯燃居不申由申上し
   かハ不覚悟也とて御咎被 仰付たり
一、或云鎌田何某町を通る時二階より唾を吐たりしに
   少も不知躰二て行を彼者跡より来り御待可被下と云尚

   不知ふりに行しかと引止め頻二断る故不便の事なりと
   て抜打二打捨たると也
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