津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

奉公人について「口上書」

2013-07-26 19:00:42 | 史料

一 例春御家中下々奉公人出替之儀、男ハ二月二日、女は三月十日出替可被申付候、地居及旅へ被召仕候給銀高、其外共連々及沙汰趣を以被申付、
   違背之者於有之は急度御奉行所へ可被相達事
一 例年之通、増奉公人相渡申筈候條、被召抱度面々ハ、例年之通被相願候、増奉公人給銀當時迄三拾日宛て候へ共、五拾目宛可被相渡候事
一 増奉公人、人置所より割付抱被申候面々、其奉公人先早連村方へ差越何某へ有付候段村庄屋へ相答、村庄屋より何村奉公人何某、受人何某/\
   との書附を取相達候上、右庄屋書附前之通無相違様抱差出調て、人置所へ可被相達事
一 人置所出入割付差越候節、夫々屋敷尋合不申も有之由候間、熊本居在宅之面々共、望指出被相達候節、右指出ニ屋敷所附を調加エ可被相達候事
一 増奉公人割付有之候節、人置所より之手札ニ召抱候との裏書區々ニ有之、紛敷様子も有之候、依之以来御城代衆以上ハ、乙名役より裏書調之致判
   形、人置所げ指出可申候、組外衆以下ハ銘々裏書ニて判形有之、人置所へ可被指出事
一 二月二日、奉公人暇指出、人置所へ被相達候節、向後は其奉公人共え右指出を持せ、人置所え可被指出候事
一 後年共右之通仰付候ニ付、来年よりは相觸不申候、尤出替之日限又は給銀之欠銀等違候ハゝ、其節ハ可及沙汰候事

            寶暦六年正月                          御奉行所 

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国家と大衆芸能・軍事講談師美當一調の軌跡

2013-07-26 06:42:45 | 書籍・読書

 細川家家臣尾藤家は尾藤金左衛門を初代とする大尾藤家(3,000石)とその分流小尾藤家(150石)がある。
この本の主人公は小尾藤家の藩政時代の最期の当主・尾藤権之助(友雲)である。
「弓馬の家に生まれながら遊芸人の真似をするなどけしからん」と、親戚・知己・朋友は大反対したと一調は語るが、自ら平民に身を落としてまで鑑札発行をえて、美當一調の名を以て出発するのである。尾藤を美當としたところに、彼の苦悩がみてとれる。
その活躍ぶりは本書を読んでいただきたいと思うが、天皇の前で語るという栄誉を得ている。
 

 

                      

                                三弥井書店発行 7,500円

 

日清・日露の戦争談を語った軍事講談師、美當一調の生涯と、戦役を語る講談、浪花節、浪曲を通して大衆への軍国教育をめざす内務省や軍部など、国家と大衆芸能との関わりを美當一調を中心として、歴史的に解説した本。

【目次】
浪曲史における美當一調
一 一調の生涯 従来の一調像/通説の再検討
二 軍談語り美當一調 軍談師一調/日清戦争談/偕行社講演/北清事変談/日露戦争談
三 軍事教育家尾藤新也の誕生 慈善活動/軍談語りから軍事講談へ/軍事教育家尾藤新也
美當軍談をめぐる人々
引用文献
あとがき

著者 安田宗生(熊本大学大学院社会文化科学研究科教授・文学博士)


 

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