最近「下座見カルタ」なるものが存在することを知った。江戸城には36の城門があるのだそうだが、大手門・桜田門・西の丸大手門には下座見という役職があった。大名家や幕臣などの登城の際、これらの門はごった返したというが、下座見はその「紋所や鑓、籠待ちの着ている法被の印」などを暗記して、相応の儀礼で対応するとともに登・下城が混乱なく行われるよう勤めたという。その必需品が「武鑑」であった。
また勤番侍は物珍しく「武鑑」を懐中にして行きかう大名・幕臣の行列を見物したという。「桜田門外の変」の際の水戸浪士も「下座見の躰」で武鑑を眺めながら行列を待ったされる。
さてこの「下座見カルタ」は絵札には家紋が記され鑓の形や本数などが書かれており、読み札(?)みあたるものには、国名・藩主名・禄高等が書かれているようだ。これが下座見の人たちが勉強のために使ったのか?、民間にカルタとして流布していたのかはよくわからない。
藤実久美子氏著「武鑑出版と近世社会」に詳しいようだが、古書が何とも高く思案の最中である。
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