津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

■仁助咄

2018-02-14 13:40:17 | 熊本

 仁助話(咄)は「肥後文献改題」に次のようにある。
「農民の不遇を諷刺した寓話、仁助という謹直な農民を主人公とし、他三人の農民を加えて農民の無智不遇を談らせ、村医智伯という科学的知識人を以て天災地変病魔の説明をなし、且真宗坊主の堕落と悪行を摘発誹謗して農民の愚昧にして啓蒙し難い事を説き、農民の窮状を説明したもの」とある。文化九年の著作で一名「嘗難農話」とも題す。著者・灑松軒は中山昌礼とする説もある。

現在当ブログで、何かと日常を不自由に過ごす農民・町民のことを取り上げているが、資料的価値が高くいろいろな論考などにも引用されるのがこの「仁助咄」である。このたび何とか座右に起きたいと思い、色々さがしていたが、もう42年も前に発刊された「仁助咄」を手に入れることが出来た。(まだ手元には届いていないが・・・)

この「仁助咄」は、熊本県史料集成に第4集としての刊本があるし。、また星子忠義氏編のもの(葦書房)もある。
どれかを購入しようと思って色々調べていた所、この矢部町教育委員会編の刊本があることを知り、購入の手続きをとった。
熊本県立図書館には、原本である灑松軒主人/著の嘗難農話古文書)があるがまだ未見である。
この本を購入するにあたって色々検索する中で、レファレンス協同データベースに「くずし字のものはないか」とするお尋ねに対しての回答が紹介されていた。http://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000174454
どうやら原本は失われているようだが、「井田衍義」第三十五巻に所収されている。
熊本県立図書館の「嘗難農話」はコピーはできそうにないが、「井田衍義」の原本とされるものはマイクロフイルムによる「写」が「熊本市歴史文書資料館」にあるようで、これはコピーできそうである。私も何とかコピーを取得したいと思っている。

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■寛永年以降・郡中法令(11)

2018-02-14 07:17:27 | 史料

二三〇
   御代官御内檢

一在々庄屋・百姓之所ニて何事ニても馳走ヶ間敷儀、尤振
 舞等受申間敷候、其身掛り之御郡ニて借物仕間敷事
一何色ニても誂物を被頼、在々え頼申儀、堅仕被申間敷候、
 尤自分も頼申間敷候、野方之御郡なと栗・雑穀を拂、御
 百姓共勝手ニ成御年貢取立候、勝手能所候ハヽ其通を書
 付此方へ窺其上ニて遣可申候事
一御内檢衆、徳掛之仕様、早・中・晩田幷木綿・大豆・胡
 麻・荏子等ニ至迄、其品々徳掛明細ニ可被仕候、左候ハ
 ヽ、其徳懸之一紙其時々に御根取中え可被指上候、徳掛
 之儀不念無之様ニ念を入可被仕候、下免之所土免反別ニ
 見分、徳かけ心持被仕間敷候、御免之極り其品之様子目
 六御取立人へ可被相渡候事
一御代官衆取立之儀、御内檢衆より被相渡候、徳掛目録ニ
 作徳を加へ一品切ニ無滞取立可被申候、皆濟目六被差上
 候節、右徳掛前ニ作徳を加へ吟味仕候、若取おくれ被申
 候ハヽ可為越度候事
一徳掛濟候已後、取柄割を相究取立之儀、夜日油断無之様
 ニ日仕候、左候ハヽ御蔵拂之儀も尤無油断可被申付
 候、然共此儀は麥作根付之心持可被仕候、兎角後年之閊        閊=つかえる
 違肝要ニ候事
一村々土免反別之當り其村ニ善悪其外御百姓之様子、常々
 吟味仕、此方より相尋候時、無之様ニ心得可被申候事
一御百姓共何事ニ付候ても隙も費し不申様ニ可被仕候、御
 取立緩ニ在之候得は御百姓痛申候間、取立之時分夜日共
 ニ稠敷被仕、在御蔵相濟候已後、籾摺旁跡之しまり第一
 ニ心を付可被申候事
 右之通堅可被相守候、段々之仕様之様子、形儀等之儀近
 日具ニ仕、善悪之様子可承候條可被得其意候、已上

 二三一
   御山奉行
一近年御山薮共ニ何之何郡も荒レ申様ニ相聞候、御山奉行
 之儀ハ在宅被仰付儀ニ候、御郡山薮見かしめ之儀、切々
 見廻り可被申候、左候て御山奉行不在山荒申所有之候ハ
 ヽ、稠敷遂吟味、御郡奉行衆之加被相達候、其様子ニよ
 り此方えも可承候事
一山薮共ニ立候て可然所見計、御郡奉行え沙汰仕、相談
 之上立可被申候、尤其段此方えも可被相達候事
一御山奉行約之儀、諸人を相手ニ仕、御山薮をしめ被申儀
 ニ候間、稠敷無之候てはしまり申間敷候事
一奥山ニてはらいを拂候所、御立山ニ仕、今迄之山拂ニ切
 を可然所可在之候、懸又、左様之所取立申候ハヽ、其様
 子御郡奉行衆え被相達、可然所究り候ハヽ、此方えも被
 申聞候上ニて可被申付候事
一何ニても諸方より之頼物を受込御百姓ニ被申付間敷候、
 幷在々ニて人夫を雇又は御百姓より馳走を受申儀、堅被
 仕魔間敷候事

二三二
   町方え可申渡事
一地子にいたる迄諸役免除候事
一若公儀よりの御用候は、其儀は成程肝煎可申候、他所よ
 り使者之儀、宿已下も肝を煎可申候、造作之儀は一切町
 へ不掛候事
一其町之頭を申付、大強之儀ハ頭として肝を煎可相濟事
一町奉行ハ不及申、其下ニ少も物を取せ申間敷候、借銀
 借米町方ニ借せ可申候、若此旨相背申候ハヽ、物を遣
 し町人も又かしら町人も同科ニ可申付候事
一此方より觸申候て掃除申付候外ハ、朝夕鷹野なとに出候
 時、町之掃除不及候事
  右之條々町中え可申渡候、以上
   正月七日        忠利御判
                   吉田縫殿助殿
                河喜多五郎右衛門殿

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