仁助話(咄)は「肥後文献改題」に次のようにある。
「農民の不遇を諷刺した寓話、仁助という謹直な農民を主人公とし、他三人の農民を加えて農民の無智不遇を談らせ、村医智伯という科学的知識人を以て天災地変病魔の説明をなし、且真宗坊主の堕落と悪行を摘発誹謗して農民の愚昧にして啓蒙し難い事を説き、農民の窮状を説明したもの」とある。文化九年の著作で一名「嘗難農話」とも題す。著者・灑松軒は中山昌礼とする説もある。
現在当ブログで、何かと日常を不自由に過ごす農民・町民のことを取り上げているが、資料的価値が高くいろいろな論考などにも引用されるのがこの「仁助咄」である。このたび何とか座右に起きたいと思い、色々さがしていたが、もう42年も前に発刊された「仁助咄」を手に入れることが出来た。(まだ手元には届いていないが・・・)
この「仁助咄」は、熊本県史料集成に第4集としての刊本があるし。、また星子忠義氏編のもの(葦書房)もある。
どれかを購入しようと思って色々調べていた所、この矢部町教育委員会編の刊本があることを知り、購入の手続きをとった。
熊本県立図書館には、原本である灑松軒主人/著の嘗難農話(古文書)があるがまだ未見である。
この本を購入するにあたって色々検索する中で、レファレンス協同データベースに「くずし字のものはないか」とするお尋ねに対しての回答が紹介されていた。http://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000174454
どうやら原本は失われているようだが、「井田衍義」第三十五巻に所収されている。
熊本県立図書館の「嘗難農話」はコピーはできそうにないが、「井田衍義」の原本とされるものはマイクロフイルムによる「写」が「熊本市歴史文書資料館」にあるようで、これはコピーできそうである。私も何とかコピーを取得したいと思っている。