津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

■太宰府幕末記: 五卿と志士のものがたり

2019-02-28 18:07:05 | 書籍・読書
   太宰府幕末記: 五卿と志士のものがたり
 
               西日本新聞社

   幕末福岡藩の勤王党は大弾圧を受け、家老の加藤司書らは切腹、その他多くの人たちが流刑その他の処分を受けた。
   野村望東尼などもその一人だが、そんな中に私と姓を同じくする福岡藩士がいる。
     つながりは良くわからないが、わが先祖は豊前時代母方の同氏姓をなのり、今日に至っている。
   そういうことも有り、幕末期の福岡藩にはいささかの興味を持っている。

   望東尼との関りもありそうだが、熊本の事で手いっぱいで福岡の史料を詳しく勉強するに至っていない。
   佐幕派にとってかわった福岡藩では、大宰府に流された五卿を江戸に送ることを考えたらしい。
   これに待ったをかけたのが、西郷隆盛だとされる。明治新政府が樹立されると、佐幕派でしめられた福岡藩は全く取り残されてしまう。
   おまけに偽札を大量に作ったことも災いした。
   熊本藩が維新の波に乗り遅れたというが、福岡のそれは話にならないほどである。
   大宰府は「明治維新の策源地」だともいわれる。この本は大宰府天満宮文化研究所の渾身の上梓である。

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内容説明

激動の幕末、維新の策源地となった太宰府を舞台に、歴史に名を刻む当事者たちが残した手紙や和歌などに隠された数々の物語を繙きます。

目次

第1章 延寿王院と大鳥居信全(延寿王院―天満宮と朝廷の深いつながり;西高辻(大鳥居)信全像―五卿を受け入れた宮司 ほか)
第2章 五卿遷座前の太宰府―七卿落ち(和魂漢才碑―勤王の志士たちの大和心が結集;三条実万書状―真木和泉の建策について ほか)
第3章 長州藩をめぐる福岡藩と薩摩藩の動き(勤王の志士たちの和歌・漢詩―月形洗蔵に贈る;西郷隆盛書状―「筑薩一致」の夢破れる ほか)
第4章 太宰府での五卿(天満宮境内絵図―五卿がみた天満宮の風景;五卿図―延寿王院での五卿 ほか)
第5章 大政奉還―五卿の帰京(三条実美像―信全へ贈った形見の肖像画;短刀銘「村正」―天神さまへ捧げた剣と和歌 ほか)
関連資料

出版社内容情報

西郷隆盛、坂本龍馬、桂小五郎が集い、明治維新の策源地となった福岡・太宰府。天満宮に残る貴重な資料で歴史の転換期を振り返る。明治維新は福岡・太宰府で始まった! 尊王攘夷の鍵を握る三条実美ら五人の公家に会うために、西郷隆盛や坂本龍馬、桂小五郎らが太宰府を訪れ、薩長連合に向けた交渉が図られた。天満宮に残る貴重な資料で、歴史の転換期を振り返る。知られざる郷土史、再発見。

・七卿が長州に逃れる姿を描いた「七卿都落之図」
・勤王の母野村望東尼が描いた「五卿図」
・西郷隆盛が福岡藩士月形洗蔵に宛てた書状
・高杉晋作が家族に宛てた書状
・五卿が滞在のお礼に贈った短刀銘「村正」
・五卿が天神さまへの感謝を詠んだ和歌
など貴重な資料を収録した、太宰府天満宮宝物殿収蔵品集です。

太宰府天満宮文化研究所 編集

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■「市井雑式草書附録」(16)

2019-02-28 06:52:44 | 史料

 一一七 文政五年二月
一煮賣店心得方之儀付ては、文化十年閏十一月、御達之趣
 有之候處、近來ニ至間々心得違之者有之様子ニ相聞、不
 埒之至候、尤是迄有來之外、以來新規之煮賣屋は難叶候、
 自然心得違之者有之候得は、町方御横目廻役、且又火廻
 御物頭よりも及吟味被相達次第、屹ㇳ被仰付筈候條、其
 旨相心得、五人組は不及申、別當・丁頭よりも違犯之者
 無之候、平日心を付候様、且魚賣之者同居ニて、町並は
 別口ニしつらひ、煮賣仕候儀向後難叶段及達候事

 一一八 文政五年三月
一町中ニて、にしき繪致商賣候者有之由、花美ニ移可申品
 柄ニ付、向後にしき繪商賣は仕間敷候、且近來子供日傘
 ニ、錦繪を張り交相用候者も有之由、以後右躰之細工仕
 間敷、勿論商賣も難叶段及達候事

 一一九 同年四月
一去ル寅年、他國産物之内、御國入被差免候節、異類之上
 品高價之品、或は無益之翫物・新製之異品等、堅注文不
 仕、水揚物も右之類は決て取入不申様被仰付置候處、間
 ニは心得違之者も有之哉ニ付、彌以右御達之通堅相守可
 申候、且又左之通
ごめん下駄幷雪駄・草履ニびろふどの緒同へり付ヶ候       ビロードベルベット=天鵞絨 (てんがじゅう)
 品、且又漆ニて塗候下駄・木履商賣被禁之
  但、引摺かご嶋下駄、或は日和下駄なとと唱候はき      引摺→のめり下駄=前部の裏面を斜めに切り落とした男子用の駒下駄。ぬめり下駄。
  ものハ、以後商賣一切被禁候
一雛幷人形高サ八寸以上可為無用段、寛政[蟲喰]公義御
 觸之通ニ付、右御觸ニ違候雛人形彌以[蟲喰]仕間敷候
一ちりめん幷絹之髪飾類商賣不仕様、先年及達置候通、彌
 以相守可申候
 右之通市中店々ニおゐて屹ㇳ相守可申候、來正月以後、
 右之品商賣仕候者有之候ハヽ、急度被仰付筋可有之候、
 旅人共も向後右躰之品堅持下不申様、自然心得違之儀有
 之候ハヽ、御國通商可被差留段申渡候間、町中不洩様相
 達候様、惣月行司え及達、御郡代・町御奉行えも及達候事

 一二〇 文政五年 月
一旅線香之儀、天明二年四月、線香屋共依願、御國入被差
 留置、猶又去ル寅年、御國産仕立十二品之内ニ被加置、
 他所より入込被禁置候處、近來他國製之線香密々入込、
 線香屋共及迷惑候様子ニ相聞候條、彌以旅線香商賣不仕
 候、尤問屋々々ニて、旅人土産物躰ニて持越密賣いたし
 候儀、心を付紛敷筋は早速申出候様、問屋々々えも申達
 候様及達候事

 一二一 同六年正月
一例年二月中、御府中市立之場所ニ、子供遊之[蟲喰]幷竹弓
 を拵賣出候者有之、幼年之者取扱候て、自然怪我人等
 有之候ては難相濟事ニ付、以來右両所御府中市場等ニ持
 出、賣買いたす間敷候、若心得違、持出候者有之候ハ
 ヽ、廻役幷所之町役人より心を付、屹ㇳ引拂せ候様、町
 在え及達候事

 一二二 文政六年十二月
一酒を觸賣いたし候儀は難叶、且又夜中二食物を觸賣いた
 し候儀も、従前々被禁置候處、近年二至、間々心得違之
 者も有之様子ニ相聞候、酒は勿論甘酒・濁酒たり共觸賣
 は難叶、且又夜中二食物觸賣いたし候儀、彌以難叶段、
 及達候事

 一二三 文政十年十月
一去ル酉年、他國産物品分を以、御國入被差免候御主意は
 一統年を遂奢侈之風ニ移、異類之上品高價之品等他國よ
 り入込、御國中及衰微候を被救候ため、年限を以被禁置
 候處、右年限過御國産仕立之外は元々之通、他國産物取
 下被成御免候得共、上品高價之品妄ニ取下、根元之御主
 意を取失候様ニ成行候ては不相成事ニ付、異類之上品高
 價之品、或は無益之翫物・新製之異品は堅注文不在、水
 揚物も右之類ハ決て取入申間敷旨、文政元年二月、一統
 御觸有之候處、近年自然と相弛、別て呉服夏物類、上品高
 價之品等賣買いたすものも有之様子相聞、御達ニ違戻い
 たし不届之至候、自今以後彌以先年相達之通堅相守候様、
 御國通商御免之旅人共えも右之趣屹ㇳ旅人方より申渡有
 之、御格之通旅人之荷物改方之節、町方御横目より精敷
 遂見分、異類之上品高價之品等は封印を用置相達申筈候、
 尤両御殿御裏御用承候町人、御裏方より之依注文取下候
 品は、其節々相達、別段見分を受可申候、自然御用之殘有
 之候迚相對賣費いたし候儀は難叶段、五ヶ町え及達候事

 一二四 文政十三年正月天保改元
一近年通称之旅人共持下候由、銀に似せ候笄、當時専流行
 之由、御國禁之銀之笄ニ似寄紛敷品柄ニ付、以來商賣被
 差留旨町中え及達、右躰之金銀ニ紛敷品ハ屹ㇳ持下不申様
 通商人共え及達候様にと産物方へも及達候事

 一二五 天保元年六月
一呉服夏物等、異類之上品高價之品、或は無益之翫物・新
 製之異品等堅注文不仕様にとの儀付ては、追々屹ㇳ及達
 置候通候處、間ニは心得違之者有之、造酒屋共より大坂
 灰屋共え衣服器物等直注文いたし、内々にて取下候躰之
 儀も有之哉ニ相聞、難相濟事候得とも、是迄之儀は其分
 にて被差置候間、以來、酒灰造酒道具之外堅注文不仕
 様、若違犯之者於有之ハ、御吟味之上急度被仰付段、造
 酒屋中え相達置候様、直段元え及達、其外在中幷四ヶ町
 えも及達候事

 一二六 文政四年十月町方日帳 御郡方僉議之趣を以及達候事
一在中より付出候穀類出買仕間敷段ハ、追々屹及達置候通
 候處、近來心得違之もの有之哉二相聞、不埒之至候條、
 右躰心得違之もの有之は、抜米見在役人之内、見逢次      扌偏に乄=
 第指押、買取候穀類取上名前相達候様、尚此節右見
 え達有之候間、此段町中末々迄不洩様可相達段、惣月行
 司市原永次郎え及達候事

 一二七 天保十五年三月町方日報
一在中より付出候竹木類、其口/\におゐて出買いたし候
 儀、此節御僉議之趣有之、以來停止被仰付候、自然心得
 違之者有之、右之旨を於相背は、屹御咎被仰付候條、懸
 /\末々迄不洩様可相達段、町奉行所詰別當惣月行司寺
 尾喜三郎え及達候事

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