アンドリュー・シリル『Duology』(jazzwerkstatt、2011年)を聴く。
Andrew Cyrille (ds)
Ted Daniel (tp, flh, khakhai)
Michael Marcus (cl)
タイトルからは、トランペットとクラリネットが入れ替わりつつ、シリルとのデュオを行うことを想像するが、そうではなくトリオによる演奏である。(どんなわけでこのタイトルにしたのだろう?)
かのセシル・テイラーと組んでいたからといって、シリルのドラミングはエネルギーがどどどどどと迸り出るものとは違う。どちらかといえば構成的で、かっちりと下からリズム世界を組みあげていく印象のプレイである。理知的にも感じられる。
確かに、セシルとのグループはともかく、オリヴァー・レイク、レジー・ワークマンとのトリオでも、イーヴォ・ペレルマンのグループでも、彼のプレイはそうだったのかなと脳内で反芻してみる。
ヘンリー・スレッギルのグループ「エアー」において、フェローン・アクラフの次にドラマーを務めたのはシリルだったらしい。録音は残っていないそうだが、どんな演奏だったか興味がある。
●参照(アンドリュー・シリル)
セシル・テイラー『Dark to Themselves』、『Aの第2幕』
ジョー・ヘンダーソン『Lush Life』、「A列車で行こう」、クラウド・ナイン
デイヴィッド・マレイ『Saxophone Man』
ウィリアム・パーカーのベースの多様な色
ブッチ・モリス『Dust to Dust』
ザ・ジャズ・コンポーザーズ・オーケストラ
ペーター・コヴァルトのソロ、デュオ