Sightsong

自縄自縛日記

アリ・ジャクソン『Big Brown Getdown』

2014-06-25 23:34:06 | アヴァンギャルド・ジャズ

アリ・ジャクソン『Big Brown Getdown』(Bigwenzee Music、2003年)を聴く。

Ali Jackson Jr. (ds, tambourine)
Robert L. Hurst III (b)
Aaron Goldberg (p)
Wynton Marsalis (tp)

ウィントン・マルサリスが入ったジャズクラブでの小編成のセッションというだけで、聴きたくなる。目玉は、何といっても、「Giant Steps」である。

1995年に、エルヴィン・ジョーンズがウィントンを連れて新宿ピットインで演奏したとき、まさに、この曲を吹いた。分厚い胸板から煌びやかに出てきた音にとても感激した記憶が、まだ生々しく残っている。そんなわけで、ドキドキしながら再生したのだが、どうも音のバランスが悪い。リズム3人の音が妙に前面に出ていて、ウィントンのトランペットの音は向こう側にある。かなり不満だが、大音量にしてようやくその気になれた。これをナマで目の当たりにしたら、やはり激しく興奮するんだろうね。

永遠に賛否両論のウィントンではあるが、このようなライヴ録音なら大歓迎。

新宿ピットインでウィントンのサインをもらった

●参照
ウィントン・マルサリス『スピリチュアル組曲』は、完璧だけどまったく興奮しない。
ジョー・ヘンダーソン『Lush Life』、「A列車で行こう」、クラウド・ナイン


エドガー・アラン・ポー短編集

2014-06-25 23:10:27 | 北米

ふと気が向いて、エドガー・アラン・ポーの短編集を読む。

2009年に、新潮社から巽孝之による新訳として出されたものであり、『ゴシック編/黒猫・アッシャー家の崩壊』と、『ミステリ編/モルグ街の殺人・黄金虫』の2冊。

濃縮されたような怪奇趣味と、もってまわったような語り口が、実に味わい深い。「黒猫」も、「赤き死の仮面」も、「落とし穴と振り子」も、「モルグ街の殺人」も、「ホップフロッグ」も、凄惨で、狂気を孕んでいて、それでいてシンプルだ。いいオトナも、あらためて読んでみると再発見請けあい。

19世紀前半に書かれたこれらの作品群が、いまのホラーやミステリの嚆矢となったのである。

それにしても、ポーの小説を手に取るなんて、中学生の頃にいくつか読んで以来ではなかろうか。ひょっとしたら、当時はジュヴナイル版を読んでいたのかもしれない。勿体ないことをした。