Sightsong

自縄自縛日記

ハン・ベニンク+ユージン・チャドボーン『21 Years Later』

2017-08-08 07:44:28 | アヴァンギャルド・ジャズ

ハン・ベニンク+ユージン・チャドボーン『21 Years Later』(Leo Records、2000年)を聴く。

Han Bennink (ds)
Eugene Chadbourne (g, banjo, electric rake, vo)

極め付けのイカレた変態ふたりがトラックを並走するとこんな感じになる。

哄笑しながら爆走するハン・ベニンク。高速で次々に鼓膜を歪ませ続けるユージン・チャドボーン。すべて短い曲ばかりなのだが、ポップな旋律が混じりチャドボーンが下手糞な喉を披露すると破壊力抜群。「Love for Sale」とか「Imagination」とか「Corcovado」とか、原曲が依って立つ物語は完璧に武装解除される。レミー・コーション(!)の曲なんてあるがこれは何だろう。一方、エリック・ドルフィーの「Miss Ann」ばかりは、ハンの歴史に敬意を表してか、マジメに演奏しているように聴こえる。

●ハン・ベニンク
ハン・ベニンク『Adelante』(2016年)
ハン・ベニンク@ディスクユニオン Jazz Tokyo(2014年)
ペーター・ブロッツマンの映像『Soldier of the Road』(2011年)
ハン・ベニンク『Parken』(2009年)

ハン・ベニンク『Hazentijd』(2009年)
イレーネ・シュヴァイツァーの映像(2006年)
ハン・ベニンク キヤノン50mm/f1.8(2002年)
エリック・ドルフィーの映像『Last Date』(1991年)
ICPオーケストラ『Bospaadje Konijnehol』の2枚(1986-91年)
レオ・キュイパーズ『Heavy Days Are Here Again』(1981年)
レオ・キュイパーズ『Corners』(1981年)
ペーター・コヴァルトのソロ、デュオ(1981、91、98年)
アネット・ピーコック+ポール・ブレイ『Dual Unity』(1970年)
ウェス・モンゴメリーの1965年の映像(1965年)


プラットフォーム『Flux Reflux』

2017-08-08 00:45:38 | アヴァンギャルド・ジャズ

プラットフォーム『Flux Reflux』(clean feed、-2017年)を聴く。

Platform:
Xavier Charles (cl)
Katrine Schiøtt (cello)
Jan Martin Gismervik (ds)
Jonas Cambien (p, casio SK1)

タイトルを借りるなら、4本のフラックスがある。並行して流れながら、息遣いが相互の糊となり、撥音が揺るがしあい。そのような相互干渉的で共存的なインプロが内部的にリズムを見出していくようであり、鼓動を持つフラックスが不可逆的に生み出されてゆく。これはスリリングというべきなのだろう。

それにしてもグザヴィエ・シャルルのクラリネットが魔術的。リードやタンポの撥音も、響きも、やはりクラは木管だなと思わせてくれる魅力もある。

●グザヴィエ・シャルル
齋藤徹+かみむら泰一、+喜多直毅、+矢萩竜太郎(JazzTokyo)(2014-16年)