渋谷の公園通りクラシックスにて、「晩夏のマタンゴクインテット」(2017/8/23)。確かレオナさんが田村さん・藤井さんと初共演と聞いたような。
田村夏樹 (tp)
藤井郷子 (p)
北田学 (cl, bcl)
レオナ (tap)
鈴木ちほ (bandoneon)
ファーストセット、藤井+レオナ+鈴木。静かなイントロの中でピアノの音に驚かされる。と、突然スタートした。高みへと向かうような爆発を何度もトライする一方で、ときにお互いにペックしあう。激しいアクションの合間には、糸によるピアノの内部奏法、タップシューズによる擦り、バンドネオンの間断ない鳴き、そういったものが残響として常に空間にあった。静と動との併存があまりにも素晴らしく、終わった後に、左右の人と顔を見合わせてしまった。
セカンドセット、田村+北田。和やかな談笑のままに、お互いの楽器で遊び、重なりを探り合う。それは、倍音、息遣いの増幅、そして再び音の取り戻しへと共鳴しながら転換していった。やがて田村さんが低い声で唸り、北田さんがクラの低音で応じる。トランペットのミュートとクラのマウスピースだけによる破裂音の、またしても共鳴。
そして全員が参加した。最初はバスクラが音の礎となるが、たとえばバンドネオンがリズムを取りつつバスクラとタップがその上で跳ねるなど、役割はお互いに転換していった。内に籠るようなサウンドの中で、突然、藤井さんのピアノが介入すると、それは鋭く尖ったものとして、場の隅々にまでサウンドを拡張する。それを機にバスクラが太く強くなり、トランペットが泡立つ。この嵐が静まるとバンドネオンの音が浮かび上がる。
音風景がまた変わった。ピアノは教会の鐘のようであり、タップシューズが床を擦る音、バンドネオンの響き、そういったものが、暗くなってゆく夜を思わせる。北田さんはバスクラからクラに持ち替え、レオナさんは放浪をはじめる。全員が帰巣の準備をはじめているような、収束に向かう雰囲気。しかしそれでは終わらなかった。夜の、もうひと騒ぎが始まった。まるでレオナさん対全員といった構図もあり、田村さんはマタンゴマタンゴと呟いた。
(以下、鈴木さんが付けたキャプションとともに)
すごい集中力を感じる写真
ライブ直前に前髪切った感満載
田村さんスマイル、2人で会話中。
似てる。
胞子振り撒き中のレオナ。
この表情の差がちょうど良いコントラストに!
Fuji X-E2、XF60mmF2.4
●田村夏樹、藤井郷子
This Is It! @なってるハウス(2017年)
田村夏樹+3人のピアニスト@なってるハウス(2016年)
●北田学
北田学+鈴木ちほ@なってるハウス(2017年)
●レオナ
板橋文夫+纐纈雅代+レオナ@Lady Jane(2016年)
板橋文夫『みるくゆ』(2015年)
●鈴木ちほ
北田学+鈴木ちほ@なってるハウス(2017年)
りら@七針(2017年)
齋藤徹+類家心平@sound cafe dzumi(2015年)