チャールズ・ブラッキーンのリーダー作といえば『Rhythm X』(Strata East、1968年)が名高い。ドン・チェリー、チャーリー・ヘイデン、エド・ブラックウェルというオーネット人脈の面々と演奏したこともあり、ハードコアな音にやられた人は少なくないに違いない。
しかし、Silkheartレーベルに1987年に吹き込んだ4枚のアルバムもまた良いのだ。
(1) チャールズ・ブラッキーン『Bannar』 1987/2/13
(2) デニス・ゴンザレス『Namesake』 1987/2/14
(3) チャールズ・ブラッキーン『Worshippers Come Nigh』 1987/11/28
(4) チャールズ・ブラッキーン『Attainment』 1987/11/29
こういう(?)人だからサウンドは似たようなもので、と口を滑らせそうになるが、実のところ多彩でまた愉しい。2月の録音では、自身のリーダー作ではデニス・ゴンザレス、マラカイ・フェイヴァース、アルヴィン・フィルダー。フェイヴァースのベースから味が滲み出る。翌日録音のゴンザレスのリーダー作ではさらにアーメッド・アブドゥラーとダグラス・エワート。濃い面々のセクステットだけあって賑々しく、血がぼこぼことたぎる。
11月の録音ではゴンザレスに替わりオル・ダラのコルネット。やっぱりこの人の音は土臭くて物語をじゅんじゅんと語るようで好きである。また、より推進力あるベースを弾くフレッド・ホプキンス、シンバルがクリスタルのように美しいアンドリュー・シリル。2月のメンバーと甲乙つけがたい。
そしてブラッキーンのサックスである。丸いエッジの部分に味が付いていて、デューイ・レッドマンを思わせもする。アリアのように吹きまくるところなんて悶絶。リーダー作が少ないのが勿体ない。
Charles Brackeen (ts, ss)
Deniz Gonzalez (tp, flh)
Malachi Favors (b)
Alvin Fielder (ds)
Deniz Gonzalez (tp, flh)
Malachi Favors (b)
Charles Brackeen (ts, ss)
Alvin Fielder (ds)
Ahmed Abdullah (tp, flh)
Douglas Ewart (bcl, as, Ewart-fl)
Charles Brackeen (ts, ss)
Olu Dara (cor)
Fred Hopkins (b)
Andrew Cyrille (ds, congas)
Deniz Gonzalez (pao de chuva)
Charles Brackeen (ts, voice)
Olu Dara (cor, voice, berimbau)
Fred Hopkins (b, toy drum, voice)
Andrew Cyrille (ds, congas, voice)
Deniz Gonzalez (pao de chuva, voice)
ポール・モチアンのトリオ