Sightsong

自縄自縛日記

スティーヴ・ノブル+クリストファー・ベール・アルバーツ『Coldest Second Yesterday』

2017-08-11 12:12:11 | アヴァンギャルド・ジャズ

スティーヴ・ノブル+クリストファー・ベール・アルバーツ『Coldest Second Yesterday』(clean feed、2015年)を聴く。

Steve Noble (ds)
Kristoffer Barre Alberts (ts)

clean feedレーベルの盤はフリー系の出会いの宝庫なのだが、それは、知らない人がよく出てくるということである。そんなわけで放置しているうちに、少数であっても残ってしまうのか、アウトレットのワゴンに何気なく入っていたりする。これもその1枚。

このクリストファー・ベール・アルバーツというテナー奏者もはじめて聴くのだが、またずいぶん個性的な音を出す人である。ブキョーギキョーなんて異音が入りまくり、それでいてふと我に帰ると音のコアもあって、面白い。スティーヴ・ノブルの地響きのような轟音に相対していて、きっと吹き終わったら酸欠でくらくらしているに違いない。

●スティーヴ・ノブル
ユリエ・ケア3、リーマ@スーパーデラックス(2017年)
ジョン・ダイクマン+スティーヴ・ノブル+ダーク・シリーズ『Obscure Fluctuations』(2015年)
ロル・コクスヒル+ジョン・エドワーズ+スティーヴ・ノブル『The Early Years』(2004年)


チーチェ・トリオ『Chiche』

2017-08-11 11:13:15 | 中南米

チーチェ・トリオ『Chiche』(KUAIMUSIC、2016年)を聴く。

Sergio Verdinelli (ds, vib)
Martín Sued (bandoneon, toys)
Juan Pablo di Leone (bass fl, piccolo, fl, harmonica and effects)

セルヒオ・ヴェルディネッリ、マルティン・スエド、フアン・パブロ・ディ・レオーネというアルゼンチンの3人組。実はまったく予備知識がなく、話題になったときから時間が経ってアウトレットになっていたから入手したようなものなのだが、これは自分にとっては良い出逢いだった。

バンドネオンは強弱をうまく使って出し引きする。その結果、サウンドには大きな隙間が生まれていて、爽やかなドラムスも活きているし、何より聴いていて油断し呆とできる。こういうのは、旅先で時間を持て余してどこかに座りぼんやりするような感覚に似ている。悪くない。


YOSHIMIO+スージー・イバラ+Phew、勝井祐二+ユザーン@スーパーデラックス

2017-08-11 08:52:14 | アヴァンギャルド・ジャズ

西麻布のスーパーデラックス(2017/8/10)。

■ 勝井祐二+ユザーン
勝井祐二 (vln)
U-Zhaan (tabla)

(略)

■ YOSHIMIO+スージー・イバラ+Phew
YOSHIMIO (ds, vo)
Susie Ibarra (ds)
Phew (electronics)

YOSHIMIOが叫びドラムスでバチンバチンと攻め、Phewはエレクトロニクスに専念。存在感を前面にぐいぐい出すふたりの横で、スージー・イバラは知的で霊的でもあるドラムプレイを見せた。

最初は、肘でタイコの、手でシンバルの音を消しながら入ってゆく。その後のシンバルは、薄い膜のサウンドを細やかにも恐れずに提示するようだった。ひとつひとつのパルスを強く破壊的に出すやり方とは正反対であり、それがスティックによるドラミングにも共通していた。イバラは途中で儀式のように数種類のベルを鳴らすのだが、隣の大きな音にも関わらず、別空間のように静かさのアウラとともに鼓膜に届いた。それゆえにスティックで猛然と攻めるときには息を呑んだ。そして最後は、また起点に戻るように、肘と手でサウンドを制御した。

Fuji X-E2、XF60mmF2.4

●参照
勝井祐二+ユザーン、灰野敬二+石橋英子@スーパーデラックス
(2015年)