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桜と絵本と豆乳と

ハードカバーでソフトを…

2024年02月23日 | 読書
 珍しいことに、4冊全部ハードカバー、図書館からの本が3冊あるので当然か。中味はソフトなものからちょっとハードまで様々。
 いろいろある、如月下旬。 



 何か軽い小説でもと思って、図書館で目に付いた一冊を借りた。コミック『あんどーなつ』を全巻揃えているくらいだから、このジャンルは好みだ。Re16『和菓子のアン』(坂本司 光文社)…職人ではなく売り子が主人公。しかし和菓子の薀蓄はかなり豊富で面白い。現代的な人情噺といってもいいし、ゆるりと読めた。


 Re17『ことばの社会学』(鈴木孝夫 新潮社)。蔵書点検後に「除籍本」として並べられた中から取り出した。昭和62年刊なので、隔世の感を否めない表現もあるが、論理と洞察力に学ぶ点は多々あった。例えば、録音した自分の声こそが、他人に聞こえている自分の声なのだという認識の仕方は、非常に象徴的だ。

 それは個人の行動・性格にも全く当てはまるし、住む地域や国についても同様だ。客観視できなければ、主観に過ぎない目的達成度など計れるわけがない。さらに、日本人の特性として人を「分割評価」できないという指摘は自らを照らし合わせても納得だ。頑なになるか、緩やかになるか、加齢はそれを突き付ける。


 Re18『星空の谷川俊太郎 質問箱』(谷川俊太郎 ほぼ日)。Webサイト掲載の質問を主にして64の問いに谷川が答える。当然、いわゆる人生相談ではない。詩人の発想を学ぶ意味では、何度読んでも新鮮味がある。人生の比喩はよくあるが、「要約しようとすることにぼくは反対」だそうだ。詩と要約の距離は遠大だ。


 続編があったので借りてみたRe19『アンと青春』(坂本司 光文社)。2冊目になると正直、和菓子の説明にくどさを感じる。『ジャーロ』という雑誌掲載だったのでお菓子関係かと思ったらミステリー誌(今は電子書籍)。確かに…。和菓子の薀蓄による謎解きがあるにせよ、展開は、やや「こしらえ」の感が強すぎるか。


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