日々のつれづれ(5代目)

旅行レポート以外の、細々としたこと。
割とまめに書くようにしています。
お気軽にコメント下さい。

【本】海野福寿著 「韓国併合」(岩波新書)

2021-06-23 20:00:00 | 本・映画・展覧会
 明治初期以降、日本がいかに韓国に対し悪辣な手段で(名ばかりの)保護そして統合を行ってきたか、時系列で両国の動きを開設。同時に、そもそも韓国を事実上支配していた中国(当時は清)および欧米列強の干渉についても記されている。

 読んで気分良い本ではない。どちらがより…という程度問題はあれど、体裁上は国際法に則ってたものだろうと、そりゃーこんな時代の記憶があれば反日・抗日は続くだろうなと思う。日本も開国当初は欧米諸国との不平等条約に苦しんだのだから、単純に加害者扱いしないで貰いたいと言う異論がありそうだ。当時はそういう時代だったのだと言う釈明もありそうだ。でも日韓両国に限らず、仮にも一つの国に干渉し、実質的支配を行って良いということにはならない世界であって欲しい。

 2021年6月4日 自宅にて読了
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【映画】HOKUSAI

2021-06-23 06:00:00 | 本・映画・展覧会
 葛飾北斎が才能を見出され世に知れ渡る青年期と、円熟しつつも飽くなき追究を続ける老年期を描く。青年期を演じるのは柳楽優弥、老年期は田中泯。北斎を見出す画商を阿部寛。

 絵を描くことにしか関心がなく、それがために周囲との軋轢を生み、もがく北斎(当時は勝川春朗)を評価しつつも厳しい態度をとり、才能を開花させる画商蔦屋重三郎が格好良い。才能を見出すだけでなく、幕府の庶民娯楽弾圧への反発心を隠そうとしない気骨の人でもある。TSUTAYAの語源は(創業者が子孫とかではなく)この蔦屋にあやかったものなのだとか。この重三郎が勝川春朗を学ばせるために引き合わせる絵師たち、書きかけの作品を見て自分でも喜多川歌麿だ、東洲斎写楽だと判ってしまうのだから、一体どれだけ有名なんだって感じ。

 老年期、幕府に挑戦するかの如く「生首の図」を制作し、それによる身の危険を躱すため信州・小布施の元門下人・高井鴻山を訪ねるところ、小布施の北斎館訪問の思い出が繋がる。そして同館保存の屋台に描かれた「男浪図」「女浪図」が劇中で見事に描かれてゆく。幾つになっても、卒中の後遺症で多少は動きが不自由になっても、創作への意欲衰えない様子は鬼気迫る。

 何年か前に観た、北斎の娘・お栄(葛飾応為)を描いたアニメ映画「百日紅 〜Miss HOKUSAI〜」と合わせ、やはり制作しがいのある、ドラマティックな人生を送った人たちなのだろうと思った。ちなみに日本のパスポート、昨年2月から査証欄には北斎の「富嶽三十六景」があしらわれている(使用作品一覧はこちら(PDF)。数ある浮世絵師の中で北斎が最も日本人に親しまれている証なのかもしれない。

 小布施(北斎館)と、墨田区(すみだ北斎美術館)へは、また行こう。

 2021年6月3日 川崎・チネチッタにて
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする