「阿修羅のごとく」向田邦子(文春文庫)
向田邦子ドラマ。
2種類のバージョンがある。
新潮文庫版は、シナリオ形式。
文春文庫版は、小説形式、ノベライズされている。
向田邦子さん自身が小説化されていないのが、残念。
(タイトルの裏に、『放送台本を中野玲子氏が小説化』と、書かれている)
どちらで読むかは好みでしょう。
シナリオ形式だからといって、読みにくいわけではない。
(小説形式は、誰がこのセリフを言ってるのか、分かりづらい箇所もある)
シナリオ形式だと、セリフの上に「誰それ」、と書かれていて分かりやすい。
ところで、この作品TVで見た記憶がある。
八千草薫さんが次女を演じていたのだけ覚えている。
ストーリーはすっかり忘れていた。
今回、読んでもほとんど思い出さず、初見のような感じ。
その方が楽しく読めて良かったけど。
前半より、後半の方がおもしろい。
4人姉妹、それぞれの性格が分かってくるし、大きな事件も起こったりする。
左から、風吹ジュンさん、加藤治子さん、いしだあゆみさん、いちばん右端が八千草薫さん。
(1979年1月にNHK総合「土曜ドラマ 向田邦子シリーズ」で3話放送。続編をパート2として1980年1月~2月に4話放送)
【雑学ネタ】
漫画家・松本零士さんの美女キャラクターは、八千草薫さんがモチーフになっている、と聞く。
【ネット上の紹介】
年老いた父に愛人がいた!四人の娘は対策に大わらわ。
だが、彼女たちもそれぞれ問題を抱えていた。
未亡人の長女は不倫中、
次女は夫の浮気を疑い、
三女は独身の寂しさに心がすさみ、
四女はボクサーの卵と同棲、
そして母は…
肉親の愛憎を描き、家族のあり方を追求してきた著者の到達点ともいうべき力作。