「ジョーカー・ゲーム」柳広司(角川書店)
久しぶりに、硬派な作品を読んだ。
女性はほとんど登場せず。
スパイ小説・・・横浜、上海、ロンドンが舞台。
軍内部の勢力争い、他国との諜報戦。
思想的なものは、あえて排除して、スタイリッシュなスパイ小説となっている。
そこが、人気の秘訣かも。
私も、楽しく読むことが出来た。
ところで、「スパイ小説」、って海外では人気ジャンル。
すぐれた作品が数多く出版されている。
日本でも、熱狂的なスパイ小説ファンがいる様子。
もしかしたら、そんな方にはもの足りないかもれない。
でも、私のような一般読者には、充分面白く感じられた。
「このミス」でも高得点獲得で2位だし。
普段、このようなジャンルを読まない方でも、楽しく読める内容、と思う。
通勤読書にオススメする。
PS
インタビューを読んでいると、この著者、よしながふみさんを読んでおられる。
意外というか、納得というか。
【参考・インタビュー】
http://blog.television.co.jp/entertainment/entnews/2009/09/20090917_06.html
【ネット上の紹介】
結城中佐の発案で陸軍内に設立されたスパイ養成学校“D機関”。
「スパイとは“見えない存在”であること」「殺人及び自死は最悪の選択肢」。
これが、結城が訓練生に叩き込んだ戒律だった。
軍隊組織の信条を真っ向から否定する“D機関”の存在は、当然、猛反発を招いた。
だが、頭脳明晰、実行力でも群を抜く「魔王」―
結城中佐は、魔術師の如き手さばきで諜報戦の成果を挙げ、陸軍内の敵をも出し抜いてゆく。
東京、横浜、上海、ロンドンで繰り広げられる最高にスタイリッシュなスパイ・ミステリー。
2009年 第62回 日本推理作家協会賞受賞
2009年 第30回 吉川英治文学新人賞受賞
この著者は、異色というか、マニアックなミステリを書かれてますね。
残念ながら、私は未読。いずれ読んでみたい、と思っている。
よしなが作品を代表する3作品。どれも秀逸。
私は、こちらの2作も好き。