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「風のささやき―介護する人への13の話」姫野 カオルコ

2014年05月13日 21時45分34秒 | 読書(小説/日本)

角川文庫<br> 風のささやき―介護する人への13の話 
「風のささやき―介護する人への13の話」姫野 カオルコ

この作品のことを知ったのは、朝日新聞の記事から。

2014年3月28日朝日新聞
・・・姫野カオルコ、1958年滋賀県甲賀市生まれ。
89年に父が脳梗塞を起こす前から滋賀県と東京を往復。
2000年ごろ母が認知症になり他界するまで計20年以上、通い続けた。

介護の経験から感じたこと、その年月の中で、知り合った方々の経験。
それらを「小説」の形式にして発表したのが「風のささやき」である。

P6
こうした年月のあいだに、病院やグループホームや特養で、自分と同じように親族を介護されている方と接触します。そのときには妙な誤解はありません。「うちの母親はこれこれしかじかでねえ、あるときなんかねえ・・・・・・」と打ち明けて下さると、私も「ああ、うちもですよ・・・・・・」と肯く。
これだけです。これだけで、救われる心地になることがよくありました。他の人の胸の内を、つかのま聞くことで、自分の力にすることができたのです。事実をもとにして書き手を濾過した、と申しましたのは、こういうことです。

興味のある方、読んでみて。
介護と言っても、様々な問題を含んでいる。
目次を見てみて。
いろんな人がいるのが分かる。
状況や立場で、様々な違いも出てくる。
日本中で、多種多様な問題が起きてるんでしょうね。

道路を走っていると、デイサービスの車をよく見かける。
10年前には、なかった光景だ。
さらに10年後、団塊の世代の20%が認知症、要介護になったら、どうなるんでしょう?
保険+設備もろもろ・・・行政は対応出来るんでしょうか?

【ネット上の紹介】
情愛、葛藤、焦燥、後悔…この日本のどこかで、言葉にできない心の叫びに押しつぶされそうになっている人たち。著者が遭遇した実話をもとに綴る、介護する人のささやき。心に沁みる愛と哀しみの全13話。介護する人の胸の内をえぐり取った掌編小説。
【目次】
同窓会―本多彩子(静岡県・44)
やきめし―長森美智子(群馬県・53)
エリザベス一世―内藤伸治(神奈川県・49)
ハッスル―保木本ゆり(鳥取県・44)
夢の超特急―水野千春(愛知県・45)
衣斐さんと、衣斐さんの奥さんのこと―加藤麻菜(岐阜県・22)
年をとってよかったこと―佐伯理恵(埼玉県・50)
横浜なんかに住んでてすみません―赤江朋子(神奈川県・43)
偽善者―越智淑絵(愛媛県・47)
ぱたぱた―菊池典子(岩手県・44)〔ほか〕