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「魂の退社 会社を辞めるということ。」稲垣えみ子

2016年09月07日 19時48分59秒 | 読書(エッセイ&コラム)


「魂の退社 会社を辞めるということ。」稲垣えみ子

元・朝日新聞論説委員。
私はこの方の書いた記事を覚えている。
署名・顔写真入り記事だったので、社内の評価も高かったのであろう。
しばらく記事を見ないな、と思っていたら退社していたとは!
本書では、50歳で退社に至った心情と現状が書かれている。

P8
もしや幸せとは努力したその先にあるのではなくて、意外とそのへんにただ転がっているものなんじゃないか?
 そう思ったら、会社を辞めるって、意外にそれほど怖いことじゃないんじゃないかと思えてきたのである。

P17
お金のためでなく、人とつながるために働くということがあってもいいのではないだろうか

P116
 会社を辞めることは、それ自体いいも悪いもありません。辞めない方がいいこともあるし、辞めた方がいいこともある。どんな状況下であれ、それを決めるのは自分です。その決断に自分が納得できるかどうかが大事なのだと思います。

P140
阿倍首相は「チャレンジできる社会」などと言っておられるが、制度としては、一つの会社にずーっと勤め続けしがみつくほど税金を払わなくていい仕組みになっているのだ。

P210
「つながり」がこれからの社会のキーワードだと言う人がいるし、私もそう思うけど、つながるためにはまず一人になることが必要なんだ。

ところで、著者は東日本大震災・原発事故を機に節電生活に入る。
もともと2000円程度の電気代をさらに半分にしようとした。
その後、掃除機、洗濯機、冷蔵庫を処分。
50歳で朝日新聞を退職後は高級マンションからワンルームに転居している。
なかなか、出来ることじゃない。
(ちなみに我が家の8月電気代6773円…エアコンせずに寝るのはムリ)

【おまけ】
私事で恐縮だが、私も2回退社して現在3つめの会社に勤めている。
理由は異なるが、感じることは近いように思う。

【参考リンク】
稲垣えみ子

【ネット上の紹介】
テレビ、ラジオで大反響!アフロでおなじみの元朝日新聞編集委員・初の書き下ろし!
[目次]
アフロにしたことと会社を辞めたことは関係ありますか
プロローグ 会社を辞めるということ
その1 それは安易な発言から始まった
その2 「飛ばされる」という財産
その3 「真っ白な灰」になったら卒業
その4 日本ってば「会社社会」だった!
その5 ブラック社員が作るニッポン
その6 そして今
エピローグ 無職とモテについて考察する
【著者紹介】
1965年、愛知県生まれ。一橋大学社会学部卒。朝日新聞社入社。大阪本社社会部、週刊朝日編集部などを経て論説委員、編集委員をつとめ、2016年1月退社(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)