「日本の戦争BC級戦犯60年目の遺書」田原総一朗/監修 田中日淳/編 堀川惠子/聞き手
A級戦犯については資料が残されているが、
BC級戦犯についての資料は少ない。
本書を読んで、私自身の思い込み、先入観を取り除かれた。
シンガポール・チャンギー刑務所での貴重な証言と資料である。
P54
夜、死刑囚の独房の中に数人のイギリス兵が入り込み、死刑囚が気を失ってもなお執拗に殴る蹴るの虐待をする“殴りこみ”と呼ばれた私刑が頻繁に行われていた。
P102
犯罪者だから悪いことをしているんだろうというのが戦犯という名前から来るイメージですよね。だが、少なくともわたしが見た限りでは殉難だ、難に殉じたんだと思う。
P140
身はたとへいくさの罪に果つるとも
永久に守らむ吾が妻子等を
P143
国のため散るゝ我身はいとわねど
心残りは父母妻子の行末
【ネット上の紹介】
父母、妻子への最期の言葉。涙なくしては読めない、いわれなき罪を背負わされた英霊たちの想い。封印されてきた118通の遺書を完全初公開。
[目次]
第1部 チャンギーとBC級戦犯(最後の証言者
田中日淳の終戦
チャンギーへの道
教誨師として死刑囚と向き合う ほか)
第2部 遺書―118人の最期の言葉(昭和二十一年三月十四日 駒井光男/栄島信雄
昭和二十一年三月二十三日 平澤厚/新重俊
昭和二十一年四月六日 原田国市/柳本静一/牛島勝市/佐藤為徳/田澤啓三
昭和二十一年四月二十七日 福栄真平 ほか)