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「うき世櫛」中島要

2017年02月04日 10時11分53秒 | 読書(歴史/時代)


「うき世櫛」中島要

江戸を舞台にした人情話。
結は、15歳で両親を失い孤児となる。
生きる望みも失い首を吊ろうとしたところを、元芸者で髪結い・お夕に救われる。
結は、お夕の弟子となり、一緒に生活をすることになる。

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「あたしは12で芸者の下地っ子になった。もちろん、親に言われてね」
 それはそうだろう。12で自ら芸者になりたがる子はいないはずだ。
「半玉(おしゃく)になったとき、あたしはもう堅気のおかみさんになれないって気が付いた。親に従ったせいで、妻にも母にもなれなくなっちまった訳さ」

【ネット上の紹介】
 十五にして両親を失った結は、長屋で首を括ろうとしたところを元芸者の女髪結い・お夕に救われた。ほかに生きる道のない結は、自らの不器用さを恨みながら、お夕のもとで修業に励む。だが、贅沢を戒めるお上は、女髪結いの取り締まりを厳しくするばかり。はたして師弟は江戸の女の幸せを守りぬけるのか!?