「異国の花 着物始末暦」(8)中島要
シリーズ8作目。
本シリーズは、主要人物の祝言でオワリ、と思っていた。
しかし、物語は続いている。
しかも、以前同様に面白い。
悪役・井筒屋の愁介をはじめ、キャラクター達の人気のおかげかと思う。
P169
「本当にそう思うなら、いい加減なことを言わないでください。若御新造さんの具合が悪くなったのは、下世話な噂のせいですよ」
P175
「今のお露さんに必要なのは親身になってくれる人だ。おまえさんよりこの娘のほうがはるかに親身ではないか」
私は、どちらかというと、おみつのような人物は好きではない。
しかし、今回は見直した。
おみつ、偉いぞ!
【おまけ】
「あきない世傳金と銀」(3)と一緒に買おうと書店に出かけた。
「あきない世傳金と銀」は平積みで多数あった。
ところが、わずかしか入荷しなかった本作は、既に品切れ。
私の見るところ、著者の実力は同等、面白さも同じくらい。
しかし、人気は大きく違ってしまった。
なぜ?
【ネット上の紹介】
柳原の土手で古着屋を営む六助は、朝からそわそわしていた。なぜなら今日は、昔からの古馴染みで、着物始末の職人・余一と、一膳飯屋の看板娘・お糸の、待ちに待った祝言の日だからだ。めでたい日ではあるが、己の事に無頓着な余一が支度に手を抜きやしないかと心配な六助は、身支度を整え余一の元へ向かった。そんな折、京の老舗呉服問屋、井筒屋江戸店の店主・愁介が、「余一に関わる大事な話がある」と六助の前に現れた。いったい愁介は何を企んでいるのか―。話題沸騰の大人気シリーズ第八弾!!