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「あきない世傳金と銀」(3)高田郁

2017年02月18日 19時29分25秒 | 読書(歴史/時代)


「あきない世傳金と銀」(3)高田郁

シリーズ3作目、奔流篇。
今回も怒濤の展開。
夫唱婦随でしっくりいくと思っていた。
なかなか上手くいかないものだ。
これだけ旦那を立てているのに、まだ、我慢ならないとは…。
惣次の懐は浅い、ですね。
商いを強化するより、お互いの愛情と協力を強化する方が先じゃない?
先行きに、大きな暗雲が立ちこめている。
幸に必要なのは、図太さ、したたかさ、である。

P228
「図太うに生きなはれや。図太うにな」
 と、大きく笠を振ってみせた。
 この十一年、図太く生きてきた。
 次の十一年もきっと図太く生き、笑って勝ちに行く。
 綿買いの後ろ姿を目で追って、幸は胸のうちで誓った。

【ネット上の紹介】
大坂天満の呉服商「五鈴屋」の女衆だった幸は、その聡明さを買われ、店主・四代目徳兵衛の後添いに迎えられるものの、夫を不慮の事故で失い、十七歳で寡婦となる。四代目の弟の惣次は「幸を娶ることを条件に、五代目を継ぐ」と宣言。果たして幸は如何なる決断を下し、どのように商いとかかわっていくのか。また、商い戦国時代とも評される困難な時代にあって、五鈴屋はどのような手立てで商いを広げていくのか。奔流に呑み込まれたかのような幸、そして五鈴屋の運命は?大好評シリーズ、待望の第三弾!