「寄る年波には平泳ぎ」群ようこ
群ようこさんの小説も面白いが、エッセイもいい感じ。
タイトルの付け方も上手い。
気になって、つい手に取った。
やはり、面白かった。(但し、2013年の作品なので、時事ネタは少し古い)
自分の母親への気持ちを吐露する(非常に正直だ)
P162
あれほど子供の金を遣ったあげく、それでも最後にまだ「金、金」といっている姿が、子供として本当に情けない。私は彼女に対して、感謝の気持ちは特に湧かないし、今後も出てこないような気がする。
P162-163
残念ながら子供は親を選べないので、どんな親であっても、彼らと関わり合っていかなくてはならない。血がつながっているからこその、厄介な出来事も起こる。私がぱっさぱさになったのも、これを老齢になったときに活かせという誰かの教えなのかもしれないが、親子というのは因果なものだと、この年齢になって感じるのである。
【おまけ】
むかし、群ようこさんと氷室冴子さんが、2人で母親の愚痴をこぼしていたの覚えている。(おそらく、「冴子の母娘草」?)そうだとすると、母親に対する恨みは、相当年期が入っている。
【ネット上の紹介】
「クツ」を「クソ」と読み間違えて自己嫌悪、「一つ買ったら三つ捨てる」の習慣で物減らしに挑戦、年をとり頑固になったネコを「できるだけ、がんばれ」と激励、ネットの罵詈雑言に憤然、エンディングノートの書き方に逡巡。…長く生きてると何かとあるけれど、控えめな気合いを入れて、淡々と暮らしていこう。人生の視界が広くなるエッセイ。