「神さまたちの遊ぶ庭」宮下奈都
文庫化されたのを機に再読した。
宮下家の北海道トムラウシ、山村留学体験記。ノンフィクションと言うよりエッセイ風。
巻末に、「それから」も追加収録されている。
読んでいる間ずっと、楽しい気分になれた。
こういう作品は少ない。
知り合いの編集者が子どもを連れて宮下家が暮らす村へやってきた。でも…。
P124
虫が怖い、森は嫌だ、と半ベソをかいている。帰りたい、と言っているのが聞こえてかわいそうになった。むすめがはりきってつかまえてみせた蛙にも大きな悲鳴を上げている。なるほどなぁ。たしかにここで暮らすのは無理だなぁ。良い悪いではなく、無理な人にはただただ無理なのだろうと思った。(楽しさと苦しみは紙一重かも?クライマーにとって岩を登るのは楽しみだが、多くの方にとって、苦行であり、恐怖であろう。濃度が高まるほど、楽しさと苦しみの壁は高くなり、喜びもひとしお)
P154
「メイちゃん見ながら梅干し食べてくる」と出ていったむすめ。
日が暮れてきたので様子を見にいったら、小雨の降る中、同級生のみぃちゃんとふたりで「とむら」の軒下にすわって、メイちゃん(羊)を見ながら梅干しを食べていた。(シュールな中に情感を感じる)
P194
腕時計を忘れたことに、車の中で気づく。これ使っていいよ、とむすめが方位磁石を貸してくれた。むー、微妙にできるやつ。
P205
小学四年生のいきものがかりが素晴らしい。
今年の目標「笑顔で泳いでくれるような水槽にする」。
【前回読んだときの感想】
「神さまたちの遊ぶ庭」宮下奈都