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「鬼平犯科帳」(1)池波正太郎

2017年08月30日 19時29分53秒 | 読書(歴史/時代)


「鬼平犯科帳」(1)池波正太郎

今年2017年は、「鬼平」誕生50周年にあたるそうで、
決定版・全24巻を、今年1月から刊行開始。
大きな文字で、ふりがなを増やしたそうだ。
順次読んでいこうと思っている。

田沼意次が失脚し、寛政の改革を行った松平定信の時代が背景。
文章が乾いていて、淡々と語られるのが心地よい。
次の8篇が収録されている。

「唖の十蔵」
「本所・桜屋敷」
「血頭の丹兵衛」
「浅草・御厩河岸」
「老盗の夢」
「暗剣白梅香」
「座頭と猿」
「むかしの女」

P323
おろくは当時、牙儈女(すあいおんな)とよばれる一種の娼婦であった。[牙儈女]の語源は売買の取次ぎを意味するものだそうで、ゆえに、これらの女たちは諸方の旅宿や茶店の客などを相手に小間物などを売って歩く……女商人の名目をたてて当局の目をのがれ、裏にまわっては色を売るのが真の目的なのである。こうした売春のかたちは元禄のころに発生し、七十年後の平蔵若き時代まで、流行をきわめていた。

【ネット上の紹介】
斬り捨て御免の権限を持つ幕府の火付盗賊改方の長官・長谷川平蔵。盗賊からは“鬼の平蔵”“鬼平”と恐れられている。しかし、その素顔は義理も人情もユーモアも心得た、懐の深い人間である。新感覚の時代小説の世界を拓き、不動の人気を誇る「鬼平犯科帳」シリーズ第一巻は、同心・小野十蔵の物語から始まる。