【ぼちぼちクライミング&読書】

-クライミング&読書覚書rapunzel別館-

「職業は津軽三味線奏者」鈴木利枝

2018年11月07日 21時21分20秒 | 読書(伝記/自伝/評伝)


「職業は津軽三味線奏者」鈴木利枝

小さいときに母を亡くし、破天荒の父に育てられる。
結果としてプロ奏者として自立したけど、困ったお父さんだ。
青森まで三味線を習うため、引っ越したのに、出会った師匠が最悪。
校長とぐるになって引きこもりに追い込む。
担任は何の役にも立たず。
閉鎖社会の弊害を思い知る。

高校には行かず、父に連れられアジア各地を放浪。
これが立命館アジア太平洋大学を志望する要因となる。
波瀾万丈の人生だ。

難を言うと、文筆家でないので、文章が物足りない。
痒いところに手が届かない。
例えば大學の人間関係がスルーされている。
津軽三味線奏者としての付き合いも同様。
心理的な葛藤の描写がイマイチ。
文章のプロじゃないから、仕方ない。
まぁ、それでも行間を読みとって楽しめる。

【ネット上の紹介】
幼い頃に母と死別、親族間を往復して育った筆者は、小学校高学年で三味線と出会う。独特な奏法の津軽三味線に魅了され、父と修業のため津軽へ。ところが、そこで人間不信となる出来事が……。そして、娘を精神的に成長させようと父が誘ったのは、過酷なアジア放浪だった。一時は、人前に出られなくなり、三味線もほぼ独学という筆者が演奏家となった半生を綴る感動ドキュメンタリー。