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「火のないところに煙は」芦沢央

2019年02月17日 20時44分17秒 | 読書(小説/日本)


「火のないところに煙は」芦沢央

ホラーミステリ。
まるでノンフィクションを読んでいるかのごとく展開していく。
主人公が論理的な人物で、怪異を理屈で説明し納得しようと試みる。
しかし、それが次第に破綻するときに恐怖が生まれる。
短篇が集まってそれぞれが関連している。
とくに最初の短篇「染み」が怖い。
これで弾みがついて一気読みとなる。

P139
つまり怪異というものが人智を越えた事象である以上、そこに論理的説明をつけようとすること自体が常に誤りを内包することになるのだ。

【ネット上の紹介】
「神楽坂を舞台に怪談を書きませんか」突然の依頼に、作家の「私」は、かつての凄惨な体験を振り返る。解けない謎、救えなかった友人、そこから逃げ出した自分。「私」は、事件を小説として発表することで情報を集めようとするが―。予測不可能な展開とどんでん返しの波状攻撃にあなたも必ず騙される。一気読み不可避、寝不足必至!!読み始めたら引き返せない、戦慄の暗黒ミステリ!