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「関ケ原」(下巻)司馬遼太郎

2019年06月23日 19時55分18秒 | 読書(歴史/時代)
「関ケ原」(下巻)司馬遼太郎

引き続き、上中下の最終巻を読んだ。

福島正則、加藤清正、加藤嘉明について
p22
徳川家は、それらのいずれの家をも断絶せしめた。天下を取りおわったあとの徳川家の感情としては、かれらに好感がもてなかったのであろう。

P185
三成の不幸は、こんにちの家康や、過去の信長・秀吉のように自前の大軍をもたぬことであった。

P192
この時代の庶人のその後の庶人とちがう習性は、声が低くないことであった。政道を声高に論議しても、よほどの場合でないかぎり、役人にとがめられることはない。

【感想】
八犬伝に出てくる仁義礼智のよう道徳は、徳川幕府の江戸時代に浸透した。
戦国時代は、「利」で動いた
「義」で動かない。
恩を受けているから、後ろめたく思うが、家の存続を考えると、義理より利益。
大名の地位と土地を失い、家臣が路頭に迷うことを思うと、不義理をしても、
かっこ悪くても、長いものに巻かれ、寄らば大樹の陰、になる。
それに反旗を翻し、立ち向かった石田三成たちはよくやった。
真田幸村が人気なのも分かる。
「関ケ原」は終わったが、続きは「城塞」。
引き続き読んでいくつもりだ。

【ネット上の紹介】
天下取りの見果てぬ夢を追い求めて関ヶ原盆地に群れ集った10数万の戦国将兵たち…。老獪、緻密な家康の策謀は、三成の率いる西軍の陣営をどのように崩壊させたか?両雄の権謀の渦の中で、戦国将兵たちはいかにして明日の天下に命運をつなぎ、また亡び去ったのか?戦闘俯瞰図とも言うべき雄大な描写の中に、決戦に臨む武将たちの人間像とその盛衰を描く、波瀾の完結編。