「城塞」(中)司馬遼太郎
上中下の中巻を読んだ。
冬ノ陣が描かれる。
それにしても、家康の陰険なこと。
P25
九度山における最大の寺院は、慈尊院という古刹である。次いで名のある寺として、
「善名称院」
という文字のふんいきのいい寺号をもつ寺がある。昌幸・幸村の父子が九度山にいたときは、この寺はなかった。じつはこの寺そのものが真田屋敷で(後略)
P152
家康にとってかれの大坂攻めは戦争ではなかった。本質は犯罪であった。
P305
豊臣秀頼をほろぼすのは家康ではなく、前田利常において代表される旧豊臣系の世間がそれをほろぼすのだというぐあいにもってゆかねばならない。
P328
大坂城の東にひろがる広大な湿地帯でおこったのが、いわゆる冬ノ陣最大の戦闘とされる「鴫野・蒲生・今福」の戦いであった。
P457
セルバンテスもシェイクスピアも徳川家康も同時代人であることで共通しており、さらに3人に共通していることは、死んだ年までおなじであることであった。