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「検事の信義」柚月裕子

2020年01月17日 18時30分46秒 | 読書(小説/日本)
「検事の信義」柚月裕子

ひさびざの「佐方貞人・シリーズ」最新刊、4作目。
次の4編が収録されている。
「裁きを望む」
「恨みを刻む」
「正義を質す」
「真義を守る」

P140
意見を求められた検察官は、「不許可」か「しかるべく」のどちらかの返答をする。不許可は、保釈を認めない。しかるべく、は裁判所の判断に任せる――保釈しても構わない、という意味だ。

P125
「人には感情があります。怒り、悲しみ、慈しみ。それらが事件を引き起こす。事件を起こした人間の根底にあるものがわからなければ、真の意味で事件を裁いたことにはならない」

【ネット上の紹介】
任官5年目の検事・佐方貞人は、認知症だった母親を殺害して逮捕された息子・昌平の裁判を担当することになった。昌平は介護疲れから犯行に及んだと自供、事件は解決するかに見えた。しかし佐方は、遺体発見から逮捕まで「空白の2時間」があることに疑問を抱く。独自に聞き取りを進めると、やがて見えてきたのは昌平の意外な素顔だった…。(「信義を守る」)