【ぼちぼちクライミング&読書】

-クライミング&読書覚書rapunzel別館-

「ベルリンは晴れているか」深緑野分

2019年04月25日 20時10分14秒 | 読書(小説/日本)
「ベルリンは晴れているか」深緑野分

歴史ミステリ。
敗戦直後のベルリンが舞台。
まるでベルリンにいるかのような詳細な描写に圧倒される。
歴史とミステリ、両方のマニアを納得させる内容だ。

ナチス時代、焚書や閲覧制限があった
P205
ドイツ民族を讃える内容か、ユダヤ人や共産主義者を批判する話ばかりが本棚に並ぶ。シンデレラと王子は愛ではなく純血同士だから再び出会えて幸せになる、という結末の童話に変更された。

P241
「ナチス時代、そちらの内務省には姓名課というものがあったと聞いています。ダビデの星を付けさせるだけでなく、ユダヤ人にユダヤ人らしい名前を名乗らせるため、改姓の法律があったと」

P443
子どもは貪欲で残酷だ。大人が言う「若者の柔軟さ」なんて大嘘だね。あいつらほど思い込みが激しくて信じやすくて生真面目な世代は他にいない。

【ネット上の紹介】
総統の自死、戦勝国による侵略、敗戦。何もかもが傷ついた街で少女と泥棒は何を見るのか。1945年7月。ナチス・ドイツが戦争に敗れ米ソ英仏の4カ国統治下におかれたベルリン。ソ連と西側諸国が対立しつつある状況下で、ドイツ人少女アウグステの恩人にあたる男が、ソ連領域で米国製の歯磨き粉に含まれた毒により不審な死を遂げる。米国の兵員食堂で働くアウグステは疑いの目を向けられつつ、彼の甥に訃報を伝えるべく旅出つ。しかしなぜか陽気な泥棒を道連れにする羽目になり―ふたりはそれぞれの思惑を胸に、荒廃した街を歩きはじめる。最注目作家が放つ圧倒的スケールの歴史ミステリ。
この記事についてブログを書く
« 「これは経費で落ちません」... | トップ | 「日本人が勘違いしているカ... »

読書(小説/日本)」カテゴリの最新記事