【ぼちぼちクライミング&読書】

-クライミング&読書覚書rapunzel別館-

「岩と雪BEST SELECTION」池田常道

2017年02月07日 20時59分51秒 | 読書(山関係)
立ち読み
「岩と雪BEST SELECTION 1958-1995 No.1-169 復刻」池田常道

約40年年にわたって刊行された「岩と雪」。
私も80年代半ばから定期購読していた。
当時は、ネット社会とはほど遠く、紙媒体か口コミが情報源であった。
(クライミング情報がTVやラジオで流れることはない)

「岩と雪」バックナンバーを、ジムに寄贈したので、手元にない。
ベストセレクションの記事は、どんな内容なんだろう?
それに、80年以前の記事を読んでみたい。
そんな訳で、早速購入した。(既に「出版社取り寄せ」状態…来年は絶版でしょう)
ぼちぼち、拾い読みしてみようと思う。

PS
とりあえず、吉田和正氏のインタビュー記事を再読してみた。
今読んでも、異彩を放つ、強烈な内容である。 

【ネット上の紹介】
ヒマラヤ初登頂時代の1958年に創刊。以降、国内外の最先端の登攀記録と評論を掲載し続けてきた『岩と雪』169冊のなかから、選び抜かれた41編の記事を再録、時代背景などの解説を加えながら紹介する。

[目次]
編集室
ヒマラヤ登山の動向と将来
パイオニア・ワークとはなにか
スーパーアルピニズム試論
日本のアルピニズムの行方
ヨーロッパアルプスの冬季登攀
パイオニア・ワーク雑感
アルピニズム未来論
ヒマラヤ鉄の時代によせて―RCC2十年の回想
新たな困難を求めて〔ほか〕 


介護記事

2017年02月06日 20時44分14秒 | 読書(介護/終活)

介護保険を掛けているにもかかわらず、活用したくない、と。
そんな方がいるんですね。
①他人の世話になるのがいや
 …血縁関係ならいいのか?血縁ゆえの軋轢が生ずるのに。
②他人を家に入れたくない
 …これは理解できる。知られたくない内情を知られてしまう、と。
③経済的余裕がない 
 …これは切実な問題。なんとも返答ができない。 ケアマネさんか、ケースワーカーに相談するしかない。


雪庇愛

2017年02月05日 20時30分04秒 | 登山&アウトドア(関西)

島根県と広島の県境・大万山(おおよろぎ)の雪庇記事。
雪庇というのは忌むべきものと思っていた。
愛を感じる方がいるという事に、思い込みを覆された。
いつか登りにいってみたい。


「うき世櫛」中島要

2017年02月04日 10時11分53秒 | 読書(歴史/時代)


「うき世櫛」中島要

江戸を舞台にした人情話。
結は、15歳で両親を失い孤児となる。
生きる望みも失い首を吊ろうとしたところを、元芸者で髪結い・お夕に救われる。
結は、お夕の弟子となり、一緒に生活をすることになる。

137
「あたしは12で芸者の下地っ子になった。もちろん、親に言われてね」
 それはそうだろう。12で自ら芸者になりたがる子はいないはずだ。
「半玉(おしゃく)になったとき、あたしはもう堅気のおかみさんになれないって気が付いた。親に従ったせいで、妻にも母にもなれなくなっちまった訳さ」

【ネット上の紹介】
 十五にして両親を失った結は、長屋で首を括ろうとしたところを元芸者の女髪結い・お夕に救われた。ほかに生きる道のない結は、自らの不器用さを恨みながら、お夕のもとで修業に励む。だが、贅沢を戒めるお上は、女髪結いの取り締まりを厳しくするばかり。はたして師弟は江戸の女の幸せを守りぬけるのか!?


「ジニのパズル」崔実

2017年02月02日 21時47分32秒 | 読書(小説/日本)


「ジニのパズル」崔実

日本とアメリカを舞台にして、著者の分身と思える少女の青春を描く。
非常にビター、カカオ80%の作品だ。

2016年 第59回 群像新人文学賞受賞
2016年 第33回 織田作之助賞 大賞受賞

P46-47
「日本には私のような日本生まれの韓国人が通える学校が二種類あるんだ」
 私は、そう靴紐をなぞりながら言った。
「もちろん日本の学校にも通えるけどね。コリアン系の学校もあってさ、南側の韓国学校と、北側の朝鮮学校がある。私はその北側の朝鮮学校に通っていたんだ。韓国学校は一校しかないし、生徒たちは韓国生まれの子ばかりで、日本生まれの韓国人なんてほとんどいないんだよ。朝鮮学校は、日本生まれの朝鮮籍や韓国籍を持った子たちが通う学校なんだ。すごく混乱しやすいと思うけど、大丈夫かな」
「ええ、なんとか」
 そう答えたステファニーの眉間には、少ししわが寄っていた。


【感想】
P51の「最初の登校日」から、怒濤の展開。
一気読みのおもしろさ。

[要旨]
オレゴン州の高校を退学になりかけている女の子・ジニ。ホームステイ先でステファニーと出会ったことで、ジニは5年前の東京での出来事を告白し始める。ジニは日本の小学校に通った後、中学から朝鮮学校に通うことになった。学校で一人だけ朝鮮語ができず、なかなか居場所が見つけられない。特に納得がいかないのは、教室で自分たちを見下ろす金親子の肖像画だ。1998年の夏休み最後の日、テポドンが発射された。翌日、チマ・チョゴリ姿で町を歩いていたジニは、警察を名乗る男たちに取り囲まれ…。二つの言語の間で必死に生き抜いた少女の革命。21世紀を代表する青春文学の誕生!第59回群像新人文学賞受賞作。


「津軽双花」葉室麟

2017年02月01日 21時13分32秒 | 読書(歴史/時代)


「津軽双花」葉室麟

長編と短編が収録されている。
「津軽双花」…タイトル作品、168ページの長編
「鳳凰記」…「大坂の陣」について(淀殿)
「虎狼なり」…「関ヶ原の戦い」について(石田三成)
「鷹、翔ける」…「本能寺の変」について(斉藤内蔵助・明智光秀)

「津軽双花」は、江戸幕府初期の話。
津軽藩が舞台。
石田三成の娘で北政所の養女・辰姫は津軽家に嫁いで仲睦まじく暮らしていた。
そこへ、徳川家康の姪で養女の満天姫が正室としてやってくる。
こうして、女たちの「関ケ原」が始まる。

P127
「徳川と石田は関ヶ原で戦いましたが、おのれの野望、欲得で戦ったとはわたくしは思いません。天下を静謐にし、民を安寧ならしめるためにこそ、戦を起こしたのではありませんか。いま、福島正則殿が謀反を起こされれば天下の平安が乱れます。これを止めるのは、徳川家康、石田三成を父に持つわたくしどもの務めではありますまいか」

タイトルとなった「津軽双花」もよかったが、短編も楽しめた。
思った以上の完成度で、特に「鷹、翔ける」が優れている。
あまり知られていない斉藤内蔵助の視点で、本能寺の変を描いていく。
非常に臨場感のある作品となっている。

今回も葉室麟作品を楽しめた。
史実を押さえながら、人物描写をしっかり描いていく。
歴史小説の作家で、一番好きかも。

【おまけ】
途中、辰姫が天秀尼を訪ねるシーンがあって、感激した。

【ネット上の紹介】
天下分け目の戦いは決し、敗者は歴史に葬られた―。父・三成の死後、ひっそりと津軽家に嫁いだ辰姫。当主の信枚と仲睦まじい日々を送るが、三年後、家康の姪・満天姫との縁組が決まる。正室の座は取って代わられる―。辰姫の胸に浮かんだのは、「父の仇」という言葉だった。美姫たちの戦いはここから始まった!乱世の終焉を辿る「大坂の陣」「関ヶ原の戦い」「本能寺の変」を描いた傑作短編も同時収録。