百醜千拙草

何とかやっています

Commencement Walk-Out

2024-05-28 | Weblog
先週、ハーバード大学で卒業式がありました。前プレジデントがシオニスト議員に"反ユダヤ"とレッテルを貼られ、身の危険を感じて辞任した後、学長でユダヤ人のAlan Garberがinterimのプレジデントに就任しました。全米の大学で起こっていたイスラエルのジェノサイドに対する抗議運動が活発化したころ、 Garberはハーバードでの抗議活動に参加した学生は「停学を検討する」という内容の通達を出し、そしてHarvardは、ガザでの大量虐殺の抗議活動に参加したundergraduate13名の卒業式への参加と学位授与の保留を正式に決定しました。1,500人以上の学生、500人の教職員、45の学生団体が、この処分を不服として嘆願書を提出したにもかかわらず、大学当局はその声を無視することを決定したわけです。

ハーバード大 のundergraduateの卒業式では学生代表がスピーチの中で、次のように抗議しました。
「昨年秋は、ハーバードでは私たち黒人や褐色肌の人種が公けにターゲットにされた。、、、そして、この学期では、言論の自由、連帯への意思表示が、処罰の対象になった。、、、この壇上で、私は私たちの仲間について述べなければならない。13人の学生は今日卒業することができなかった。私は、大学における言論の自由と市民の反抗の権利に対する寛容のなさに深く失望している、、、アメリカ人でハーバード卒業生の私から見て、大学で起こっていることは、自由と市民の権利、つまり民主主義の根幹に係わっている問題だ。学生は声を上げたし、教官も声を上げた。ハーバードよ、我らの声が聞こえるか!」
その後、1000人を超える卒業生が卒業式をボイコット、式の最中に抗議の声と共に会場を立ち去りました。

また、ハーバード大の法学、医学、経営などのgraduate schoolの卒業式でも、卒業生はパレスティナの解放を訴える旗などを掲げ連帯を示しました。
政治、行政を研究するHarvard Kennedy Schoolの卒業式では、卒業生代表は、ガザのジェノサイドに抗議する学生を警察権力を使って力ずくで黙らせたことに抗議し、アメリカ、そしてハーバードがイスラエルのジェノサイドを間接的に支援してきたことを批判し、次のように述べました。

「(学位授与を保留にされた13人の学生について)これらの学生たちは、学位よりもはるかに重要な、明確な良心と人類に対する断固としたコミットメントの証しを持ってハーバードの門を出ることになる。、、、ハーバードがパレスチナ支援の学生を罰する一方で、ガザで進行中のナクバは、現状における最悪の事態を象徴している。すべての大学は壊滅状態となり、ジャーナリストは大量に殺され、子どもたちは学校、病院、家の瓦礫の下に埋もれている。、、、ガザの人道的危機は、私たちのモットーである『できることを問え!』の実践を要求している。、、、」

「できることを考え、実行せよ」ハーバードでは学生にそう教え、学生は卒業式でそれを実践しました。私たちの希望は若い世代にあると思わされると同時に、われわれ自身がこの言葉を常に心に留めなければならないと思います。

そのKenney Schoolは、かつて、「アメリカの外交政策がシオニストのロビー活動に影響されている」という内容の83ページにわたる論文を発表しています(リンク先よりダウンロードできます)。抄録には次のようにあります。
「、、、アメリカの中東政策の中心はイスラエルとの親密な関係にある。それは戦略的利益の共有や道徳的要請を反映したものとして正当化されるが、アメリカのイスラエルへのコミットメントは、主に「イスラエル・ロビー」の活動によるものである。本稿はさらに、アメリカの外交政策をイスラエル寄りの方向にシフトさせるために、親イスラエル派が行ってきたさまざまな活動について述べる」

選挙支援や献金を通じ、いわゆる「壺議員」を使って自民党を操る統一教会のように、シオニストはAIPAC(American Israel Public Affairs Committee)を通じて、共和党、民主党問わず有力議員に多額の献金をし、アメリカの外交政策を金で買ってきました。「イスラエルのやっていることはジェノサイドではない」と言い続けるバイデンも、「国際犯罪裁判所(ICC)がネタニヤフに逮捕状を出すなら、アメリカはICCに制裁する」と言った下院議長のマイク ジョンソンも壺議員ならぬ、シオ議員です。ついでにトランプもR. ケネディJr.もシオ議員。

下はTwitterで見つけた1987年のビデオクリップですが、シオニストがアメリカ議員をどうコントロールしているかを簡単に解説しています。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

学生運動の戦略

2024-05-21 | Weblog
シオニストのパレスティナ略奪は1948年、100人以上の村人が殺害されたヤシン村の大虐殺で本格化しました。以後、シオニストは500の村々を破壊し、パレスティナ住民を殺害し、彼らの土地を奪い、結果、75万人に至るパレスティナ難民を生み出すことになりました。ヤシン村虐殺から一月後の5月14日、シオニストは念願のイスラエル建国を宣言しました。パレスティナ人にとっては以来、76年の抑圧の苦難の日々、Nakba(大厄災)の始まりであり、イスラエル建国の翌日、5月15日はNakbaの日として覚えらることになりました。今年のNakbaの日は、世界各地でパレスティナ支援の巨大なデモが行われました。そして、昨日、国際犯罪裁判所(ICC)はようやく、イスラエルのネタニヤフとギャラント、そしてハマスのリーダー三人の双方に彼らの犯した戦争犯罪に基づいて逮捕状を要請しました。認められるとネタニヤフは国外での活動が困難になります。国際社会は徐々に動いています。

さて、5月は欧米では卒業シーズンで、北米各地で卒業式では、イスラエルのジェノサイドに反対して卒業生がパレスティナ国旗を掲げたり、反対の声をあげる映像がSNSに流れてきます。ジェノサイド反対の学生運動の火種となったコロンビア大では卒業式は中止されましたが、Nakbaの日の翌日、教官と学生有志は大学のそばにある聖ヨハネ大聖堂で卒業式を行いました。ここはベトナム戦争反対の学生運動の年、1968年のコロンビア大の卒業式が行われた場所で、学生数百人が戦争に抗議して退席した因縁の場所であり、卒業式ではパレスティナへの連帯が改めて示されました。

仮にも「言論の自由」をアメリカ憲法修正第一項に掲げ、「民主主義」の看板で商売してきた国であるにもかかわらず、先月半ばから全米各地で起きたイスラエルのジェノサイドに反対する大学での学生運動に対して、シオニストに因果を含められた当局ははやばやと警察権力を介入させ、見せしめに学生や教官を逮捕し、運動の鎮圧を図りました。看板と本音の乖離はどこの国にもありますけど、そもそもアメリカというのはそういう国だということです。

そして、今回の学生運動に関して、日本のTV番組で、とあるタレントが、学生運動の効果や動機に疑問を呈するようなコメントをしたことで、ネットで炎上しているという話を聞きました。折角ですので、これを機に、アメリカでの「学生運動の意味」について、秀逸な解説動画を見つけましたので、紹介したいと思います。

アメリカでの今回の学生運動というのは、実は歴史的背景があります。それは、アメリカの学生運動での大学生の「Disclose, Divest(開示せよ、投資を引き上げよ)」というシュプレヒコールに表れています。この言葉は、南アフリカのアパルトヘイト政策を終わらせた時の運動から来ています。因みに南アフリカは、国際司法裁判所(ICJ)に、最初にイスラエルのジェノサイドを糾弾して訴え、判決を勝ち取っていますが、今回、二度目の提訴を行い、先週、口頭弁論が行われています。そのイスラエルの戦争犯罪の醜悪さと悪質さを糾弾する弁論には人種隔離政策を直接経験してきた国の怒りが滲み出ております。アパルトヘイトが終わり、南アフリカの最初の黒人大統領となったネルソン マンデーラは、パレスティナ問題が終わらない限り、本当の自由はないという言葉を残しています。南アフリカの問題はパレスティナ問題と相似であり、それを可能にしてきたメカニズムも共通しています。

さて、それでは、Sara El-Yafiさんによる解説動画に移りましょう。要点だけ、箇条書きにすることにしますが、是非、試聴ください。

南アフリカのアパルトヘイト政策を支えたのは南アの白人政権に対する西側諸国の共謀である。
少数派の白人移民が、多数派であった原住民の黒人を劣悪な環境に隔離し、黒人の権利を制限してきたアパルトヘイトに反対して、最初に立ち上がったのは学生であった。黒人学生は彼ら自身の「学ぶ権利」を主張し、デモを行った。
これに対し、南アの白人政府は暴力を導入し、100人を超える学生を殺害したため、学生運動は逆に勢いを増し、やがて世界中に広がった。
結果として、世界各国は南アフリカへの経済制裁や文化的制裁を発動し、アメリカでさえアパルトヘイト政策への共謀を続けることができなくなり、南アでのアパルトヘイト政策は撤廃された。
南アのアパルトヘイト政策を廃止に追い込んだ原動力は南アと世界の学生運動であった。
今回も、イスラエルのジェノサイドに共謀しているアメリカをはじめとする西側諸国で学生運動が勃発し広がっている。
大学はendowmentsと呼ばれる寄附や支援者からの資金を投資し、その運用益によって活動を維持している。
アメリカのトップ15の大学は、合計$327 billionという巨額の資金を持っている。(ゆえに、大学は「教室を持つ銀行」と呼ばれることもある)
これらの資金はイスラエルのジェノサイドを支援する数々の企業(ロッキー マーチン、ヒューレット パッカード、モトローラ、アルビッド、G4S、トリップアドバイザー、などなど)に投資されている。
学生は、大学資金の投資先を開示(disclose)し、イスラエル支援企業への投資をやめる(divest)ように要求している。
南アのアパルトヘイトを支援してきた最大の共謀国はアメリカとイスラエルであった。特にイスラエルは軍備、兵器、軍事訓練の供与など、南アフリカのアパルトヘイト政府に最大の協力をしてきた。
1980年台、南アのアパルトヘイトに反対する学生運動がアメリカに広まった。カリフォルニア大学バークレー校で始まったこの運動で、学生たちは南ア関連の企業への投資をやめるように要求、運動は急速に全米に広がり、南ア政府への投資引き上げが始まったことで、国際的プレッシャーが高まり、アパルトヘイト政策が崩壊した。つまり、大学生がプロテストを通じて、大学の資金運用に口を挟むことによって、間接的にアメリカやイスラエルの南ア差別政権の支援をやめさせたのである。
南アのアパルトヘイトもイスラエルのジェノサイドも戦いの中心は西側諸国内にある。(アパルトヘイトやジェノサイドは、西側諸国の共謀なしには成り立たない。これらを支援する西側諸国の政治や企業と、反対する学生や人々との戦いである)
、、、、

「学生運動にどんな意味があるのか」という問いは、質問者の単なるnaiviteゆえの疑問であったとしても、こうした歴史的背景を鑑みれば、批判されても仕方がありません。むしろ「学生運動こそが社会を変えてきた原動力である」と言って良いでしょう。そして、アメリカの学生運動は、単なる衝動に基づくものではなく、イスラエルの横暴を可能にしているメカニズムの理解と歴史的経験を踏まえた上で、戦略的に行われているということをわれわれは理解すべきでしょう。しかし、何より、われわれが忘れてはならないのは、アイビーリーグを出てエリート街道を進むはずの彼らが、自らの順調な将来を失うリスクを承知の上で、身を張って抗議運動を展開していることです。彼らの行動への熱意と真意と戦略を知らずに、公けの場で無知な疑問を呈することは侮辱と取られかねません。

力を持たない大衆は力を持つ支配階級とどう戦うのか、われわれはアメリカの大学生に学ばねばなりません。なぜなら、これは中東や欧米の話だけではないからです。日本の沖縄米軍基地問題も同じ構図です。そして、沖縄県外に住む日本人も搾取する一部とされる大多数に二分され、社会経済格差によって隔離政策を受け始めています。人ごとではないということを強調したいと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Eurovision 2024

2024-05-14 | Weblog
先週はヨーロッパの国対抗音楽コンテストEurovisionがスウェーデン南部の港町Malmöで開催されました。縦ノリの音楽が主流のヨーロッパの最近の音楽が私はあまり好きではないですが、今年はちょっと注目していました。もちろんイスラエルの参加に関しての抗議が大きかったからです。最近のヨーロッパの若者の感性にはついていけない部分も多いですが、エントリー曲の中では、民謡の変則リズムとアラビア音階を効果的に使ったアルメニアのLADANIVA (Jako)や昔風の情緒的なバラード、フランスのSlimane(Mon Amour)などは楽しめました。

そして、イスラエルの歌手、Eden Golanは、土曜日のファイナルに残りました。バラードのその曲調は昔のセリーヌ ディオーンのような感じで悪くはありません。しかし、そもそもヨーロッパのコンテストなのに中東のイスラエルが参加することに以前から疑問が呈されてきていたのに加え、今回はガザでのイスラエルによるジェノサイドがあったため、Eurovisionへのイスラエルの参加に反対する声が高まっており、実際、コンテストの前にはMolmoで大規模なデモもあり、環境活動家のGreta Thunbergも抗議活動に現れました。

Golanは"Hurricane"というタイトルの歌を歌ったわけですが、そのオリジナルの曲名は"October rain" とつけられており、10/7のHamasの武力蜂起に関してのイスラエル側の心情を歌ったものと解釈される歌詞であったため、コンテストの主催者であるヨーロッパ放送協会(EBU)は、政治的中立でない楽曲の放送禁止というポリシーに抵触するとのことで、歌詞の一部とタイトルの変更を要求、応じてGolan側が政治的メッセージ性の薄い歌詞に変更しEBUが承認したという経緯があります。

しかしながら、イスラエルを代表してEurovisionコンテストに参加するというだけで、十分に政治的メッセージがあるわけで、演奏の間は会場からはブーイングの嵐。前年の優勝者のLoreenは、もしイスラエルが優勝したら、自分はトロフィーの授与を拒否する、と明言していましたから、Golanもさすがにイスラエルがヨーロッパ中から非難を受けているという自覚はあったようで、楽屋でのリハーサルではそれを見越して、ブーイングの中でも普通に歌えるようにスタッフがブーイングやヤジを飛ばす中で歌う練習をしたようです。

政治家でも活動家でもない20歳そこそこの一歌手が、イスラエルの極右政権によるジェノサイドのために、人々の反感を買い、フィナーレの晴れ舞台に拍手の代わりにブーイングに見舞われるというのは気の毒な気もします。しかし、家族と家を失い、瓦礫の中で空腹を抱えて眠っている間に空爆で吹き飛ばされて殺される子供の苦難とは比ぶべきもありません。

また、この歌手の立ち位置は、イスラエルの国旗を振り回すことを恥じる様子もなく、出場を辞退するでもなかったこと、そして何よりコンテストが終わってからのインタビューで、「わたしたちの国(イスラエル)が困難の中にあって、イスラエルを代表して演奏できたことを誇りに思う」との趣旨のコメントをしたこと、そもそもGolanという芸名はイスラエルがシリアのゴラン高原を侵略したことからつけたこと、から容易に想像できます。被害者を装い、正当な批判を「反ユダヤ主義」と逆ギレして反省しないイスラエル。この歌手にとってはイスラエルはテロリスト ハマス襲撃の「可哀想な被害者」であって、75年にわたってパレスティナ人の土地と財産と命を奪い続けてきた非道な抑圧者であり加害者であるという自覚はないようです。ブーイングの嵐にさらされたことを「反ユダヤ主義」で「ユダヤ人は差別被害者」だと喧伝するシオニストのプロパガンダをそのまま信じているような彼女とそのサポーター。20歳そこそこですから、容易に洗脳されもするでしょうし、歴史を深く洞察する機会にも能力にも欠けるのかもしれません。いずれにしても彼らとは理性的な議論にならないのが絶望的です。

ヨーロッパの国々の融和と協調を促す一環としてのEurovisionですが、この歴史あるコンテストに政治が絡んだことは何度かあります。ちょっと調べてみると、ちょうど50年前、スウェーデンのABBAがWaterlooを歌って優勝した時は、ポルトガルからの歌手の演奏がクーデターの開始の合図に使われました。その3年後にイスラエルが初めて優勝しましたが、イスラエルとアラブ世界とのコンフリクトのため、ヨルダンはEurovisionの放送を途中で中止しています。さらに2019年、イスラエルでの開催時にはアイスランドからのコンテスタントが投票時にパレスティナ国旗を掲げたために、罰金を課されるという事件が起きています。

音楽もその他の芸術も、そもそも人間性と人間らしさの追求の一部であります。人は、音楽、芸術や学問といった活動を通じて人間として成熟していく目的のために、この物質世界に生まれて時間を過ごし死んでいくのだと私は信じております。であるので、この世の中の不条理や悪に対しては、それを人間の成長する機会と捉えて、可能な限り、目を背けず、考え、行動し、戦っていくべきであると私は思っています。

罪ないい大勢の子供や人々から土地や財産や家を奪い、食料を奪い、飢えさせ、その頭上に爆弾の雨を降らせ、子供から体の一部や未来や命を奪い、生き延びた子供から家族を奪う、ただただ自らの欲望のために、悪魔の所業を繰り返すネタニヤフとシオニストとそれを支援するアメリカの行いは、それに反対する人々によって非難され倒されるために存在しております。力を持つ側が、その力を濫用して弱いものを蹂躙した上で、「弱肉強食」は自然の摂理、すべては自己責任だと強弁するのは、力に溺れ「人間的成熟」への努力を放棄した落ちこぼれの言い訳であると私は思っております。

今のわれわれにできることは、この地獄の現実から目を離さず、声をあげ続けるぐらいのことかもしれません。一人一人の声は山火事に注ぐ一滴の水のようなものに過ぎないでしょう。しかし、その一滴の水のような無力な善意の若人が世界中で連帯し、声を上げ続けた結果、世界は動き始めたように見えます。

先週はネタニヤフ政権にとって逆風が吹き始めたような出来事がありました。まず、国連総会はパレスチナの国連加盟権を拡大する決議を圧倒的多数で可決しました。米国とイスラエルは反対票を投じましたが、明らかに世界の大多数はパレスティナに対してイスラエルとアメリカが行う不正義に怒っております。
そして、アラブ首長国連邦(UAE)は、ネタニヤフが「ガザの民政にUAEの参加を打診したい」という発言を非難しました。いずれガザをイスラエルの完全なる支配下に置いてアラブ国家に統治させるというネタニヤフの傲慢極まりない計画を批判したものでしょう。そして、リビアは、国際司法裁判所においてイスラエルをジェノサイド(大量虐殺)であると非難してきた南アフリカ共和国と共闘するとの宣言を提出し、その 南アフリカは国際司法裁判所(ICJ)に対し、イスラエルに対する追加緊急措置(ラファからの撤退命令を含む)を命じるよう要請書を提出。

この先、イスラエルは、仮にネタニヤフの野望が成就したところで、イスラム圏のみならず、ヨーロッパ、アラブ、アフリカ、アジア、南米諸国から嫌われ、恨まれてより閉鎖的なカルト国家となり、ビクビクしながらユダヤ至上主義の妄想にすがって生きていくことになるのでしょう。そうなる前にイスラエルというマヤカシのカルト国家が解体され、あらゆる人種と宗教の権利が保証される近代の民主主義国家がパレスティナの地に創られることを望んでおります。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

究極の選択

2024-05-07 | Weblog
いよいよ、イスラエルがハマスに突きつけた最後通告にハマスが回答する日を迎えました。ハマスは人質の交換と引き換えに永久停戦を望んでいますが、ネタニヤフはハマスが解体しない限りは兵を引かないと主張。しかし、そもそもハマスの盾になっているとの言いがかりでガザで一般人を殺し、病院、学校、住居を破壊しまくったネタニヤフの目的はハマスではなくパレスティナの殲滅とガザの掌握であるのが明らかですから、仮にハマス側がイスラエルの主張を受け入れたとしても、ネタニヤフはまた適当な言いがかりをつけて攻撃を再開するでしょう。つまり、永久停戦はイスラエルにとっては最初から選択にない。そしてガザの次はウエストバンクのファタハに対しても同様のことを繰り返すだろうと予想されます。イスラエルの要求は、ハマスが要求を飲めば、Rafahへの攻撃をちょっとだけ待つが、そのうち再開して150万人の一般人を集めたRafahを攻撃する、要求を飲まなければ、直ちにRafahを攻撃する、ということで、いずれにせよRafahの攻撃とその後のガザの完全掌握は変わらない。財産も破壊され食料でさえ不足し移動することもままならない一般人の首にナイフを突きつけ、パレスティナの土地からパレスティナ人を消し去ろうとする下劣極まりないネタニヤフ。

これは言ってみれば大規模なイジメです。イジメは力のあるものが弱いものに対して嫌がらせをする卑劣な行いであって、力の不均衡と差別意識に基づいています。イスラエルの場合でも、自分が相手より優れていると思い込む愚かで醜い差別意識がシオニストの根底にあります。旧約聖書にあるように、彼らは(イスラエルの)神に選ばれた存在でパレスティナは神が彼らに約束した土地であり、異教徒は皆殺しにするべきだ、と文字通り信じているのでしょう。ホロコーストのあった時代、彼らは差別される側にあって力を持ちませんでした。結果として600万人と言われるユダヤ人が殺されました。そしてヨーロッパで金融で成功したユダヤ人らは自らの国土とそれを守る武力を欲したのでしょう。結果、資本主義(金持っている奴が偉い主義)という人間の欲望のエネルギーを使って強大な経済力と軍事力を持つに至ったアメリカという国の政治や様々な機関の中枢へユダヤ人は入り込み、アメリカを内部からコントロールしそのパワーを利用するに至りました。ガザに落とされた大量の爆弾の大半はアメリカ製であり、イランからのドローンとミサイルの多くを拿捕したのはアメリカ軍でした。アメリカの武力援助がなければ、イスラエルの力は半減し、周辺のアラブ諸国との力関係は大きく変わっていたはずです。

一方、土地を盗まれ、難民となりガザに閉じ込められてきた200万人のパレスティナは、その生存を国外からの支援に頼り、兵力はほぼ皆無です。力に圧倒的な差がある状態で、その力に任せてパレスティナをイジめ続け、抵抗を挑発し、それを口実に最後のトドメを刺そうとしているのがネタニヤフの極右政権であると言えると思います。ユダヤ人は「自分の身を守るため」という大義名分が立てば、全てが正当化されると考えるようです。ネタニヤフや彼を支持するユダヤ人は、おそらく本気でパレスティナ人を殲滅しないと我が身が危ないと考えているのだろうと思われます。それだけにタチが悪い。われわれからすると、彼らシオニスト自体がそもそもの厄災の種であって、その狂信と歪んだ認識が彼ら自身のみならず、世界を危険に晒し続けているとしか見えません。

さて、そのイスラエルのパレスティナ虐殺を支援してきたアメリカですが、統一教会、経団連とアメリカにコントロールされている日本と同じで、一般国民の意思と政治権力の乖離は如何ともしがたいものがあります。アメリカの多数の大学で行われている巨大なプロテストを見ても、アメリカ政府のイスラエル支援に抗議して焼身自殺した軍人の行動を見ても、多くのアメリカ人がイスラエルの武力支援中止を訴えていても、「聞く力」のないバイデンもアメリカ議会も耳を貸しません。アメリカ議会の二大政党の議員の多くがシオニストの息がかかっており、大企業、メディア、政府機関、教育研究機関の多くの管理部門はユダヤ人で占められています。

アメリカでは、各地の有名大学でのプロテストへの警察介入に見られるように権力側は大学での学生運動も黙らせようとしてきています。ハーバードの臨時学長は今日、泊まり込み運動に参加する学生は停学処分の審議にかけるとする脅迫まがいのメールを関係者に送付。そもそもこのユダヤ系の学長、Alan Garberは、前学長である黒人のClaudia Gayが12月の「反ユダヤ主義」に関する議会の公聴会での吊し上げにあい、身の危険を感じて今年1月に学長を辞任ため、後を一時的に引き継いだものでした。上述の通り、議会はシオニストに牛耳られており、議会の質問は、挑発、誘導によって「言質」をとり、コンテクストから切り離して拡散し、「反ユダヤ」のレッテルを貼る目的で行われたもので、Gayの言葉によると、「巧妙に仕組まれた罠」でありました。今回のコロンビアの学長の吊上げでも見られたように、議員はわざと曖昧な質問をして高圧的にYesかNoで答えを迫り、シオニストに都合の良い答えを強要し、意にそぐわない答えの場合は強く糾弾した上でその模様をSNSで流させるという汚い手を使っています。議会の様子は公開されていますが、日本の国会中継と同じで、ニュースやSNSに拡散されるのは、与党に都合の良い部分だけが切り取られるのです。

さて、アメリカ次の大統領選ですが、もしこの一連の裁判を乗り切ればトランプが返り咲くという悪夢が再来しそうで戦慄します。しかし、パレスティナに関しては、仮にバイデンが再選となってもトランプが選ばれても、何らかの奇跡が起きてロバート ケネディーJr. が勝っても、アメリカのイスラエル支持は変わりません。これだけ全国の学生が抗議デモを激化させ、一般人が怒っても、政治に反映されません。

これが政権交代によって社会は改善していくと国民に思わさせる二大政党制の欺瞞です。結局は、どちらが勝とうが興行主は同じなのです。これは日本の場合も言えます。山本太郎は、かつて、自民党と立民に関して、どちらも貴族階級であって大差はない、が立民の方がちょっとだけマシと言いました。思うに、権力を持っていない立民は自民党ほど腐敗していない分マシだが、与党になった場合の政治のスタンスは変わらないと言っているのでしょう。政権交代前のシロアリ演説で有名になったノダの与党時代の手のひら返しは酷かったですからね。しかし、独裁制と政権交代できる体制とどちらが良いかと言われたら、無論、後者です。少なくともプレーヤーの交代で多少の腐敗は防げますからね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする