百醜千拙草

何とかやっています

腐敗の構造

2023-11-28 | Weblog
あっという間に円はその価値を落とし、一ドル150円あたりに定着しました。アメリカや諸外国でのインフレは基地外沙汰になり、景気抑制のために利上げをしていっている一方で、日本はスタグフレーション、物の値段は上がるのに不況が続くという最悪の状態になっています。こんな状態では、思い切った利上げもできず、円は弱まる一方で、食料やその他の資源の多くを輸入に頼らざるを得ない日本の先行きは明るくありません。

こういう厳しいにありながら、まるで他人事かのような態度で木で鼻を括ったような官僚作文を読み上げるだけの邪悪な無能、増税クソメガネの国会答弁を見ていると、怒りが腹の底から湧き上がってきます。増税クソメガネと自民党は己と党の権力維持が第一、中身のない答弁と答弁拒否でノラリクラリと時間をつぶした挙句、「議論はつくされた」と勝手に宣言、採決要員として比例で担ぎ出した元タレント議員を使って強行採決、経団連とアメリカ軍産と統一教会の悪魔のアジェンダを粛々と強行、国民から税金を「吸い上げ」(アベの表現)て、国民の貧困化を進める裏で、オトモダチには大盤振る舞いの悪行三昧。国会で野党がいくらおかしい点を批判しても、そもそも悪意の確信犯ですから、政府与党は、幼稚園のお遊戯の方がマシなレベルの矛盾だらけの言い訳に終始し、そして矛盾を指摘されると「個々の事案についての答弁は控える、、、」と勝手に答弁拒否した上で一般論を棒読みしてお茶を濁す。この連中、生きてて恥ずかしくないのでしょうか?さすがに頭がカラっぽなのが丸出しのクソメガネには、自民党支持の同僚でさえ「アイツはいかん」とダメ出し。ついに内閣支持率が政党支持率を下回りました。つまり、自民党支持者でさえクソメガネのクソっぷりに愛想を尽かし始めたということです。

しかし、擁護するわけではありませんが、これは、クソメガネだけの責任ではないとも言えます。これは「自民党 = 利権」という構造的腐敗ゆえであり、クソメガネもその腐敗構造にがんじがらめになっており、クソメガネは無力な神輿の飾りにすぎません。つまり、クソメガネを下ろして別の看板に架け替えたとしても自民党政権である限り、何も変わらないということです。ラベルを張り替えたら中身も良くなるだろうと錯覚する日本人のおめでたさを連中は利用して、適当なところで首相や内閣をコロコロと替え、適当なところで解散し、その都度、お祭り騒ぎで目眩し、結局は同じ劇団の大根役者が演じる茶番。こんなにコロコロ解散したり辞任したりで、まともな仕事ができるはずがありません。

この利権による腐敗構造を変えるのは難しいと同時に簡単でもあります。難しいのは自民党が政権を握っている限りは変えることは事実上不可能だからです。簡単というのは、自民党を下野させれば、一瞬にして解消できるからです。そもそも設立時から自民党が支援してきた統一教会ですから、統一教会問題も速やかに解決するでしょう。残念ながら、維新、国民は言うに及ばず、立民も権力をとった瞬間に自民党化し、権力維持のために自民党同様の利権構造を作り出し、現状と同じ国民軽視政策が続くでしょう。立民幹部はみな消費税増税派であることからしても明らかで、党としては立民は国民の敵側です。一方、市民政党であるれいわ、イデオロギー政党である共産や社民は、簡単には転ばないでしょうから、かれらが政権に入れば、少なくとも腐敗のスピードは弱められると思います。つまり投票にこれまでいかなかった5割の人の半数でも投票に行けば、簡単に自民党は政権の座から落ちて、長年の政治腐敗が一旦は解消され、国民生活は一挙に向上すると考えられます。次の国政選挙、地方議会の選挙で、われわれ一般国民が生活向上のためにできることは、悪政四党(自公維国)の議員には投票しない、立民に投票するときは候補者をよく吟味することだと思います。それから世襲議員には基本的に投票しないことです。

ついでに言うと、国民が簡単に騙されるのもメディアの報道のレベルが低いこともあります。NHKもほとんど政権の一方的な意見を述べるだけ。政権に都合に悪い事象は、客観的に解釈し、視聴者に解説することがありません。先日も北朝鮮が人工衛星の打ち上げを行いましたが、日本のメディアだけは「ミサイル」と報道し、屁の役にも立たないJアラートを鳴らすような茶番をしています。さすがに「ミサイル」は盛りすぎだと各方面から批判がきて、ようやく「弾道ミサイル技術を使った人工衛星」とこっそり訂正。北朝鮮から「ミサイル」が飛んでこないと日本政府はまずいのでしょうな。で、さっそく「北京ルート」を通じて北朝鮮に抗議したらしいが、実際にやったことは北京の日本大使館に電話して北朝鮮の政府ご意見箱にファックスで「遺憾の意」と送っただけ。これが日本政府の「外交」、そりゃ、わざわざ出向いて行ってカネでもバラまかなければ誰も相手にしてくれません。今朝のNHKでもハマスを「ガザを実行支配するイスラム系テロ組織」と表現していましたが、ハマスはそもそもイスラエルがガザを軍事支配していたときにパレスティナ住民の支援組織を母体としており、れっきとした政党であって、この15年あまり、選挙で正式に選ばれた政権です。イスラエルやアメリカ、そしてアメリカの金魚の糞の日本はハマスが「テロ組織」でないと困るのでしょう。そして、イスラエルの人質のことは大仰に伝えるくせに、イスラエルの刑務所に何年も収容されていたパレスティナの子供のことは伝えない。そして、アメリカのご機嫌うががいばかりのヒラメ政権に人事をにぎられているNHKは自民党のいうことに逆らえない。すっかり骨抜きにされて上(アメリカ)にはヘコヘコ、下(国民)には傲慢横柄な、いわば、河野太郎のような自民党政権、半世紀前に比べても昨今の日本の政治レベルは日本円以上に急落しているように感じます。
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卵と壁から15年

2023-11-21 | Weblog
週末は20年ぶりに会う知り合いの人々と会食。一人は熊本からわざわざ来ていただきました。二昔の月日というのはバカにできないもので、みなさん外見や肩書もずいぶん変わりましたが、一緒に過ごした頃のことは昨日のように思い出します。

さて、月日の経つ速さといえば、「秋が終われば冬が来る ほんとに早いわ」とという歌う曲がヒットしたのは30年前のバブル期で、普通の若者が週末は踊りに行ったり、夏はサイパンのビーチに行ったりするのが日本人のライフスタイルでした。そして、若い女の子はオバさんになり、ディスコなどというものはなくなり、長い落陽の日々を日本は歩くことになりました。

それから15年、高まる自民党政治への国民の不満が政権交代を起こす直前、村上春樹氏がエルサレム賞を受賞したのは2009年のことでした。氏は、この賞を受賞すべきか拒否すべきか逡巡した、とそのスピーチの最初で述べています。もちろん、イスラエルのパレスティナ迫害が念頭にあったわけです。

そのスピーチは卵と壁という比喩を使ってなされました。硬い壁に当たって壊れる卵、壁は(社会や世界を支配している)システム、卵は一人一人の人間。しかし、こうして一般化される喩えの前提には、アメリカの支援で強力な軍隊と核兵器をもつイスラエルという硬い壁のような組織と、そのイスラエルのシオニストに迫害され天井のない監獄と呼ばれるガザやウエストバンクに追いやられ貧困と苦難のうちにこの半世紀を生きてきた壊れやすい卵のようなパレスティナの対比があります。その上で、そのシステムによって苦しんでいるのはパレスティナ人だけではなく、イスラエルのユダヤ人も含めた個々の人間である、と一般化することによって、ストレートなイスラエル批判を避け、その根源にある権力と権力に蹂躙される個人の権利という対立構造を述べていると思います。人間社会のシステムもそもそもは壊れやすい人間が作ったものであります。まずは、弱く壊れやすい側に立ち、彼らを守る姿勢をとることが重要です。そうでなければ、弱いものは壊れ殺されて消えていく。消えてしまってから取り返そうとしても無理です。まずは弱いものを守る、善悪は一旦おいておいて、子供や女性、マイノリティー、社会的弱者を守ることがプライオリティーである、それが「どんなに卵が間違っていて、どんなに壁が正しくとも、卵の側に立つ」という言葉だと思います。これは民主主義の鉄則でもあります。「人民は弱く官吏は強し」、システムの内部の人間が悪意を持てば、個人は容易に潰される。それが日本も含む独裁国が自国の国民に対して行ってきたことです。われわれは、須らく権力を持つものの暴走を批判し、弱い個人の権利を守る側に立たないといけません。

ハマスのテロに対して自衛権を行使するという建前の元に、民族殲滅とガザの土地支配のため、アグレッシブな無差別攻撃による市民の虐殺を続けるイスラエルのシオニスト政権。開戦に誘い込み、先に日本が真珠湾を攻撃したという口実で、日本を空襲し沖縄では地上戦を行って、最後にはヒロシマ、ナガサキに原爆を投下し、市民を虐殺し、戦後、今に至るまで日本を植民地としたアメリカを思い出させます。そのアメリカがウクライナと同じく、イスラエルに巨額の戦費を融通し、自国は無傷のまま外国での戦争に介入して、ガザの大虐殺に加担しています。世界の人々の多くがアメリカとイスラエルの邪悪な目論見を感じ取っており、それが世界規模のパレスティナ連帯と停戦を求めるデモにつながっています。どんな建前があろうと、ガザへの空爆と侵攻によって5,000人の子供を含む一万人以上のガザの住民を虐殺し続け、ハマスのアジトが病院にあると言いがかりをつけては病院を破壊し大勢の患者、避難民や医療関係者、ジャーナリストを殺害し、アジトがないとなれば、でっち上げの証拠で誤魔化そうとするイスラエル軍の行いを正当化はできません。「テロとの戦い」という怪しげなフレーズで「大量破壊兵器」を隠し持っていると言いがかりをつけて、イラク侵攻し、イラクを破壊しフセインを殺し、多大な市民の犠牲者を作ったアメリカのブッシュ政権と相似です。結局、大量破壊兵器は見つからず、残ったのは死体の山。「ハマスはテロリストであり、テロリストは殲滅しなければならない」、イラク戦争時のアメリカと同じ口実です。そして、儲けるのはいつもの軍産。人殺しで金儲けをして経済を回す、というシステム、そのために殺される人々。我々が立つ側は明らかです。

二者の間のコンフリクトの話にもどりましょう。強いものと弱いものがお互いの利益や権利を争って対峙するとき、われわれは、まずは弱いものの側に立たねばならないと述べました。数年前、アメリカで白人警官の行き過ぎた暴力によって黒人市民が殺されるという事件がきっかけで再燃した「Black lives matter」という運動がありました。人間の命は人種にかかわらず等しく尊いはずですが、現実には、白人社会では黒人やその他の有色人種はさまざまな場面で差別に遭遇します。アメリカでは奴隷の時代から人種隔離政策が行われてきました。ローザ パークスがバスの席を立たなかったり、マルコムXやマーチン ルーサー キングが夢を語ったりしたのは、それほど遠い昔のことではありません。白人という人種にたまたま生まれついたというだけで、現代でも人種差別されずに済む特権を持ち、たまたま有色人種に生まれついたというだけで人は差別されるハンデを負っているのです。だから、まずは、同じ命であってもWhite lives ではなくBlack livesが強調されなければなりません。同様に「すべての人の権利」ではなく、LGBTの人の権利、女性の権利や子供の権利が強調されなければなりません。我々は、卵の側にまず立たねばならない、たとえ卵が間違っていたとしても。そして黒人が白人なみの権利を持ち得るようになって初めて、我々は「All lives matter」と言えるようになり、パレスティナの人々がイスラエルのユダヤ人と同じ権利を持ち得るようになって初めてわれわれは正義を語ることができるのではないかと思います。イスラエル-ガザの戦争において、世界市民である我々がまずしないといけないことは、ガザを攻撃するイスラエルを止めさせることであり、ガザを救うことを主張することです。

前置きが長くなりました。エルサレム賞の村上春樹氏のスピーチは全部が公開されていますので、リンクします。15年経っても世界はなかなか進歩しません。

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歴史は繰り返す

2023-11-14 | Weblog
ネットを使う多くの人と同じく、私の主な情報源はTwitterです。流れてくるツイートを暇な時間にチラチラ見ているだけなのですが、圧倒的にTVや新聞のニュースより早く、そして10倍は深い情報が即時に手に入ります。TVや新聞を主な情報源としている人と議論してみれば、Twitterのパワーを実感します。

Twitterはリアルタイムのニュース情報に限りません。昨今の日本の世紀末的状況を見ていて今後どうなるのだろうと思っていた時にたまたま流れてきた動画が興味深かったのでリンクします。

これは”The Fourth Turning"という25年ほど前に書かれた本の解説動画のショート バージョンで、歴史は80年周期でおおまかに4つの20年の時期(春夏秋冬、起承転結のような)を繰り返すという話を実例を挙げて述べています。それによると現在は最後の20年、”Crisis"にあり、あと五年ほどで次の周期に移ることになっています。つまりまもなく、80年の一周期が終わり、再びゼロに帰るということです。動画ではアメリカの歴史を例にとり、今回の周期は、第二次大戦の終わりから始まって、現在は最後の二十年(2008-2028ごろ)の終わりにあたり、これはリーマンショックにはじまるCrisisの時期であると言っています。喩えると、繁茂した森が山火事によって更地になり新しい周期の始まりにつながる時期であり、それにより古い木々は焼けて死にますが、それは新たに成長してくるものを育てる空間を生むために必要なプロセスなのだということです。この八十年は第二次大戦によって前の周期が終わって始まったものですが、さらにその八十年前は、アメリカでは南北戦争が終わって始まりました。さらにその前の周期はアメリカの独立戦争の終わりから始まっています。つまりこのCRISISの期間は過去の周期をみると大きな戦争によって社会が壊されて、新しい体制がはじまっているということになります。

動画をリンクします。

さて、この周期は日本でも大体当てはまるようです。アメリカの独立戦争がおわった頃、日本では、浅間山が噴火し、天明の大飢饉から寛政の改革という社会変革が起こりました。そしてその八十年後には明治維新で江戸幕府が終わりました。そしてその八十年後は、太平洋戦争で日本は敗戦し、まさに焼け野原となって、ゼロからの出発をしました。現在、敗戦の1945年から78年が経ちました。八十年周期で繰り返す歴史が戦争と破壊で終わるとすると、現在、我々が目にしているイスラエルによるガザのGenocideは第二次対戦時のナチスのホロコーストを思い出させます。これは第5次中東戦争になるかも知れず、ひょっとすると米英-イスラエル 対 アラブ-ロシアという代理戦争が第三次世界大戦へ発展していくのかも知れません。

日本では、平和憲法を改憲し、財源もないのに40兆円以上の軍事費を注ぎ込んで、軍国主義を再興しようとするかのような政権が国民に負担を押し付け強権的に自由を縛ろうしています。岸田政権の現代日本を評して「新しい戦前」という言葉が一時期、流行しましたが、昔からの時代の流れを知る人々は、日本は現在、確実にCRISISの時代の最終段階にあって、そして80年前の悪夢が再現することを直観しているのだと思います。

ちょっと、調べてみるとこの八十年で歴史が繰り返すという話は日本でも主張している人がいて、5年前には下のような記事がありました。


日本はこのCRISISの20年の終わりをどう迎えるのでしょう?民主党政権が失望のうちに消え、アベ、スガ、キシダ内閣が日本の社会のモラルと社会システムをどんどん破壊し、経済成長率世界ワースト4位という没落国家にしたのがこの10年余りでした。日本が再生のためにもう一度焼け野原にならねばならないとすると、それは戦後の55年体制、自民党の一党支配が崩壊するということではないでしょうか。自民党政治とはすなわち利権政治でした。民主主義とは程遠く、一部の利益団体と組織票と引き換えに結託して国民を搾取してきた政治でしたが、この構造が破壊されるとすると、かなり劇的な形で自民党(とその類似政党)が政権から復活不可能な形で転落することではないかと想像します。外圧でしか変わらない日本ですから、あるいは、それは二次的な結果に過ぎず、社会構造を崩壊させるほどのインパクトの(例えば南海トラフのような)特大の自然災害なのではないだろうかと思ったりします。福島原発事故が数件、まとめて起きたら今の「なんちゃって政治」ではどうにもならないでしょう。江戸時代に平和ボケした武士階級が黒船の大砲の威力に何の役にも立たなかったように、大災害に際して自民党政権は完全な無能ぶりを晒して、政治の場から退場することになるのかも知れません。いずれにしても自民党が終わるというような状況が起こるとすれば、劇的な災害や戦争などの相当な規模の厄災ではないだろうかと想像されます。恐れとともに多少の期待も感じます。

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Ben Gurion Canal Project

2023-11-07 | Weblog
イスラエルの病的とも思えるガザへの攻撃の一つの理由を説明する興味深いTikTok動画がTwitterで流れてきたので紹介したいと思います。

ほとんど無差別殺人、Genocideといってよいイスラエルによるガザへの攻撃。パレスティナの犠牲者は一万人を超え、その半数近くが子供です。イスラエルはハマスというテロ集団根絶のための「自衛」であると強弁していますが、これが自衛の範囲をはるかに超えているのは世界の人々の目には明らかで、いまや世界中でパレスティナへの連帯を示す大規模なデモが進行中という事態になっています。イスラエルは病院の地下にハマスが潜んでいると主張し、病院を爆撃、救急車にハマスが隠れていると言って、救急車を爆撃し、ハマス戦闘員のみならず、パレスティナ人の病人、医療従事者、一市民に加え、イスラエル人人質や国連職員でさえも殺しまくっています。

この大規模な空爆が始まる前、イスラエルはガザ北部を攻撃すると宣言し、一般市民は与えられた短い時間にガザ南部へ避難するよう通告しました。ハマスの本部が北部の病院地下にあるからというのがその理由のようですが、ガザ北部を破壊するのには、別の理由があったのかもしれない、そう思わせる話がTwitterで流れてきたTikTok動画にありました。

見てもらう方が話しが早いので下にリンクしておきます。

@mystical04046

The Ben Gurion Canal Project, Israeli Canal. We all need to do our own research and stop relying on the lying ass mainstream media. Israel is INHUMANE! Stop The Genocide. Give them back their land. Free Palestine.🇵🇸

♬ original sound - Mystical

今回のイスラエルのガザへの攻撃に際して、この若い女の子は叔父さんに言われて「Ben Gurion Canal Project」と呼ばれるシナイ半島の東側に地中海と紅海を結ぶ新たな運河を建設するという計画について調べたと言っています。この動画の中では、そのプロジェクトの計画の目的とイスラエルのガザ空爆の関係を、歴史的な流れの中で、米英仏、エジプト、イスラエルの思惑を考慮に入れ、事実関係の確認をしながら、非常にうまくまとめて発表しております。巧な話の構成、事実関係を確認しながら主張を展開し、結論の妥当性を納得させるプレゼンテーション、と私はこの動画に感心しました。アメリカ人だと思われますが、あきらかに発表のトレーニングを大学などで受けてきたと思わせられます。このあたりがアメリカのいいところで、学校では学生は知識と技術を身に着けることを真に要求されるのです。それに比べて、ワセダを出ながら、答弁といえば官僚作文を棒読みするしか能がないキシダのお粗末さ。学校で何か勉強してきたのでしょうか?世襲政治家は授業に一切でなくても卒業できるそうですけど。

さて、この話は歴史的事実をもとにイスラエルの意図を推測しているわけですが、現在のイスラエルのガザ破壊の目的の一つとして可能性の高い仮説というレベルで考えておいた方が良いかもしれません。ただし、そもそものパレスティナ問題の発端は、イスラエル建国の前、中東支配を目論んだイギリスのユダヤとアラブ、それからフランスとの密約という3枚舌外交であることを考えると一聴に値する話だと思います。

さて、内容を要約すると、現在おこっているイスラエルのガザ北部の激しい空爆と破壊は、1956年の事件に関連してアメリカなどが密かに計画してきた運河建設計画に関連しているというのです。以下は話の要約と、付け足した私の補足です。

英仏の貿易の利便のために1869年にできたスエズ運河の使用に関して、1888年、コンスタンチノープル合意と呼ばれる自由な使用を約束する協定にヨーロッパ諸国、トルコ、ロシアらが調印した。これは運河の利用に国の制限を設けないという協定であった。ところが1948年、イスラエルが建国し、(イスラエルがパレスティナのアラブ人を追い出して大量のパレスティナ難民が生み出されたことを受け)これに抗議したエジプトはイスラエルのスエズ運河の使用を禁止した。 [補足 これが第一次中東戦争につながり、この戦争後、ガザはエジプトに分割された。1956年、アメリカは、エジプトにアスワンハイダムの建設援助中止を通告、エジプトは報復にスエズ運河を国有化し、英仏の運河利権を潰した。これに不満を抱いた英仏がイスラエルにエジプト侵攻させたのが第二次中東戦争。その後、イスラエルは周辺アラブ諸国への奇襲を仕掛け(第三次中東戦争;六日戦争)、その意趣返しとも言えるエジプトのイスラエルへの攻撃(第四次中東戦争)を経て、ジミー カーター(当時のアメリカ大統領)の仲介で、エジプトとイスラエルの平和協定(キャンプ デイヴィッド協定)が1978年締結された]

しかし、キャンプ デイヴィドの年から遡ること16年前の1963年に、アメリカは520発の核爆弾を使ってイスラエルに紅海と地中海を結ぶ運河を掘るBen Gurion運河計画を機密理に練っていたことが、機密期間(30年)が過ぎてから明らかになっている。[ところで、これもアメリカのいいところで、アメリカは政府の機密事項を後年公開することによって、歴史の検証に資し将来に役立てるというシステムを持っています。このシステムによって、日本では隠されていた事実、例えば佐藤栄作がノーベル賞にもなった非核三原則の裏でこっそり交わしてた核持ち込みのアメリカとの密約も明らかになりました。その血を引いたアベの政権で行われた公文書の改ざん、隠蔽などを思い返せば、アメリカがこうして記録とその公開を重視するシステムを作ったのは、民主主義を護り、政治腐敗を最小限にするのが目的でであることがよくわかります] さて、第一次中東戦争以来、スエズ運河の巨大な利権がエジプトに握られたことに加え、スエズ運河の運搬能力の低さに不満をもったアメリカとイスラエルが、新たなより高性能な運河をシナイ半島の東側に作ろうと考えたのが、Ben Gurion 運河計画ということ。それはパレスティナの岩盤層を掘り進んで地中海に抜ける経路を取るのだが、計画ではガザのすぐ北側にガザを迂回しなければならない。逆に言えば、ガザの北部が人の住まない土地となり、そしてイスラエルのものになれば、この迂回問題は解決する。この運河は貿易や戦艦の運搬などで米英仏イスラエルに大きな利益をもたらすだけでなく、エジプトが管理するスエズ運河に頼る必要がなくなることから、これらの国のアラブ諸国に対する立場を強くするという政治的意味もある。
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