百醜千拙草

何とかやっています

止まない雨はない

2012-12-28 | Weblog
イスラエルの Weizmann InstituteのDavid Givol博士が土曜日に死亡したとのemail。クリスマスの日にお葬式を行ったとのこと。Givol博士は遺伝学的手法で、ヒト疾患のマウスモデルを作って解析するというスタイルの仕事で、私の分野にも関係のある疾患を一時、扱っておられました。 マウスのことで以前メールをやりとりしたので私のメールアドレスが博士のメールアカウントに残っていたのでしょう。その後、「Time」の特集号の今年亡くなった人の写真を見ながら、Whitney HoustonやDonna Summerが亡くなったのはいつのことだったのだろうかと思いました。随分前のことのように感じます。去る者は日々に疎しですね。人間の命は儚いです。明日死んでも悔いが残らないように毎日を生きないといけないという気持ちになります。

話変って、下は月曜日の時点で書いた未来の党のゴタゴタについての感想ですが、それから状況が急激に変動し、現時点では未来の党の分党が決まったようです。政党助成金のこともあって年内、分党ということのようです。確かに現職国会議員および衆院選で落選した党員の不満はわかります。次の参院選まで限られた日数しかないのに党首の人が国政選挙のことを理解できていないと私も感じます。次の参院選に出る予定の党員の人々が党の顔としてのこの党首の人の能力に不安を持つのも仕方ないでしょう。党首は国政経験ゼロですし。とくに、副代表であるはずの森ゆう子氏の批判は理解できます。しかし、一方で未来の党への合流を決めた小沢氏にも大きな責任があると私は思います。その本人が表にでてきて「生活党」出身の党員にしかるべき説明をしていないように見えるのですが、それはまずいのではないでしょうか。

衆院選後、惨敗した未来の党に関して、内部、および支持者から数々の不満が聞こえてきます。選挙における未来の党の支持者は即ち、小沢氏の支持者です。やはり小沢氏自らが全面に出て来て、支持者や前生活党党員の不満に説明をすべきではないのかと思います。「生活党」の未来の党への合流を決めたのは小沢氏本人でしょう。選挙での惨敗は小沢氏に最大の責任があると言えます。一方、建前上は未来の党の党首が責任を負うのが筋です。しかしこの党首はその責任をどう考えているのかよくわかりません。この二人が、しっかりと党員および支持者に説明することが必要でしょう。

未来の党の党首は、選挙後の総括をしていないこと、内部の党員との意思疎通を図ろうとする努力が乏しいこと、党人事を副代表にさえ知らせることなく決定してマスコミ流したこと(森ゆう子議員がツイートで批判していますね)、ちょっと党運営について稚拙すぎるのではないかとは思います。しかし、支持者や内部の人間が国政未経験のこの党首だけを責めるのは不公平だと私は思いますし、そもそも党首を責めたところで状況は改善しません。

本来、この党は参院選を目指しての小沢氏の戦略であり、この時期に内部で揉めている場合ではないはずです。これでは小沢勢力の分断を目指す敵の思うつぼです。
このことに関して、前衆議院議員の中村てつじさんが良い意見を述べておられますので、転載したいと思います。以前にもこの方の発言を聞いて感心したことが何度かあります。今回の落選は本当に残念でしたが、参院での復活を期待しています。


衆院選落選 反省と未来(2)多様性(ダイバーシティ)

今朝の報道によると、未来の党の共同代表に阿部知子衆議院議員が就任する方向だそうです。この件について、いろいろな人から賛否両論のメールをいただきました。今回の記事は「卒原発」について書くつもりでしたが、予定を変更して、未来の党の今後について、組織論の観点から書くことにします。

結論から書きます。私は、阿部知子共同代表という方針は、我が党にとって一つの選択肢だと思っています。それは、国民政党になるためには、「多様性」(ダイバーシティ)が必要だからです。

正直なところ、「プロ」である「国民の生活が第一」出身者の政治家から見れば、「嘉田さんも阿部さんも全く組織論が分かっていない」と思われていることでしょう。今日現在になっても、新しい党活動の方針が示されていないことを見ても、その指摘に私は反論できません。
20代はじめから20年近く二大政党を作る努力をして来た私自身にとっても、両氏の現状には不満があります。嘉田さんにも未だ会っていませんし、ポスターの広報板に貼る「未来の党」のシールも作成にさえ至っていないという話を聞くと「本気で組織運営をするつもりがあるのか」といらいらします。
しかし、それは、いわゆる「プロ」の目線で見ているからであり、今まで政党活動に注力をしていなかった人が政党を作るためには、その人が「気づくまで待つ」という姿勢が「プロ」の側には必要なのです。阿部氏も小政党に長らく属してこられたので「メジャー」をめざすのは初めて。時間がかかります。
(中略)
私は、嘉田さんや阿部さんと合流することによって、未来の党には幅が出てきたと思います。確かに、その選択をすることによって、時間不足、経験不足の弊害が現時点では出てきています。しかし、その点については、時間をかけてしっかりと組み立てていけばいい。その時には、私たち「生活」出身者の力が活きてきます。
それよりも、この時点で分裂ということになると、さらに少数勢力になって多党との交渉能力もなくなります。何よりも「党のガバナンスもできない政党が、国家のガバナンスもできるはずがない」という国民の印象を覆すことはできないです。純化路線では力を持つことはできません。民主主義では、数は力です。自由党が民由合併に踏み切った理由を私たちは思い出さなくてはなりません。

いわゆる「小沢信者」の皆さまに申し上げたい。今、小沢一郎は何を考えているのか。なぜ、嘉田由紀子滋賀県知事に新党の立ち上げを進言したのか。その経緯からして、「小沢信者」ならば、何をすべきなのか。
私は、つねづね皆さまに申し上げてきました。「小沢一郎をいくら見ていても、小沢一郎が考えていることを分かることはできない。小沢一郎から目を離して、小沢一郎が見ている先を自分も見るようになって初めて、小沢一郎という政治家の考えていることが分かるようになる」。

私は、「国民の生活が第一」の常任幹事として、常任幹事会で嘉田新党との合流を主張した一人です。それは、選挙とは、人の好き嫌い、組織、人事、党名などこだわるべきではなく、主権者国民の判断を「政策」で仰ぐためのものである、という民主主義の原点に立つべきだと考えたからです。それしか選択肢はありませんでした。
今の政治状況こそ、私たち一人ひとりの真価が問われる時です。

次回以降のブログに書きますが、嘉田さんの弱点は経済政策です。本来、卒原発も、脱増税も、経済対策の一環として語られるべきだったのですが、その主張が弱かったことも敗因の一つです。しかし、ここで私たち「生活」出身者が嘉田さんから離反してしまうと、嘉田さんがそれに気づく機会さえ奪ってしまうことになります。

皆さん、共に頑張りましょう。私が最後までついています。


その後の中村てつじ氏ブログエントリー: 衆院選落選 反省と未来(3)分党という結果もどうぞ。

3年前に鳩山政権が官僚に倒され、その後、党内反小沢派、自民党、官僚組織(検察、最高裁)、そしてマスコミが一緒になって、すさまじい「小沢封じ」を展開しました。それに耐え、ようやく「陸山会事件」の無罪判決が出て、ドジョウが自爆し、捲土重来するはずでしたが、衆院選の結果は驚くべき惨敗を喫しました。いくら「参院選」を第一目標にしていたとは言え、ここまでの惨敗は予想外でした。何より自公に衆院2/3を握られたのが痛いです。しかし、過去を悔いても仕方ありません。辛い日々は、雨の止む日を信じて、臥薪嘗胆、じっと耐えるしかありません。どんなに長く雨が続いても止まない雨はありません。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

グラントの書き方(2)

2012-12-25 | Weblog
学内向けのポスドク向けグラントの審査会が先日ありました。私は合計30程の申請書に目を通して評価をしたことになりますが、専門分野でないものばかりなので大変骨が折れました。審査会は最終的に60余りの申請書を二段階の審査でしぼった21の申請の中からさらに11を選び出すための会議で、合計13人の審査員のうち都合のつかなかった人を除いた9名でやりました。当然ながら各審査人の評価には差があります。私は、候補者のバックグランドなどは取りあえず評価の外に置いて、申請書の研究の中身だけを重視しました。その中で、具体的な仮説があるかどうか、研究方法は妥当かどうか、よい予備データがあるかどうか、研究のインパクトの四点に分けて評価して、総合点数で順位をつけました。会議での他の人の意見を聞いてみると、ポスドクなので、将来性とかこれまでの生産性とか推薦状とかをかなり重視している人(私はこの辺は殆ど考慮しませんでした)、予備データや仮説よりイノベーティブかどうかを第一の評価対象にしている人、などなど、様々です。これでは確かに評価が分かれるのもやむを得ないだろうと思いました。ただし、おおまかな傾向は全体としては合致しています。ということは、様々な評価ポイントの多くにおいて優れている応募は高く評価されたということだと思います。
私が高評価を出した一つの申請が半数の人から評価が低く、ボーダーラインになったものがありました。この申請書は私の4つの基準をすべてクリアしていたので、なぜ評価が低いのが不思議でした。これはその場でわかったことですが、応募者は以前にも同様の申請を出していて、しかもそのプロジェクトのアイデアはその指導者が既に別のグラントで申請して現在サポートされているものであったのでした。いくらポスドクの応募とは言っても、その指導者のアイデアそのままではダメだろう、という人々の意見でこの応募は採用しないことになりました。
もう一人、議論になったのは、ポスドク歴がかなり長い人からの応募でした。アイデアを高く買う人がいて評価が分かれました。私はスクリーニングプロジェクトで仮説が曖昧であり予備データに乏しく成功の可能性を読みにくいという理由で低い評価をしたので、ポスドク歴やバックグランドを見ませんでしたが、審査員の中にはポスドク歴が長過ぎるので、これ以上サポートする意味が乏しいという意見を出す人が数人いました。私も長年ポスドクやりましたし、今のDepartmentにも10年以上、実質ポスドクをやっている人もいます。ポスドクより上のポジションを得るのが大変困難な時代にもなってきていますので、ポスドク歴が長いという理由はちょっとアンフェアでないかと私は思いました。最近は一つのプロジェクトをよい論文にまとめるのに足掛け5年以上かかるのも普通だ、というような話をしてきてポスドク歴の長い人を擁護する人もいました。実際そうです。マウスを使った実験だと、ツールを作るところから始めたら出版まで3-4年は最低かかるでしょう。
このグラントがサポートできるのは一年ぐらいです。うまくグラントを貰えた人もその間に結果を出して別のグラントに応募するなりどこかのポジションに応募するなりしないといけません。あいにく、このグラントでさえ、競争率は15 - 20%ですから、グラントを取り続けることは容易なことではありません。若い人、ポスドクに限らず、研究業界の生き残りの厳しさは全てのレベルの人に当てはまると思います。教授でも一流研究者でも、グラントが切れれば終わりですから、一寸先は闇です。ま、そういうものだと思って、やれるだけやるしかありません。他のもっと厳しい業界に比べたら、例えばこの経済状況の中での零細、中小企業などの経営者のストレスを想像してみれば、研究者はまだ恵まれているのかな、と思います。

話かわって、次の自民党政権に対する懸念が(アメリカ以外の)世界中から聞こえます。しかも、議席上は自民党が大多数を握っているにもかかわらず、得票率から考えると、最大80%以上の日本国民が自民党政権を支持していない可能性もある、民意とかけ離れた政権です。
国内外を問わず、とりわけ、原発政策、外交に関しての不安が大きいようです。

日本の次期総理大臣就任が決まっている自民党の安倍総裁が、「新政権発足後は、福島原発事故に閉鎖していた原子炉の再稼動にむけ 全力を尽くす」と強調しました。また、原発への依存を軽減させようとした民主党政権の政策を批判し、「この政策を再検討したい」と語りました。2011年3月11日の東日本大震災と福島原発事故の後、多くの人は、過去の自民党政権が、古い原発の安全性を無視してきたことを非難しました。彼らは、長年に渡って政権を握ってきた自民党の指導者たちが、老朽化した原子炉の修理には莫大な費用がかかるために、これらの原子炉の問題を覆い隠し、それが今回のような事故につながったとしています。
 (イランラジオから)

フクシマ事故を見て、原発廃止を決定したドイツのような国もあるのに、事故の当事者であるくせに事故から何も学ぼうとしない人間、国民の意見を聞かない人間、外交よりも戦争のために改憲しようと考える人間がリーダーになってしまった危険な国、日本はそう思われているようです。

在日米軍に関しては、

共同通信によりますと、安倍総裁は山口県庁で記者会見し、「アメリカ軍基地を名護市辺野古に移設する方向で地元の理解を得るため努力したい」と述べました。


逆戻りです。戦後67年がたっても、在日米軍があれだけ沖縄県民の多大な迷惑かけ数々の犯罪を行ってきており、かつ長年の県民の反対にもかかわらず、沖縄に負担を押し付け続けることを明言しました。この人が国民と全く逆の側にいるのは前の政権時からわかっていました。「美しい国」のためには、国土が放射能に塗れ、人々が喘ぎ苦しんでも構わないのでしょう。オリンピックのときに外面の体裁を整えるために北京の貧民街をにわか作りの壁で隠した中国共産党を思い出しますね。全体主義、軍国主義、お国のために玉と散るのが「美しい」国、どこかで聞いたような世界が近づいてきそうな雰囲気です。日本国民にとっても、世界にとっても危険な国にしようとする新政権の暴走を止めないといけません。


コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

分身の術

2012-12-21 | Weblog
衆院選以後、重苦しい気分がまだ持続しています。不正選挙の間接的な証拠はいろいろあるようですが決定的なものはないようです。確かに、例えば、選挙区ごとの未来の党候補の集票数と未来の党の比例投票集のを比較すると、比例が候補者に比べて4割一律に低いという数字はおかしいですね。普通、未来の党の候補を支持する投票者は比例も未来の党に入れるでしょう。その差が4割もあって、しかもいろんな選挙区で一律に4割というのは、かなり大掛かりな数字の操作が行われたと考えるのが自然ではないでしょうか。また、候補者や選挙活動に参加した人々が、選挙結果と肌で感じた国民の意思との間に理解しがたい乖離があるという話を多々聞きます。多分、選挙結果に一番驚いたのは自民党でしょう。出口調査の結果を見て「自民党は厳しい」とツイートしていた自民党現職議員もいましたようですし。
 残念ながら、仮に不正の確たる証拠が山積みになったところで、この国の権力側が何もしないであろうことは、一連の小沢事件やその他の冤罪事件、国家賠償訴訟などを見ていて、明らかです。過去に拘泥することなく、過去から学んだ事を未来に生かすようにしないといけません。今回、自民党が大勝したと言っても、実際の投票率は最低で、自民がボロ負けした2009年よりも自民党の得票数は低かったのです。自民党が決して多数の国民に支持されているわけではありません。今後は、この国の統治の形態が「日本は法治国家で民主主義の国」という義務教育で教えられている建前といかにかけ離れているかという真実を知る国民をいかに増やすかということを考えるべきでしょう。真実を知る一般民衆が団結することしか権力に抵抗する術はありません。

それにしても、右傾化し、格差が拡大し、シロアリがはびこり、核廃棄物が国土を汚染し、一般人の生活が苦しくなって、若者が未来の明るい展望を描きにくくなっていく日本、ヨーロッパとアメリカでの経済危機が一触即発で世界大恐慌をいつ呼び起こすかわからない世界経済、キナ臭いイスラエルと中東、右を向いても左を向いてもイヤな話ばかりです。こんな中で、いかに正気を保ち残りの人生の日々の生活を維持していくか、工夫しています。

一つは忍辱(にんにく)ですね。じっと耐えること。「止まない雨はない」というちょっと前の本を最近、読みました。老年期に伴侶を無くした後、強い鬱状態から立ち直った人の話で、ドラマにもなったようです。苦しみや悲しみや困難は誰の人生にやってきます。辛い苦しい日々はじっと耐え、押しつぶされそうになるような不安を忍び、寒さの夏はおろおろ歩き、そうしている間に晴れる日々も訪れるということでしょう。
 もう一つは、心理学でいう「Mindfulness」という考え方も有効だと思います。Mindlessnessと反対ですね。われわれは多くの場合、過去や未来のことにとらわれて「心ここにあらず」の状態になりがちです。Mindfulであることは「今」に注意を注ぐということですね。同時に自分の身体や感情をリアルタイムで客観的に眺めることです。正義感が強い私は不正義に面して感情的に強く反応してしまうことが多々あります。結果は健康にも悪いし状況を改善することも余りありません。強いネガティブな感情を感じた時に、自分のその感情を客観的に眺めることで、冷静さと心の安定を得ることが可能になると思います。そして、一種の「dettachment」の状態を得られたら、自ら背負い込んだ不要な荷を肩から下ろすことができると思います。

自分自身を客観的に観察する視点を持つために、最近、私は自分自身の分身を想像することにしました。それに一人で悩むよりも誰かに聞いてもらえば悩みも半減します。自分の想像上の分身に話を聞いてもらって、意見をしてもらおうというアイデアです。その分身は私よりも頭がよく冷静で正しい判断ができます(と想像します)。とりあえず、具体的にその分身を想像しました。優れた知恵と判断力をもつその伸長15センチそこそこの私の分身が、今は、私の肩のあたりでニコニコしています。ビートルズでは、困った時には、マリア様がやってきて「御心のままに」と知恵の言葉を語ってくれますが、キリスト教者ではない私の場合は、賢い分身に知恵の言葉を貰うのです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自民大勝、どういう理屈?

2012-12-18 | Weblog
衆院選の結果は残念なことでした。結局、マスコミの国民洗脳がよく効いているのでしょうね。自民がダメだから民主、そして民主がダメだから自民という投票パターンになったということですけど、自民も民主も維新も同じ穴のムジナであって、自民に投票しようが民主に投票しようが同じことだということが、よく浸透しなかったということでしょう。これは二大政党制の議会制民主主義の欺瞞を思い出させます。与党と野党は国民をコントロールしその富を搾取する一部の支配者層のための目くらましとして、議論するフリをし、国民にあたかも政策を選択する権利があるかのような幻想を与えます。その実は与党も野党も結局は支配者層のための政策、国民搾取のための政策(カバルのアジェンダ)を推進するために働いているのです。3年前に、日本ではそれが変わる可能性がありました。鳩山政権が多分戦後最初の国民のための政権でした。残念ながら内部から崩壊してしまいました。そして今回、3年前よりももっと悪い選択がなされました。消費税は上がり、景気はますます後退し、原発は次々と再稼働を始め、放射能は全国に飛び散ることになるでしょう。加えて、日中武力衝突が現実になるかも知れません。それにしても未来の9議席というのは解せません。不正選挙を田中龍作ジャーナルをはじめ、多くのサイトが指摘していますけど、ここまでの大差で自民党が勝つというのは、不正だけで説明しにくいように思います。やはり、熱しやすく冷めさすい日本国民は三年ちょっと前のことをわすれてしまったのでしょう。格差社会、「勝ち組」とよばれる少数グループが下層階級に釘付けにされた持たざるものからむしりとる社会、日本の国民の富をアメリカに差し出すことで既得権益を持つものだけが得をする社会、目先に金のためには国土を永久に汚染しても構わない社会、そういう自民党が推進してきた社会に反対して民主党政権ができたのではなかったのでしょうか。その民主党が空きカン以降、すっかり変節して自民党化してしまったことに対する評価が、前回の参院選や今回の衆院選での民主党惨敗ではなかったのでしょうか。であるのに、自民党化した民主党を不信任したにもかかわらず、今度はまた自民党を大勝させるというのはどういう理屈なのですかね。自民党はイヤだが民主党はもっとイヤだということですかね。この選挙の建前は消費税増税法案を自民と民主が一緒になって通したことに対する国民の審判、という話ではなかったのですかね。結果をみれば、国民は消費税増税に賛成したということになります。
今回の安倍氏、前回の政権投げ出しで、無責任口先男であることは証明ずみです。参院でのねじれがあるのも前回同様。ただし、前回と異なり参院での「与党」は小沢氏が代表ではないし、そもそも衆院2/3を押さえているので、やりたい放題できると思っているでしょう。こういうレベルの人間に力だけを持たせるとどういう悲劇がおこるのか国民は想像できなかったのでしょうか。つくづく日本が暗黒時代にあることを実感した選挙でした。
選挙後ドイツのニュース番組で放映された画像


話かわって、先週の事件ですが、コネティカットの静かな街の小学校での銃乱射事件、コロンバインに次ぐ大惨事でした。殺された20人の小学生と学校関係者、その家族や友人の気持ちを思うとやりきれない思いです。こういう無抵抗な人間を無差別に殺害する銃乱射事件はアメリカでは何度も繰り返されています。一般人が簡単に銃を手に入れることができるアメリカ社会の構造的な問題があります。それでは銃器を規制すれば問題は解決するのか、という疑問が自然と出てきます。銃を規制したところで、サリンとか爆弾とか、無差別に人を殺傷する方法はいくらでもありますから、無差別殺人がなくなることはないでしょう。しかし、銃乱射によるこの手の事件は少なくなるであろうと期待されます。年間自殺者が3万を越える日本で、不審死などを考慮すると10万人以上が毎年、自分の命を自ら絶っている可能性があるそうです。そのうちの少なからずは精神的に追いつめられていて、今回の犯人やバージニアテックの犯人のようにどうせ死ぬなら他人を巻き添えにしてやろうと考えていると思われます。日本で銃乱射による無差別殺人と犯人の自殺が起こらないのは、間違いなく銃規制のためだろうと私は思っています。
アメリカという「倫理、道徳」教育というものが、基本的に存在しない国で、モラルを維持してきたのは、キリスト教を中心とした宗教であったと思います。しかるに、いまや宗教を実践しているアメリカ人はおそらく1割ほどであり、多くの人々は、高い倫理性を守ることより、自らの物質的な利益を追い求めることを優先しているように思います。自らの利益のためなら隣人を貪るのは当然だ、自分のためなら同胞を利用すのは当然の権利だ、極端に言えば、そう考えているようです。だいたい、アメリカという国はかつてのヨーロッパ諸国同様、そもそもそうやって他の国の富を搾取することによって大きくなってきた国ですから。そのような国で、無差別殺人のような非倫理的暴力が自国の内部で起こるのも巡る因果というものなのかもしれません。キチガイに刃物の喩えもあります。人道的に未熟な人々に武器を安易に与えないことはこの手の悲劇を防ぐために有効だと思います。銃規制の話は、こういう事件が起こる度に持ち上がってきました。それに対して憲法修正第二条(second ammendment)を盾に、武装の権利の侵害であると主張する人々が数多く反対してきました。ここに個人の利益が全てに優先するという「Me First Generation」に代表されるアメリカ精神が見えます。彼らが「個人の利益」と言うとき、彼らは「自分個人」のことしか考えていないのです。同胞や他の国の人々にも同じ利益を進んで認めようとは思わないのでしょう。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

戦争反対

2012-12-14 | Weblog
ちょっと前のイランラジオのニュースから。

アメリカが日本に4億2100万ドルの兵器売却を承認
アメリカ国防総省が、日本へのイージス艦ミサイル防衛システムと関連機器の強化に向けた武器売却を承認しました。
ロイター通信によりますと、アメリカ国防総省は、議会に対し、「日本のミサイル防衛力の強化のために、4億2100万ドルの武器売却を承認した」と伝えました。
他国への武器売却を担当するアメリカ国防安全保障協力局は、「日本は、自国の防衛システムの強化を我々に要請している」としています。


日本は金持ちですな。400億円ほどアメリカの武器在庫セールで大盤振る舞いちゅーわけですね。どこの誰が「日本の防衛システムの強化をアメリカに要請」したのですかね?

もう一つ、先週の話ですけど、

国際的な非難に直面するアメリカの核実験
最近、アメリカが行った核実験が、国際的な非難を呼び起こしている。 
アメリカは、6日木曜、ネバダ州で、臨界前核実験を行った。アメリカは、これは27回目のアメリカの核実験であると発表した。この核実験の目的は、アメリカの核兵器の性能を維持するだと言われている。
アメリカのメディアは、「アメリカ政府は、今後10年、自国の核兵器庫を新しくするため、1000億ドルの費用をかけようとしている」と報じている。
世界の多くの国々は、アメリカによる最近の核実験を非難している。
イランは、こうした核実験が核兵器廃絶を目指す世界規模での努力に反するものだと強調している。
広島や長崎の市長らも、こうした核実験を非難し、アメリカのオバマ大統領に書簡を送り、自らの抗議の意を表明しているのである。
アメリカは、過去に他国に対して核兵器を使用したことのある、世界で唯一の国である。また、アメリカは即時使用可能な核兵器の最大の保有国であり、また、この兵器庫を最新鋭のものにしようとしている。
アメリカ政府は、この目的のために天文学的な数字の費用を費やしているが、その一方で同国の経済は危機に遭遇しており、失業率も非常に高い。
アメリカは、我こそは世界における人権擁護国家であると豪語しているが、核兵器に費やす費用を、自国民や、世界の安全強化という国際的な要求実現のために費やすという意向はないのである。


おっしゃるとおりです。
そして、

イランがイラン領空を侵犯したアメリカ軍の無人偵察機を捕獲

イラン偵察機、アメリカ核実験、武器在庫セール、と立て続けですから、やっぱりアメリカはイスラエルに押されてイラン侵攻を計画しているのでしょうか。
選挙前なので、日本のメディアが選挙一色になるのはやむを得ないですけど、日本が大量に武器をアメリカから購入しようとしているというようなニュースをロイターが伝えても、日本のマスコミは伝えている様子がないですね。悪事はこっそりですか。

もう一つ。北朝鮮の人工衛星の打ち上げを『ミサイル』と断定して報道するマスコミ。人工衛星は無事に軌道に乗ったという話。本音は長距離ミサイル開発の一環としてやってはいるのでしょうが、建前は人工衛星です。前回の打ち上げの時も、北朝鮮は各国の人々をわざわざ打ち上げに招いたにも関わらず、日本などは拒否して行きませんでした。たとえ隠された意図があったとしても、一方的にミサイルと断定して非難するのはどうなのですかね。それに対して、アメリカの核実験やインドのミサイルの打ち上げに対する批判は全然みられません。インドの弾道ミサイル「アグニ1」打ち上げ実験を報じている日本の大手メディアは見当たりません。こっちは「人工衛星」ではなく、れっきとしたミサイルで、700キロの射程距離を有し、総重量は12トンで、全長は15メートルに及び、重量が1000キロある核弾頭1発を搭載できる仕組みになっているそうです。700キロならインドから発射しても日本には届かないから関係ないと思っているのでしょうか。

国民の多くが生活が苦しいと喘いでいるのに、自民や維新の好戦的な人々は、中国が攻めて来るとか北朝鮮からミサイルが飛んでくるとか言って、憲法改正して、核武装して、徴兵制にして戦争しよう、と言っているようです。一般国民にとって戦争して良いことは何一つありません。そもそも、戦争になって中国が攻めてきたら、何ができますか?核武装していて14億の不満を抱えた国民が一斉に攻めて来きたらどう対抗できると思っているのでしょうか。それに、中国と日本が戦争になったら、アメリカもロシアも結局、勝ちそうな方に味方をするのです。帰趨は最初から見えていて、日本が見捨てられるのは明らかです。そして、またまたアメリカに嵌められて痛い目を見ることになります。そんなことよりも、如何に戦争をせずに済むかを第一に考えられる人に投票しましょう。それから、目の前の国民の問題、原発と消費税とTPPです。それに反対する政党に入れましょう。
小沢氏の本当の狙いは次の参院選でしょう。日本のシステムであれば、たとえ衆院で安倍氏らが軍国主義的決議をしても、参院でねじれていれば衆院で与党が2/3以上でない限り通りません。目先の目標は、衆院選で自公民、維新に2/3を取らせないこと、そして来年の参院選で彼らに過半数をとらせないこと、だと思います。

もう一つ、さっき読んだ「なだいなだ」さんのエントリーで、興味深い主張があり、尤もだと思うので転載します。

マニフェストか、過去に対する責任か

老人党を立ち上げたとき、ぼくは、落とすことを考えよう、われわれにできることは、だれを選ぶかではなく、だれを落とすかだと、選挙に対する考えを変えるように提案した。自民党の政治を終わらせるために、たまたま民主党に票を入れるよう勧めたのであった。民主党のマニフェストに賛成したからではない。
 これからの世界の展望を示さず、自分たちの世界政治の中での位置を示さず、目先の個々の問題を書き連ねただけのマニフェストだなんて、読む価値がない。読むなら、その幼稚さを批判するためであって、期待などするためではない。
 これまで、政治家が過去に何をなしてきたかを考えず、公約なる口約束、つまり口約ばかりに目がいってしまっていた。だから、政治が変わらなかったのだ。
 大震災とそれに続く原発災害で、今や、政治家たちが、過去に何をしたかが見えてきた。最近起こった、中央高速道トンネルの天井落下の災害もそうだ。あえて、事故などと呼ばず災害と呼んでおこう。
 だが、政治家は、今もって、自分からその責任を語ることをせず、もっぱら口約ばかり述べ立てる選挙をし続ける。ぼくたちの一票は、そういう政治家を落とすために使うべきだ。


その通りですね。そう言う視点から言えば、民主党と安倍自民党に不信任を突きつけなければなりませんね。民主がダメだからと言って自民に入れたのでは逆戻りです。談合三兄弟議員を落とすことが第一の目的です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

闘いと休息

2012-12-11 | Weblog
先週末、わりと仲のよかった同僚が、グラントが取れずに研究室を去って行きました。グラントのスコアからはもう一度トライすればチャンスはありそうでしたけど、それまでサポートが続かないということで辞めざるを得なくなりました。子育て中の母であるということもあって、次の職は決まっていません。お昼にみんなでレストランで食事をした後、落ち込んだ様子も余りみせずに元気に去って行きました。後片付けをした後のガランとした実験机を見て、寂しい気持ちになりました。こうして研究室からいつの間にか姿が見えなくなった人がこの数年で随分増えました。経済が低迷すると研究職は厳しいです。知り合いの文系の人も、永久職につけている人は全教官の1割ぐらいではないか、殆どが期限付きの契約教官になってしまったと言っていました(その本人も契約教官で二つの大学の講義を掛け持ちしています)。私自身も数年後のことはわかりません。しかし、その時のことをいろいろ心配して現在をムダにするほどバカげたことはありません。過去は過ぎ去り、未来は未だ来らずですから。よく考えて、いま為すべきことをするだけのことです。

その去って行った同僚とのお別れランチをセットしてくれたのは、もう一人の友人ですが、彼女も数ヶ月前にガンが見つかり闘病中です。つらい手術とその後の化学療法を一人で耐えながらも、明るさを失わない彼女の強さに私は心から感心しています。仕事の危機、生命の危機に際しても、彼女らは逃げることも泣くこともせず、前向きに立ち向かっています。生きることは、様々な苦難との闘いとその後の休息の連続なのだなあ、と実感するこの頃です。避けられない苦難であれば闘うしかなく、闘うのであれば、雄々しく闘わねばならない、と思います。どういうわけか、最近の世の中、雄々しく闘っているのは女性ばかりに見えるのですが。

Dave Brubeckが死去とのこと。91歳。正直、「Take Five」以外の曲は知りません。白人のジャズなんて、という偏見もありました。ま、素直に聞けば、悪くないし、スマートでいいです。白人でもビル エバンスとかは私も偏見を持ちながらも昔はよく聞いていました。マイルスデイビスがビルエバンスを雇おうとして、他のバンドメンバーの反対にあったときに、「いいプレイをするヤツなら、肌が緑色のヤツでも雇う」と言ったという有名なエピソードがありますが、本当にその通りですね。音楽は音が全て、研究も中身で勝負です(残念ながら、実際は、中身よりも表紙で評価が随分変ってくるのですけど)

「Take Five」は三拍子と二拍子の複合の五拍子の曲で、素直な和音進行とわかりやすいサビのメロディーで大ヒットしました。
私が若いころわりと好きだった黒人6人の「Take 6」というコーラス グループもありましたが、これが「Take Five」をもじったのかどうか、私は知りません。7拍子の曲でTake Fiveを文字った「Take Seven」という曲を見つけました。

Take five by Dave Brubeck/Paul Desmond

Take 6 Quiet Place

Take Seven (7拍子)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

反消費税増税政治家に一票

2012-12-07 | Weblog
年の瀬が近づいてきました。フクシマ原発事故以来、余り明るい事がなかったこの二年でした。アメリカに脅され、自分だけが大事の官僚組織が、政治家とマスコミを操り、国民の富を吸い上げ、国を売ろうとしてきました。そういえば、衆院解散の日に空きカンが久しぶりに街頭演説しましたけど、わずかに集まった聴衆から「売国奴」コールが激しく起こっていましたね。他にも、「テロリスト」「噓つき」というヤジが飛び交っていました。国民の怒りが収まらないのはわかりますけど、過去の人ですからこの人にいくら怒ったところで健康に悪いだけです。それよりもあと二週間となった選挙の方に注意すべきですね。未来の党は、小選挙区と比例を合わせて約120人ほどの候補を出しています。この多くが当選するだろうと思ってはいますけど、仮に全員が当選してもまだ勢力としては弱いですね。政策として合致している他の小政党を加えてもまだ足りません。結局、数的に「消費税、TPP、原発」推進の自民党がまた大勢を占めてしまう可能性があり、ちょっと心配です。外国も安倍氏や東京都知事のような人間が日本のリーダーとなって、外交よりも戦争と軍国主義を推進しようとするような動きを警戒しています。経済は間違いなくより悪くなり、原発の収束は遠のくでしょう。民主党は壊滅するでしょうが、情けないのが、現職総理であったドジョウが比例との重複候補になっているということです。小選挙区では三宅さんに負けると思っているのでしょう。現職総理が小選挙区で落とされるということは、国民の政権への不信任です。にもかかわらず、比例復活で議員は続けたいという根性なのでしょうから、矜持がないというかみみっちいというか、情けないですね。
選挙前になって、原発はどの党もなくす方向(ただし、容認派はかなり曖昧な表現を使っています)を言い出しました。しかし、本来のこの選挙の争点は消費税増税です。消費税増税は国民の金をシロアリ官僚に横流しするための政策、TPPは日本の市場をアメリカに明け渡して草刈り場とするための政策、いずれも一般国民がもっとも大きな被害を受けます。この二点に注目すれば、消費税増税反対とTPP反対を明確にしているのは、「未来の党」、「社民党」、「新党大地」、「日本新党」、「共産党」ということになります。この点において、これらの党が共闘することになるでしょうが、リーダーとなるのは「未来の党」ですね。この選挙は、消費税反対、反原発、反TPPを掲げるこれらの党と、シロアリとアメリカの手先、談合三兄弟の自公民、およびその保管勢力としての「維新」との戦いということですね。一般国民の立場からは、どちらを選ぶのかは自明だと思います。残念ながら、選挙体制が整わないうちに選挙に突入することになったので、未来の党と協力党(反原発、反消費税、反TPP)は多くても130 - 150 議席というところでしょう。このまま行けば、自公民、維新という増税、TPP、原発推進勢力がやはり政権を取ってしまう可能性が強い感じです。それを許せば、消費税は増税となりTPPで日本の市場が食い荒らされ、社会福祉は削られ、生活はますます苦しくなることになるのではないかと危惧します。
大体、「小沢さんが会ってくれない」と泣き言を言って、政権を投げ出したような人間が、またまた総理になりたいと未練たらしく出てくるというのは、どうなのか。病気だったと理由だそうですけど、一億の国民生活を担っている人間が、病気や小沢氏に責任を転嫁して職務を投げ出したことには違いないわけです。どんな理由があるにせよ、結果を出してナンボというのがプロの世界でしょう。総裁選を見ていて自民党に人材がいないのはわかりますけど、自民党を選ぶ人は、このタカ派らしい勇ましい人が、ちょっとうまくいかなくなると、また誰かか病気のせいにして政権を投げ出す可能性が高いことを考えてから投票すべきでしょう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Edge God Out

2012-12-04 | Weblog
ちょっと前の話ですが、PLOのアラファト議長の遺品(病衣)から毒性の強い放射性ポロニウムが検出されたことから、アラファトの死因が毒殺である可能性を調べるために、遺体を掘り起こして検査をすることになったとニュース。例によって、詳細な経緯がマスコミの報道からは省かれているので、そもそも誰が最初にアラファトの遺品を調べたのかとか、調査の主体は誰なのかとか、よくわかりません。確か数年前も、イギリスに亡命した元KGBのスパイが毒殺されましたが、同じ放射性物質(ポロニウム210)を使ったものだったように思います。この放射性同位元素はアルファ線を主に出すので、なんらかの偶然でたまたま検出されたとは思えませんから、調査した方は、アラファト議長がKGBスパイと同じ手口で毒殺された可能性を想定して最初から毒殺の証拠を得ようとして調査したものと思われます。またポロニウムは、自然界には極微量にしか存在しないものなので、この毒物を致死量準備できるような施設を持つ組織(国)が毒殺を主導したということでしょう。となると、暗殺者は多分、イスラエルだろうということになりますね。
パレスティナはつい先日、国連から国家へ格上げが認められましたが、イスラエルは「関係ない」とガザへの入植を強行、この半月で少なくとも、50数名の死者と500名以上の負傷者がパレスティナ人にでています。一方、パレスティナにも、イスラム原理派のハマスと現PLO主流派のファタハとの主導権争いという内部分裂という問題があります。イスラエルがパレスティナを壊滅させようとしてきているのに、内部抗争している場合ではないのではないか、と外からみると思うのですけど、日本でも、革マル、中核の抗争とか、日本赤軍の内ゲバとかありましたから、こういうものは人間のエゴゆえで無くなることはないのでしょうね。

領土問題など、エゴの問題に他ならない、そんな気がしますね。イスラエルが彼の地に建国を決意して、ユダヤ人を集めパレスティナ人を追い出そうとするのも、ヨーロッパ人がアメリカ大陸へ移り住み原住民を虐殺したのも、そうしないと、ユダヤ国家ができない、あるいは、そうしないと苦しい生活から抜け出せない、という欲望からです。そのためにはアラブ人でもアメリカ原住民でも殺すのはやむを得ない、そういう理屈があります。自分や自分の家族や自分の国家のためには、他の国へ侵攻し、他国の人間を殺すもの当然の権利である、生きるためには食わねばならない、自分の命を生かすために他の命を犠牲にするのはやむを得ない、ということです。

拡大解釈すると、世の中の全てはこの理屈で回っています。例えば、マスコミ各社が小沢氏や今度の「未来の党」を攻撃するのも、彼らが力を持てば、記者クラブや不公平な電波法、再販制度などの利権を享受して来たマスコミ自身が危険に晒されるからでしょう。それを防ぐためには、捏造報道、変更報道も当然の手段であると彼らは考えているのでしょう。ならば、彼らのような力のない9割以上を占める一般国民はどうすればよいのか。
力のないものが抵抗するためには団結する必要があります。個人のエゴをとりあえず置いておいてより大きな目的のために団結することが必要だと思います。

「日本未来の党」に党の骨格と筋肉を与えることになった「国民の生活が第一」党の解党と合流において、小沢氏は代表も役職も求めることなく、もう一度の真の政権交代のためを考えて行動しているように見えます。大義の実現のために自らエゴを捨てることによって人々は団結しようとするのではないでしょうか。それに比べて、マスコミや自公民や維新の連中のエゴの醜いことは正視するに耐えませんね。EGOとは"Edge God Out"の頭文字なのだそうです。エゴは偉大なるものの存在を否定します。自分自身の中にある「神」を追い出してしまいます。

最後に、田中良紹さんのコラムに今回の選挙の本質が書かれているので、リンクしておきます。

何のために国民が投票に行かなければならないかと言えば、民自公3党が協力して消費増税法案を可決させたからである。協力の条件が「国民に信を問う」であった。だから国民に問われているのは消費増税の是非と3党合意に対する信任である。本筋はそういう話である。
本筋から導き出される選挙の構図は、民主党、国民新党、自民党、公明党という消費増税賛成勢力vs反対した政党との戦いである。前者が選挙で過半数を獲得すれば国民は消費増税を認め、3党合意を支持した事になる。後者が過半数を得れば消費増税は廃止される。それが本筋である。


原発ももちろん争点ですが、自公民の増税、談合三兄弟を信任するかしないかという選挙であることを考えておくべきであろうとおもいます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする