百醜千拙草

何とかやっています

Blockchain

2016-08-30 | Weblog
リオ五輪閉会式で2020年東京五輪の大会組織委員会が安倍晋三首相をサプライズ登場させた約8分間のアトラクションが話題を呼んだが、費用は9月のリオ・パラリンピックでも予定する演出と合わせ、約12億円となる見通しであることが26日、分かった。

今回だけで12億ですか。果たして。その金は誰に流れていのですかね。デxツー、オリンピックがらみでは評判悪いですな。開催地選びに時にもIOC関係者のコンサルタントに2億あまりを支払い、収賄ということでフランスとシンガポール当局がかなり真剣に捜査中とのこと。東京オリンピックが中止になるのなら、その返上は早ければ早いほど、傷が少なくて済むと思います。しかも、予定のコストは当初の何倍にも膨れ上がっています。その理由は、利権にぶら下がりたい連中が寄ってくるからでしょう。全く不必要な茶番に12億使っても、どうせ国民のカネだし、なくなりゃ日銀に国債をどんどん買わせりゃ良い。破綻するのは目に目ているが、それまでにせっせと蓄財して、破綻したら国民は見捨てて逃げ出せば良い、周りの連中がみんなやっていることだからやらなきゃソンだ、とでも思うっているのでしょうな。

そういう連中のおかげで、国のGDPはゼロ成長なのに、支出はどんどん増えます。そして、公共事業費、3年連続6兆円超 17年度予算の概算要求、というニュース。

概算要求総額は6兆6654億円。内訳は、災害発生に備えた道路の整備や補強対策など「災害時の人流・物流の確保」に5437億円、老朽化したインフラの維持管理などに4612億円を要求する。また、戦略的なインフラ整備として環状道路の整備など「物流ネットワークの強化」に2974億円、「国際コンテナ戦略港湾などの機能強化」に961億円を盛り込む。さらに、2020年に訪日客4千万人をめざす政府方針に合わせて、観光関連予算の要求を拡大する。大型クルーズ船受け入れの環境整備や観光案内所などの施設整備で294億円を要求する。そのほか、尖閣諸島周辺の領海などにおける中国公船の侵入に対応しようと、巡視船や航空機の整備など「海上保安体制の構築」で450億円を求める。


いろいろ適当な理由がついていますが、そもそもカネもないのに、毎年、公共事業を拡大し、外国にカネをばら撒き、バカバカしいコスプレに12億使う、というのは、どういうことか。すでに破綻しかかった財政を大量の国債を日銀が刷り散らかしたカネで買うというイカサマでしのいでいる状況なのだから、そのうちベネズエラやギリシャのようになり、一般国民の生活が困窮するのが目に見えているわけです。にもかかわらず、このバカ路線を突き進むということは、破綻させることを規定路線に政府は計画しているということでしょう。

経済が破綻した時に、通貨が価値を失い、ハイパーインフレとなり、生活に必要なものが手に入りにくくなります。我々の身を守るためには、日銀券に代わる価値の安定したものを使う必要が出てくるかも知れません。金とか貴金属は比較的わかりやすいですが、利用者が広がれば、ビットコインのようなものの方が良いだろうと思います。

つまり、日銀券という紙切れが信用を失う可能性が高いのは、日銀がいくらでも刷りまくることができるからです。一方、ビットコインや金や貴金属が比較的安定なのは、その流通量が中央銀行や政府の一部の人間の意志でコントロールできないからです。

ビットコインに限らず、価値あるものがインターネット上でやりとりされる場合に、最も重要なことは、対価が支払った方から支払われた方へ移動することです。もし払う方がいくらでも「金」を刷ることができるのなら、やりとりは成り立ちません。インターネット上で、価値が確実に移動することを可能にするテクノロジー「Blockchain」が、最近のTED talkでわかりやすく説明されていました。

近年、インターネットを通じて、仲介業者をスキップして、サービスを供給する側と受ける側が直接つながることができるようになってきました。その取引をビットコインなど価値の安定したもので行うことで、現代資本主義が生む様々な悪害を減らせていくことができるようになるかも知れません。金のために命を削るような生き方をするのは本末転倒というものです。

TED talk でのDon Tapscottの話はビットコインの理解のみならず、価値をやりとりすることとはどういうことかを考えるのに大変役立つと思います。同時に、日本政府と日銀がやっているバカげた金融政策がいかに金融システムの「信頼を失う」かが実感できるのではないかと思います。ご一聴ください。

TED talk(6・2016)
Don Tapscott: How the blockchain is changing money and business
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

わきまえない

2016-08-26 | Weblog
この話には触れないつもりでしたが、ガーディアン紙の記事を紹介してあったの見たので。

本職でもないのに、オリンピックで、イタリア人配管工の格好をしているアベシンゾーという人は誰?  ー 日本の首相。
なぜこんな真似をしたのかは置いといて、どんな風? ー 最高に居心地が悪い。
一般化するようで悪いが、日本はヘン。2012のロンドンオリンピック開会式で女王がパラシュート降下したほどではないにしても。

オリンピックはスポーツの祭典であり、政治に利用されるべきではない、とオリンピック憲章にあります。開会宣言をしたベルリンオリンピックをヒトラーが「アーリア民族の優秀性と自分自身の権力を世界中に見せつける絶好の機会と位置づけ」政治的に利用し、その後の第二次世界大戦へと繋がったいう反省があるからでしょう。もちろん、現実はオリンピックが政治利用されなかったことはなかったわけですが、今回のように露骨に閉会式に時期開会国の首相がしゃしゃり出るというようなハシタないことは、ヒトラー以来どの国もしたことがないのです。海外の人はテロップが出るまで、この人が誰か知らない人が多かったのが、不幸中の幸い。しかし、日本国内で、アベ氏のヒトラー化を懸念している人々にとっては気分の悪いものだったでしょう。加えて、いつものように巨額の無駄遣い。クレヨンしんちゃんの本を経費で買ったと言って叩かれた人など可愛いものですな。

かっちの言い分から

安倍首相が、1回4000万円位かかる600人程乗れる政府専用機B747で、リオに何しに行くのかと思っていた。、、、
蓋を開けてみれば、スーパーマリオの縫いぐるみを来ての登場であった。その映像の中で、国会を背景として、専用車の中でドヤ顔をして映し出されたのには幻滅した。いくら、オリンピックのための演出とは言え、アニメストーリの演出に乗るということは、一国の長としていかがなものか?このアイデアは森元首相の勧めという。このパフォーマンスを見て、二階氏が記者の質問に、安倍首相は東京オリンピックまで首相でいる気だと言い切った。


党則を変えて、2018年の任期終了を延長して、オリンピックまで首相をやらせるつもりのようです。悪夢です。自民党内部でも、首相の任期延長について「率直に言ってなぜ今なのか分からない。急いで議論すべきことがそれか」という声。野党が全然ダメな今の状況では、党内で降ろしてもらうしかありません。

この件に関しての植草教授の意見。国威発揚五輪とあべさまのNHKはどちらもいらない

このオリンピックについて、NHKが仰天解説した。
、、、「ビックリ仰天した視聴者も多かっただろう。21日のNHKの番組「おはよう日本」。オリンピックを扱ったコーナーで、「五輪開催5つのメリット」としてナント! 「国威発揚」を挙げていたからだ。」
「おはよう日本」に登場した刈谷富士雄解説委員は、「何のためにオリンピックを開くのか。その国、都市にとって何のメリットがあるのか」と投げ掛け、五輪のメリットとして真っ先に「国威発揚」を示したのである。
『日刊ゲンダイ』が指摘するように、この見解は、オリンピック精神の根本原則を示す「オリンピック憲章」の考え方の真逆のものである。


ちなみに、そのNHKの番組で5つメリットとして挙げられたのは、国威発揚に加えて、国際的存在感、経済効果、都市開発、スポーツ文化の定着だそうで、何を言っているのか、と呆れました。国際的存在感と国威発揚とはほぼ同義でしょう。建前上はそれを言ってはならないものです。経済効果、都市開発においては、何がメリットなのか全く不明です。デメリットなら思い浮かびます。アテネオリンピック後のギリシャ経済を引き合いに出すまでもなく、オリンピックをすれば、借金を背負う上に、再利用の困難な施設が大きな負担になって、貧乏になるのが常識です。全く利用されずに雑草だらけになったアテネオリンピック会場跡を見ましたが、悲惨なものです。

アベ氏の無駄遣いと悪ふざけにそこまで目くじらをたてることはあるまい、という意見もあるでしょう。しかし、彼は権力者であり、権力者であるからこそわきまえておかないといけない振る舞い方というのがあるはずです。ま、おそらく、彼以外の人間だと「わきまえてしまう」ので、わざわざ彼に首相を長期にやらせたいという連中がいるのでしょうが。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

建前の裏

2016-08-23 | Weblog
いつまでも駆け出しのつもりでいたら、知らぬ間に友人たちは出世し、若手の特典もすっかりなくなり、自分は10年前と変わらない毎日なのに、外部からはいつまでもウダツの上がらないヤツという目で見られるようになってしまいました。私の母の住む田舎は古い小さな城下町で、古い商家だった建物があり、そういう家にはいまだに「ウダツ」が残っております。それを見ながら、ウダツなど単なる見栄だわナ、といじけた気持ちになったこともありました。が、もうそんな気持ちもすっかりなくなり、ま、楽しい毎日です。

とはいうものの、家族を養う身であれば、ウダツの高さは別にして、研究するのも渡世のシノギ、それなりの立場を確保していかねばなりません。
あいにく現在は、研究費にしても一流紙の紙面にしても、奪い合うものであり、資本主義の原理により金持ちはより金持ちになり、権力者はより強い権力を得ていくわけで、そんな中で「フェア」な競争など最初からありえないわけで、建前と本音をうまく使い分けながら、世の中をうまく渡っていくのも研究者の才覚だと、明言はしなくても多くの人は思っていることでしょう。(そういうことを堂々というと、ハシタナイですからね)

そこで、弱者は弱者なりの知恵を出して生き残りを図り、野党共闘みたいなことが起こります。少数の立場の弱い研究者が独立分断していては、強者のモノポリーは止まらず格差は広がりdiversityは失われるということで、立場の弱い研究者同士が互助的に協調して勢力を保つわけです。もちろん互助活動は、研究協力のような明朗なものから、そうとは言い難いようなものものまであります。

ところが、これは、本来、弱者の生き残りのために行われていたわけですが、一部の互助グループが近年、かなりの勢力を拡大してきて、本来、アンフェアな競争に対抗する弱者の方策であったのに、今や逆にアンフェアに競争を支配せんばかりになりつつあり、結果として、立場の弱い本当の少数派はますます弱い立場に追いやられつつあるという状況に陥りつつあるように思います。

そうなると、建前ばかりに拘泥している場合ではなく、われわれにしても、何らかの身を守るための方策を考えなければならないわけです。フェアネスを望む弱者は、汚い手を使っても勝てば官軍だ、と思っているような連中とマトモにやりあっては勝負になりません。(一般国民と日本政府みたいなものですかね) 現在の厳しい研究環境の中では、いい研究をしていれば自然とカネはついてくると鷹揚に構えている場合ではなくなってきました。第一に、いい研究かどうかを決めるのはわれわれではないし、そもそもカネがなくてはいい研究などできないわけですから。

しかし、皆が、スレスレのことをやりだすと、ピア レビュー依存する科学活動のクオリティー チェックが働かなくなり、結局は科学界そのもののintegrityが損なわれることになってしまうでしょう。同じ業界で同じ研究基金によってサポートされているというだけで、コンフリクトがあるわけで、思うに、研究資金の分配や論文の評価はそもそもフェアに行うことは不可能です。多数がガマンできる程度が維持できれば良しとすべきなのでしょう。(55年体制時の自民党のような感じですかね)

実は、科学界のintegrityに関連して、しばらく前に開発された新しいゲノム編集技術、NgAgoのスキャンダルを話題にするつもりでしたが、時間となりましたので。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

経済崩壊を前提に

2016-08-19 | Weblog

出世の見込みもないのに、出世払いで借金を借り続けらたら、遠からず破綻します。問題はどういう形で破綻するかといういうことです。もちろん国民がツケを払うことになるのですが、被害は少ないに越したことはありません。

先日の東京新聞、社説。
GDPゼロ成長 いつまで道半ばなのか

 三年続くアベノミクスはあらためて効果が乏しいことを裏付けた形だ。四~六月期の実質国内総生産(GDP、速報値)は横ばいだった。「道半ば」でなく、誤った道を進んでいると気づくべきだ。
 一〇〇分の一秒を争うオリンピックの記録かと錯覚しかねない。GDPの伸び率(前期比)は物価変動の影響を除いた実質で0・048%。通常なら0・0%だが、わずかでもプラス成長を強調したいがためかと勘繰りたくもなる。
 年率換算では市場予測の0・7%増を下回る0・2%増。数字を取り繕ったところで実態はゼロ成長であり、政府が財政再建目標の前提としている「名目3%、実質で2%成長」には遠く及ばないのである。
 GDPの六割を占める個人消費が0・2%増と力強さに欠けるのが最大の要因だ。消費が伸びなければ企業は投資を手控える。設備投資は0・4%減と二期連続のマイナスだった。住宅投資は5・0%増と大きく伸びたが、マイナス金利政策の効果というよりは、消費税増税の延期が決まる前だったため増税を控えての駆け込み需要が大きかったとみるべきだろう。
 いずれにせよ、安倍政権が描いた経済の好循環、すなわち企業収益増→賃金増→消費増→企業の投資増は画餅に帰し、むしろ賃金の伸び悩みが消費低迷を招く負のスパイラル、悪循環に陥っている。
 アベノミクスは開始からじき三年半となるが、いまだ道半ばというのは根本的に間違っているためだ。異次元緩和も財政出動も景気を一時的に持ち上げるカンフル剤でしかない。基礎体力を付けないから、すぐに病気になるのに、一時しのぎのカンフル剤頼みを繰り返してきた。成長戦略で体力向上を図らねばならないが実態は官僚の作文だから効果が望めない。
 内部留保をためるばかりの企業経営者も問題だが、基本的に民間に任せるものは任せる方が官僚任せよりはましである。
 何より富める者をますます富ませれば問題解決するといった政策が決定的に間違っている。消費の中核を担う中間層を没落させ、格差拡大を助長するアベノミクスでは、人口減と少子高齢化に直面する日本経済を立て直すことは到底できまい。
 日銀は金融政策を総括的に検証し、現実離れした目標や限界のみえる政策を見直す。政府がなすべきはアベノミクスをこれ以上ふかすのではなく、誤った道を引き返す勇気を持つことである。


と正論。普通に考えれば小学生でも同じ結論に到達するでしょう。それをわかっていながら認めないのがアベ政権、なぜなら、認めたら辞めないといけないから。

それはともかく、この社説、経済のことは、税金で生きている官僚ではなく、実際に価値を創り出して経済を回している民間に任せろ、というのは一理あります。官僚は官僚組織の自己利益のために政策を決めるわけで、いかに(短期的に)税収が上がるかという点から経済政策を考えるので、しばしば、民間、一般人の不利益となるようなことをするわけですから。昔、「ワタシ作る人、ボク食べる人」というラーメンのCMがありましたが、金に関しては基本的に、民間は稼ぐ人、役人は使う人です。一般家庭では、稼いだ分に応じて使うのが破産しないコツです。使う人の都合で支出を勝手に決めるから財政破綻するわけです。当たり前です。その結果が、新規発行国債のほぼすべて、年80兆円もの規模で日銀が買わないと、必要経費が賄えない、という完全に破綻した状態になっているわけです。一般家庭では、この状態だと、身売り、自己破産、夜逃げ、などになるですが、国のことですから、身売りも夜逃げもできず、自己破産すれば、役人はみんな給料ゼロちゅーことで、当然政府はそんなことはしない。政府のやりそうなことは、借金で借金を返す自転車操業が破綻するギリギリまで引っ張った後、非常事態宣言が出せる戦争のような状況に持って行って、一気に借金をチャラにする、ということでしょう。その時に国民をコントロールするための法案というのが、緊急事態条項であり、政府はいざとなれば戦争を始めてドサクサ紛れに国民の資産を凍結し、経済をリセットすることを考えているのでしょう。そして、それに、かつて「平和の党」という名前で売っていた宗教政党が賛成しています。与党の権力にしがみつくために魂を売ってしまったとしか思えないのですけどね。ま、魂を売ってしまったのではもう助かりません。

日本の借金と累積GDPの比をこの地図で色々な国と比べてみてください。ダントツだと思います。例えば中国と比べてみると、GDPは中国の約半分しかないのに借金の額は中国の約5倍です。アメリカと比べても、GDPは約1/3なのに借金額は約2/3あります。借金/GDP比では経済大国の中では多分トップ。

しかし、豊かな生活をするために、給料が上がらなければならない、という直裁的な考えにも再考の余地があるのではないでしょうか。消費が上がらないから、経済が拡大しない、経済が拡大しないと、給料も上がらない、給料が上がらないから豊かに生活できない、という思考を止めて、消費しなくても豊かに暮らせるやり方を考えようという方向に大勢の人間の思考が変化すれば、経済成長なしでも幸せに暮らせる社会へと近づく一歩になるのではないかと思います。
なぜなら、経済成長はもう見込めないからです。経済成長しなくて最も困るのは役人でしょう。税収が減りますからね。だから人工的に、金融緩和、日銀が国債を買うというようなタコが自分の脚を食うようなことをして、とにかく金を回そうとするのです。

しかし、普通の人だったら、経済崩壊しても何とかやっていく道を探ることはできるのではないだろうかと思います。自分で食うものを作り、日銀発行の銀行券に頼らないで欲しいものを手に入れる地域流通システムを作り、金がなくても豊かな生活できる方法を考える。そういう人々に対して、政府は無力です。ない袖は振れないのですから。おそらくそのうち来る経済崩壊は避けられないと思います。資産は凍結され銀行からの引き出しが制限され、物資は不足して配給制になる、現実に世界各国で起こっていることです。そんな状況でも困らないようなシステムを作っていくことを考えるのは悪いことではないと思います。まずは食料の自給率の向上が第一だと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

死神に魅入られる

2016-08-16 | Weblog
終戦記念日とは言うものの、沖縄では戦争はまだ続行中です。本土では無条件降伏を受け入れ、サンフランシスコ条約で主権を回復したことになっていますが、結局、それは、沖縄をアメリカに差し出すこととの引き換えという「密約」に基づいたものでした。それから二十年、沖縄返還。しかし、これは、アベ氏の伯父、佐藤A作がノーベル平和賞となった「非核三原則」のウラで沖縄への核持込みを認める「密約」を交わして上でのこと。つまり、沖縄返還という形式を整えるために、実質、沖縄をアメリカ軍占領地として実効支配させるという取引をしたということでしょう。形式上は戦争は終わり、主権は回復し、沖縄は返還された、しかし、すべては表向きだけの話。その「形」をつけるために、現在も払わされている代償は大きく、最もそのしわ寄せを受けているのが沖縄だということだと思います。沖縄、それから一般国民に黙って、沖縄を差し出し、核の持込みも容認して、形だけ独立したように見せかける、「密約」とはすなわち、国民にウソをつくことであり、社会の根幹にあるべき「信頼」を損なう行為です。いろいろ言い訳もあるでしょうが、ウソで塗り固めるのも結局は、政権と政府役人の身を守るためということです。ま、ウソをつかない、正直な政治家というものはいないのですが。

沖縄高江での県民と地元住民の意思を無視しげ米軍ヘリパッド建設を強行する日本政府、相変わらず県外からの機動隊を動員してまでも、住民を力づくで排除して、工事を進めつつあります。何が悲しくて、占領軍の基地を国民の税金から出した金で作ってやって、そこに住んでいる日本国民の土地と権利を力づくで取り上げられないといけないのか。何とも、この売国政府の情けなさ。

対して、アメリカの退役軍人を中心とする市民団体が、開催中の総会で、日本政府の沖縄に対する差別行為、売国行為を「恥知らず」と糾弾。

 
【平安名純代・米国特約記者】全米120支部、8千人以上の会員を擁する米市民団体「ベテランズ・フォー・ピース(VFP)」は11日、米カリフォルニア大学バークレー校で第31回年次総会を開幕した。1月末に設立されたばかりのVFP琉球沖縄国際支部(VFP-ROCK)も初めて参加。ダグラス・ラミス会長は、「名護市辺野古の新基地建設と高江の二つの闘いを抱えた現状は厳しいが、この闘いに必ず勝つ」と述べ、総会を通じて米国で支援の輪を広げる意欲を示した。、、、、VFPのマイケル・マクファーソン事務局長は沖縄タイムスの取材に対し、米軍属の男による暴行殺人事件や新基地建設計画など在沖米軍基地を巡る問題への認識を示した上で、「われわれ一人一人が沖縄の問題とどう関われるかが問われている。自分の問題として捉えられれば支援の輪は広がる」と述べ、協力する姿勢を示した。


滅びの道をまっしぐらとしか思えない日本政府ですが、ちょっと前に四国の原発再稼働のニュースを見て、もう連中はすでに死んでいるのだ、そういう運命なのだと思いました。

時々、死神に魅入られたとしか言いようのない例を見ることがあります。一つ一つはそれほど重大に思えない事柄が順番にポツリポツリと起こるのですが、些細な事情で一つ一つの対応を誤り、結果、知らぬ間に取り返しのつかない状況に追い込まれていくというような例です。そういう例を後になって振り返れば、幾つかの判断の分岐点で、立ち止まってもう少し慎重にやっていたら異なった結果になっていたかも知れないというような反省点が見つかるものですが、現在進行形では、後から見れば当たり前のことでさえ分からず、なぜか次々に小さな悪手を連発して、着実に破滅に向けて進んでしまうのです。

おそらく、政府関係者であっても、個々の人間は、誰でも原発で処理のできない危険な廃棄物が大量生産されることは「よくないこと」であり、核燃料を大量に冷却保存しないといけない原発は危険なものであって、速やかに老朽化した原発は廃炉にして、核燃料の安全な保管方法を開発しないといけない、まずは処理法のない危険な核廃棄物を作らず、危険な原発の運転を中止しておくべきだと思っているだろうと思います。立ち止まって冷静に考えれば、誰でもそういう当たり前の結論に達するでしょう。しかし、その当たり前のことができず、我欲ににとらわれて、むしろ逆の判断をして、悪い方向へと着実に進んでしまうのが今の「死神に魅入られた」日本政府です。外から見れば、まさにキチガイ沙汰、愚かの極みなのですが。

続 壺 齋 閑 話、事故を気にしていたら原発ビジネスは成り立たぬ:伊方原発再稼動 から。

四国の伊方原発が再稼動した。九州の川内原発の二基に続いて、実質的には三基目の再稼動になる。先日鹿児島県知事になった人が川内原発停止の意向を強く示しているなかでもあり、また、伊方原発自体にも様々な問題が指摘されている中での再稼動とあって、どうみても無謀な見切り発車といわざるを得ない。

まず、伊方原発自体の問題点。この原発は南海トラフ地震が起きた場合の最前線に位置する、それに加えて先日九州の大地震を起こした断層帯が付近にまで伸びている。そうした事情を抱えたなかで、果たして巨大事故に耐えられるだけの万全の備えができているのか、かなりな疑問がもたれている。また、事故が起きた場合の非難計画のずさんさも指摘されている。この原発は、細長く伸びた佐田岬半島の付け根にあるが、その西側には5000人以上の人々が住んでいる。その大部分は65歳以上の老人たちだ。万が一原発が事故に見舞われたとき、この人たちが安全に非難できるのか、愛媛県の作成した計画を見る限りでは、まことに心もとないといわざるを得ない。

こうした懸念に対して愛媛県知事は、この原発は厳しい安全チェックをクリアしており、巨大事故が起こることはありえない。だから、安心して欲しいというような言い方をしている。しかしもしものことがある、というまっとうな疑問に対しては、そもそも起きるはずのないことを心配しても仕方がない、といって取り合おうとしない。

これは、一部の日本人に特有な、「都合の悪いことは起きて欲しくない、起きて欲しくないことは起きないことにしておこう、起きもしないことは想定する必要がない」、という理屈を反映したものだ。

このほか、この原発は、いわゆるMOX燃料を採用しているが、これについては最終処分の見通しもたっていない。これでは、某元首相がいったとおり便所のないマンションを売りつけるようなものだ。

こうした疑念に対して、事業者としての四国電力も、地元の愛媛県も、納得できる説明はしていない。そんな説明をし始めたら収拾がつかなくなると思っているからだろう。「事故を気にしていたら原発ビジネスは成り立たない」というわけか。、、、

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

秀才の人生

2016-08-12 | Weblog
変わりない日々が続いているようでも、着実に季節は移りつつあるのを朝晩の気温と朝の光に感じるようになりました。
研究の方も、やるべきことがわかっているものは着実に、何をやっていいのかわからないものは闇雲に、とにかく日々、手足と頭を動かすようにしています。そうやって、毎日、小さなことに一喜一憂しながら、やがて迎える最後の日まで歩き続けてこの世とサヨナラしたいと思っております (が、どうでしょう)。世の中には、病気やハンデで、頑張りたくても頑張ることが物理的にできない人や、諸般の事情で自分の意思に沿って生きることのできない人など、気の毒な人々が大勢おります。そういう人々のことを思うと、飢えるでも寒さに震えることもなく、小さなことを喜んだり悲しんだりできる生活を送れることは大変ありがたいことだと思います。

すぎりおのがんばったるねんで、著者のボス、George DaleyがHarvard Medical SchoolのDeanになるという話が取り上げられていました。この方はステムセル業界、がん研究業界では有名人で、私も触っている遺伝子の一つの働きを最初に明らかにした人です。ちょっと特徴のある話し方をする人で、誰かに似ているな、とずっと思っていたのですが、先日の訃報を聞いて、ああ、永六輔さんが英語を喋ったらこうなるのだ、と思いあたりました。実はとんでもない秀才で、Harvard、 MIT、Harvard Medicalと絵に描いたようなエリートコースを歩んできた人です。

それで、エリートコースとは全く無縁な私がいつも興味をもつことは、この方のようにエリートコースの真ん中をまっすぐに歩いてきたように見える人は、何を最終目標に生きているのたのだろうか、ということです。がん医学研究に情熱があったのは間違いないと思います。そしてハイインパクトの仕事を連発し、サイエンティストとしてステムセル、がん業界でのトップリーダーとしての地位を確立しました。その地位を得るための道筋はおそらくHarvard collegeの学生だった頃から描いてあったのであろうと思います。つまり、思うに、何十年をかけて、医学研究者としての地位を確立するというプロジェクトに取り組んできた人なのだろうと思うのです。これは、現在、ボストン界隈でのトップ サイエンティストの多くの人に当てはまるパターンだと思います。

対して、この業界にいる残り9割以上のの人間は、多分、若い時に明確な目標を持たずに、成り行きで生きてきた私のようなタイプであろうと思います。どちらが幸せかという議論をするつもりはないのですが、優秀な頭脳を持ち、何十年もその目標に向けてコツコツと努力を積み重ねてきた人と、標準の頭で、普通に成り行き任せで生きてきて、時には自分探しの旅に出てしまったりするような人間とは、目標達成という点で大きな差がつくのは当然です。

秀才や天才の頭の中身を覗いてみたいと時折思います。こうして長年の努力の結果として得ようとしているものは、結局は何なのでしょうか。研究によって分からないことを理解するという喜びでしょうか。あるいは、地位とか名誉なのでしょうか、それともそれについてくる多少の金でしょうか。Harvardに行ってMIT経由でHarvard Medicalに帰ってくるような人ですから、地位とか名誉とか金とかが嫌いではないはずですが、こういったエリート一直線の人にとって、研究というのはそうしたものを手に入れるための手段なのでしょうか?

ふと、そう思ったのは、その医学研究者としての大成功者が、今度はDeanという役職について、研究グループを縮小して研究へのエフォートを下げるという話だったからです。研究界での成功は達成したから、次の新たな目標に向けて方針を変えたということでしょうか。そうして次のまた次の目標に向けて努力を積み重ねていくのでしょうか。

私といえば、頭の出来や学歴から見ても、George Daleyをお手本にするのはムリです。しかし、自分でコントロールできるサイズのプロジェクトに直接関わって、データを見ては一喜一憂するという「ささやか」な日々に十分、幸福を感じております。成功したとはとっても言えませんが、私なりにはOKです。資金が切れて続けられなくなったら、それもまたOKというゆる〜いスタンスでやってます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

やがて本土でも起こること

2016-08-09 | Weblog
瓢箪から駒のようなプロジェクトが結構、面白い話にまとまりそうになってきています。これからラストスパートという段階なのに、事情で人がいないのが辛いです。しかし、振り返れば、いろいろな偶然が重なって結果で、大変感慨深いです。明らかにこれは私の実力ではなく、数多の偶然と幸運の結果です。このプロジェクトは資金が尽きかけている時に転がってきた話で、マウスも一発射つのが精一杯、もし一発で成功しなければ、ハイそれまでよ、という博打的状況で始めたものだったのです。おそらく、私のコントリビューションで最も大きいものは、その決断だっただろうと思います。まだ最後の追い込みに力を注がないといけないので、振り返って感慨にふけっている場合ではないですし、実は研究費申請書の準備という最も重要な仕事を並行して進めないといけないので、まだまだプレッシャーの多い日々です。

さて、参院選が終わり、政府の強権的行動がますます目に余るようになってきました。政府に誠実さとか思いやりとかを求めても詮無いことなのは当然なのですが、政府の沖縄に対する行動には心の底からの怒りと悲しみを覚えます。

東京新聞、辺野古問題 早期結審を要求 政権「本音」あらわ から。
沖縄県の基地問題は、参院選が終わった途端、政府の強硬姿勢に拍車が掛かってきた。、、、
ほかにも沖縄振興予算の減額を示唆したり、反対運動を排除して米軍施設工事に踏み切ったりするなど、しばらくは動きを控えてきた建設計画を進めたい本音を隠さなくなってきた。 、、、
 政府と県は三月、乱立していた新基地建設計画にかかわる訴訟をすべて取り下げ、新たな訴訟で争うと同時に判決確定まで「円満解決に向けた協議を行う」ことで和解した。、、、、参院選で新基地反対の民意があらためて鮮明になったにもかかわらず、政府は投開票から約二週間後の七月二十二日、話し合いの継続を求める翁長氏を提訴。さらに、地元住民らの反対運動で止まっていた県北部の米軍施設建設を同日再開した。、、、、安倍晋三首相は基地問題を抱える沖縄に対し「県民に寄り添う」と配慮の姿勢を見せてきた。だが、参院選が終わり、政府高官は「沖縄問題は建前が多すぎた。今後は本音でいく」と明言した。


田中龍作ジャーナルから。【沖縄・高江発】 オスプレイ阻むテントは守られた 住民減る週明けに再び危機 
沖縄、高江での政府の横暴に対しての島民と支援者の講義行動を伝えています。
前夜(5日夕)、テント前で建設反対集会が開かれ、沖縄県内外から1千人以上が結集した。参加者の大半は車やテントなどで夜を明かし、現場に残った。警察は大人数が残っていることを当然知っている。
7月22日にあった強制排除・第1弾のようにはいかない。ゴボウ抜きは機動隊3人で、住民1人を抱える。それが500人以上もいたら、まず不可能だ。土日が終われば、オスプレイ用ヘリパッドの建設に反対する人々の多くは現場から去る。機動隊と防衛局は、それを見計らって強制排除に乗り出すとの見方が有力だ。、、、
読者の皆様。沖縄で今起きていることは、いずれ本土で起きることです。マスコミが報道しない惨状を伝えるために赤字を覚悟で足を伸ばしました。ご支援、何とぞ宜しくお願い致します。


そして、危惧した通り、週明け、機動隊は、道路を無法に閉鎖して、一般車両を排除した上で、座り込む抗議者を力ずくで排除。

抗議の住民・市民と機動隊との間で激しい揉み合いとなる場面も見られた。「アンタたちは誰を守ってるんだ?」「売国奴アベのために働いてどうするんだ?」・・・機動隊員に罵声が浴びせられた。
憲法22条で保証された「移動の自由」を妨げる、道路交通法の何条にあたるのかも分からない道路封鎖が公然と行われる。それが高江だ。憲法も法律もあったものではない。警察を動かす官邸がその時々に勝手にルールを作って運用するのである。 自民党改憲草案のうち最も危険とされる「緊急事態条項」。その先取りが今、沖縄で実施されている


また、先週末、アベ氏夫人が抗議活動中のテントを訪問したという話。

首相夫人が高江訪問 着陸帯反対の市民ら戸惑い 
今回の訪問は、昭恵さんが高江のヘリパッド問題などを描いた映画「標的の村」を鑑賞したことをきっかけに「現場を見たい」と三宅さんへ相談したことがきっかけ。、、、
沖縄平和運動センター大城悟事務局長は、昭恵さんが基地建設を強行している首相の夫人であることから「一国民とは違う。『見たいから来ました』というのは人として疑う。県民の反対する声を聞いて総理に沖縄の現状を伝えるなら良いが、そうはならないだろう」と否定的な見方を示した。


その後、全国紙もこの事件を取り上げました
 、、、(アベ夫人は)FBで、訪問の理由について「対立、分離した世の中を愛と調和の世界にしていくための私なりの第一歩」と説明。安倍晋三首相に訪問することを事前には伝えなかったとも記した。、、、、
 抗議活動のリーダー的な立場の山城博治さんは昭恵夫人の訪問に関し「愛と調和と言うのなら、機動隊による暴力行為をやめさせるよう首相に求めてほしい」と注文を付けた。


果たして、アベ夫人の真意は何なのでしょう。アリバイ作りなのか、あるいは良心に目覚めたのか。今のところ、誠実さのない政府のウソつき首相の夫人という目で見られているせいか、この行動は懐疑的にしか捉えられていですが、いわゆる「蜂の一刺し」みたいになってくれたらいいのですけどね。

アメリカでは、退役軍人が中心となった市民団体が、今回の日本政府の蛮行を強く非難、今週の集会で高江のヘリパッド強行工事の中止を求める緊急決議案が審議される予定とのこと。

<米軍ヘリパッド>米団体が非難決議審議へ 「恥ずべき差別的行為
 同決議案を提案するのは、VFPの琉球沖縄国際支部(ダグラス・ラミス会長)。決議案は、新基地建設計画に反対する候補者が勝利した参院選の翌日に日本政府が高江の工事を強行着工したのは、「沖縄の民意は重要ではないとの明確なメッセージ」と指摘。約800人の機動隊員を動員して抗議する住民らを排除したのを受け「日本政府が沖縄を植民地と捉えていると再確認した」と述べ、「われわれ元米兵は、米軍が沖縄の人々に対するあからさまな差別待遇に加担していることを恥じ、激しい怒りを感じている」と批判した。
 そのうえで、同問題を解決するには、米政府が「米国はこの恥ずべき反民主的で差別的な行為に加担しない。米国は新基地を望まない」と日本に伝え、高江と辺野古の新基地建設計画を放棄するよう促している。


ウソつきの上に傲慢、思いやりと誠実さのカケラもない無法政権。返還の約束も、辺野古移設の合意条件も、誠意を持って協議するという合意も破ってきた政府の本音は、法律も合意も無視して、沖縄一県に、米軍基地を永久的に押し付け、対米隷属での利益は政権と中央官僚が享受したい、ということでしょう。現政権、一言で言えば、クズです。でもそのクズが力を握っているのです。

数年前の村上春樹さんのイスラエルでの「高くて硬い壁と、壁にぶつかって割れてしまう卵があるときには、私は常に卵の側に立つ」という演説を思い出しました。

私たちは皆、国家や民族や宗教を越えた、独立した人間という存在なのです。私たちは、“システム”と呼ばれる、高くて硬い壁に直面している壊れやすい卵です。誰がどう見ても、私たちが勝てる希望はありません。壁はあまりに高く、あまりに強く、そしてあまりにも冷たい。しかし、もし私たちが少しでも勝てる希望があるとすれば、それは皆が(自分も他人もが)持つ魂が、かけがえのない、とり替えることができないものであると信じ、そしてその魂を一つにあわせたときの暖かさによってもたらされるものであると信じています。

沖縄の側に立ちましょう。それは沖縄のためではなく、われわれ自身のためです。なぜなら、田中龍作さんも描かれているように、今、沖縄で起こっている国家の横暴は、放っておくと、やがて本土の国民にも間違いなく起こることだからです。国家の権力によって、無理やり自分の財産や家族や命まd奪われることになるでしょう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

汚いものをどうするか -2

2016-08-05 | Weblog
日本もどんどん右翼化し、強権的に国民支配を強めつつあります。国民総背番号制が始まり、国民の資産は国の監視下に置かれ、増税と福祉の切り捨てによって、生かさぬように殺さぬように経済的に管理し、危機感を煽って「この道しかない」と破滅の戦争を最後の希望に持つように若者を誘導しようとしているように見えます。政財官のトップでは戦争は既定路線という話も聞いたことがあります。扇動はナチに見習い、戦争の誘発はルーズベルトに見習えということでしょうか。

ま、茶番の都知事選も終わり、立候補の際の自民党都連との対立を利用し、散々、自民党ではないワタシを演出したり、都議会を冒頭解散するとかできもしないハッタリを言って都民を扇動して当選した新都知事、当選するや否や、都議会、自民党への態度をコロっと変えて、仲良くやりましょうでは、そりゃ自民党都連、都議会は怒るでしょう。ま、都議会や政権与党と対立しては何もできないのは当たり前、でも選挙前の話と随分違いますな。選挙前と選挙後で言うことが全く逆になるのは、これは政治家のお家芸ですね。「TPP絶対反対、自民党ウソつかない」というポスターを貼りまくって、選挙に勝ったとたん「アレはウソでした」とTPP前のめり。シロアリ官僚を退治して消費税増税はしない、といったドジョウ、すっかりシロアリに丸め込まれて、消費税増税を決定しました。ウソがないところがあるとすれば、それは彼らは「真性のウソつきである」という一点に尽きると言えるでしょう。私、誠実さのない行為、ウソをつくという行為に、なぜかもっとも怒りを覚えるのです。モーゼの十戒の中にも、殺してはならない、姦淫してはならない、盗んではならない、隣人を貪ってはならない、と並んでウソをついてはならない、とあります。大昔から、ウソをつかないことは、人間としてのdecencyに必要な資質の一つなのです。ウソをつく人、特に自己利益のためにウソをつく人は、醜い、汚いと思ってしまいます。

それで、汚いものは嫌だなあと思いながら、今朝、自分の顔を洗おうとして鏡を見ると、自分の顔が汚いないのが気になってしまいました。シワやシミが増え、肌にもハリがありません。白髪もチラホラ混じった髪の毛もみっともないです。汚いのは顔だけではありませんでした。筋肉は落ち、皮膚はたるみだしています。それと同時に、この肉体と死ぬまで付き合わなければならないし、これからこの肉体に色々と苦しまされることにもなるのだろうな、と思いました。

ならば、汚いものの存在を否定し続けるわけにはいきません。それが自分の身なのであれば死ぬまでの付き合いです。汚くても、だましだまし、良い点を探しながら、折り合いをつけていかなければ、今度は心がやられてしまいます。

政治家が嘘をつくのは、仕方がない、汚いものしか政治はできないのだ、とまずは広い気持ちを持って、理解する。その上で、彼らと敵対するのではなく、我々の権利を如何にして守っていくかを考えるというやり方をしないといけないのでしょうね。顔のシミやシワが気に入らずに、フェイスリフトをしたりレーザーをやったりしても、それは一時的なものに過ぎないのと同様、クーデターや政権交代みたいなものを通じて一気に改革をしようとしてもやはりうまくいきません。トップダウンで改革を望むのではなく、われわれ自身が自分の身を自分で守り、政府とはそれなりに付き合いながらもその政策に大きく影響されなくてすむような力をつけていくしかないような気がします。残念ながら、他人を変えることができないように、この国の支配は役人が中心となっており、いくら政治家を変えてもその中枢を変えることはできないですし。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

汚いものをどうするか

2016-08-01 | Weblog
いやー、それにしても権力争いの汚らしさ、醜さ、選挙の度につくづく、感じますな。
週刊誌が野党連立候補の根も葉もないようなうわさ話を選挙直前を狙って書き立てるのですからね。例によって、永田町二丁目あたりからデXツー経由で指示がいったのでしょうかね。それにしても余りに露骨な選挙妨害。
政権交代前の選挙で、当時の民主党代表の小沢氏を狙って検察が立件し、マスコミが散々に印象操作した事件を思い出させます。こういう権力の手下になって謀略に加担し、他人を貶める記事を垂れ流して得たカネで生活するというのはどういう気持ちなのでしょう。ま、マスコミや週刊誌が全て悪いわけではありません。彼らは、政権、広告主に命綱を握られて、生きていくためには汚い仕事を引き受けざるを得ないのです。

私、最近は、日本でも海外でも、政治の話を聞くと虫酸が走るようになりました。
若者が政治に興味を示さない、選挙に行かない、と嘆く大人がおりますが、あるいは、若者にしたら、これは非常に理にかなった行動なのかも知れません。人間、誰でも汚いものや醜いものは嫌いです。日本の政治家と政府がやっていることを見て、顔を背けたくなる気持ちも分かります。たとえその結果、アベ政権のようなものさばらせる結果になって、最後に自分の身に不自由が起きることになっても、限られた人生の時間を汚いものと戦うことに費やすことに意義を感じない、と思う人も少なくないでしょう。

東京都の利権というものは莫大です。予算規模はスウェーデンの国家予算に匹敵する約13兆億円、都道府県で唯一、国からの交付金を受けず予算の使い方に国の制約もない。都知事になりたいという人間の動機は多くはソレでしょう。そして、国民のために都政を改革するよりも、役人の言うように適当にやっているのが一番ラクで得なのです。それで、仕事は役人に丸投げし、都民には仕事をしているフリをして、豪華な外遊したり、経費でバケーションに行ったり、と放蕩に耽ることになるのです。それをやりすぎて、役人がこっそり貯めた埋蔵金までに手をつけようとまですると、誰かさんのように追い出されるわけですが。

現職与党の国会議員でありながら、党の意思を振り切って、早々と立候補を表明した人、機を見るに敏というか、あまりに露骨というか、非常にわかりやすいですな。カネと力を指向する巨大なエゴ。結局、前任者、前々任者、前々々任者と同じことになるでしょう。「組織、政党の支援を抜きに、一票が集まればこんな大きなうねりになるんだと感動した」と振り返ったらしいですが、よくも言えたものです。まさか本当にそう思っているのではないでしょうね。

慶應義塾大学の金子勝氏のツイート。
小池百合子氏に当確が出た。初の女性知事誕生でなく、極右で新自由主義者で扇動家の都知事誕生である。ひどく下劣な選挙だった。鳥越候補の10数年前の女子大生「淫行」疑惑が週刊誌を通じて垂れ流されたが、内閣調査室が動いたという。
軍事オタクの核武装論者で移民排斥の新自由主義者の小池百合子氏が勝った。これから首都でトランプやボリス・ジョンソン並みのワイドショー型扇動政治が始まるだろう。
小池都知事が、早速公約を破り、冒頭都議会解散(そんなことできないけど)は止め、批判控えて議会と連携模索だそうだ。そして都に利権追及チームは設置するらしい。是非、小池氏の元秘書への裏金作り問題も説明してください。


ま、官僚政治から脱却できない以上、誰が政治家をやっても大差はないのかも知れません。というか、政、官、財、マスコミの複合体が彼らにとって都合の悪い人間は選挙に通さないようにしますし、仮に通っても、あの手この手で懐柔し、それがダメならマスコミでネガキャン、役人はサボタージュ、最後は検察などの国家権力が犯罪容疑をでっち上げて失脚を図ります。そういうレベルの大腸菌なみの力学で動いているのがこの国の政府です。

しかし、目の前で国家権力に蹂躙される国民の権利、人権を目の当たりにした時に、われわれはどうすべきなのでしょう。外国の話ではありません。沖縄、高江のヘリパッド建設、辺野古の米軍基地新設のことです。自己利益のために対米隷属を貫く官僚と政府与党が、沖縄一県にそのほとんどの負担を押し付け、県民の日本国民としての権利を侵害し続ける日本政府。県民の抗議活動を国家権力が力ずくで排除し、問答無用で、強引に米軍基地を恒久化しようとする日本政府。選挙は茶番、政治家は最初から相手側、政府の本性を最も良く知っているのが沖縄です。われわれにできることは何なのでしょうか。少なくとも、汚いものから単に顔を背けるのではなく、その現実を知って考えることはできるのではないだろうかと思っています。

山本太郎氏のブログの記事、「助けてください」から

今回、権力の暴走を受け、沖縄県議会は、海兵隊の訓練施設であるオスプレイヘリパッド建設は到底容認できるものではない、建設を直ちに中止するよう強く要請する、と言った内容の意見書を国に出している。
政府はスルー。
十分な住民との合意もないまま、選挙の結果さえも無視。
日本には民主主義なんて存在しないし、人権なんてありません、と工事を続けるのが、今の政府。、、、
「力を貸して貰えませんか?」
直接、あなたが、沖縄・高江に足を運んでくれませんか?本格的な搬入が行なわれる予定です。8月5・6・7・8・9日に。
広島・長崎の「原爆の日」周辺を利用して、高江の情報が、極力マスコミに流されない手法を取るようです。、、、
とにかく、多くの人が集まることでマスコミも、ニュースにしなければならない状況が生まれます。
(諸事情で、現場に行くことが難しい方は、無理をなさらず、情報拡散等で力をお貸し下さい)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする