この木曜日はアメリカは感謝祭です。感謝祭は、起源的にはイギリスから渡ってきた清教徒をアメリカ原住民が助けてくれて生き延びることができたことに感謝したことが由来となっているようです。しかし、現実は、その後の史実が示す通り、ヨーロッパからの移民による原住民の虐殺と略奪であったわけです。結果として、ヨーロッパ系移民がアメリカ大陸を乗っ取り、その結果として繁栄しました。アメリカは清教徒の入植から始まったキリスト教国家であり、清教徒はその名の示すとおり、排他的、差別的な傾向をもちます。現在もアメリカに根強く残る差別はその辺からきているのかもしれません。つい先日も、シカゴの白人警官が無実の黒人少年を蜂の巣にして殺した事件があり、大きなプロテストが起こりました。かつてアフリカ黒人を奴隷として、家畜同然に使っていたヨーロッパ人の傲慢さが残っているのでしょうか。
藤永茂さんはフランツ ファノンにの言葉を引いて、帝国主義に見られるような異常な残虐性や収奪への盲目の欲望を「ヨーロッパの心」と呼んでおられます。---コロンブス以来、西欧が自余の世界に加え続けた暴虐は全く桁外れの大きさです。それを産み出して来た、個人として、集団としての、人間の心を、私はファノンにならって、「ヨーロッパの心」と呼びたいと思うのです --- (良く生きる(VIVIR BIEN)から引用)
このヨーロッパの心はアメリカに引き継がれ、現在では、イスラエル建国以降とりわけひどくなった中東でのアメリカとNATOの悪行三昧(と言わせてもらいましょう)にその醜さが現れています。
きっこのブログ、アメリカもロシアもフランスもイギリスもみんなテロ国家では、中東で戦争の犠牲となっている一般市民のことが取り上げられていました。テロをダシにシリアを攻撃するNATO、アメリカ、もちろんその裏にいるイスラエルによって数十万という子供を含む一般市民が殺され、大勢の難民を生む結果となっています。フランスのテロの被害は大きく報道されるのに、その何千倍もの規模でなされているアメリカの中東での市民の虐殺の報道はわずかです。しかも、アメリカ、イスラエル、NATOのシリア侵攻の真の動機はスノーデンらの内部リークにもかかわらず、広く知られているとは言い難いです。ISIS (イスラム国)という過激派組織は、そもそもアメリカ、イギリスとイスラエルが作り、アサド政権を倒す目的でコッソリと支持してきたもので、そこにトルコが一枚、噛んでいます。ところがだんだんISISの制御が効かなくなってきて、そこでやむなくロシアが出てきてISISを制圧しようとしたということだと思います。つまり、ISISを本気でなんとかしようとしているのはシリアのアサド政権とロシアであり、ISISを口実の一つにシリアに介入してアサド政権を倒そうとしているアメリカ、イスラエル、トルコにとっては、建前上、ISISの制圧をしているフリをしているものの、ロシアがすんなりとISISを制圧してもらっては困るというのが本音なのでしょう。
アメリカでは、感謝祭にターキーを食べるわけですが、それに合わせたのように、トルコ(Turkey)が 、シリアでのテロ組織制圧に従事していたロシアの戦闘機を攻撃したというニュースがありました。「感謝祭ディナーはターキーを喰おう」とオバマと電話するプーチン、の風刺漫画が、早速、出回りました。
田中宇さんの記事「トルコの露軍機撃墜の背景」が配信されたので、一部転載。
結局、シリアで無実の人間が何十万と殺されて、大勢が難民化するのは、もとを正せば、醜い「ヨーロッパの心」ゆえであろうと思います。幼稚な力に頼った独善的な傲慢さだと思います。力を持つものが成熟して自制を覚え、弱いものをいたわる心をもつことでしか、中東の問題を解決できないだろうと私は思いますが、エルドアンやネタニヤフの顔を思い出すと、道のりは遠いな、という感じを否めません。
藤永茂さんはフランツ ファノンにの言葉を引いて、帝国主義に見られるような異常な残虐性や収奪への盲目の欲望を「ヨーロッパの心」と呼んでおられます。---コロンブス以来、西欧が自余の世界に加え続けた暴虐は全く桁外れの大きさです。それを産み出して来た、個人として、集団としての、人間の心を、私はファノンにならって、「ヨーロッパの心」と呼びたいと思うのです --- (良く生きる(VIVIR BIEN)から引用)
このヨーロッパの心はアメリカに引き継がれ、現在では、イスラエル建国以降とりわけひどくなった中東でのアメリカとNATOの悪行三昧(と言わせてもらいましょう)にその醜さが現れています。
きっこのブログ、アメリカもロシアもフランスもイギリスもみんなテロ国家では、中東で戦争の犠牲となっている一般市民のことが取り上げられていました。テロをダシにシリアを攻撃するNATO、アメリカ、もちろんその裏にいるイスラエルによって数十万という子供を含む一般市民が殺され、大勢の難民を生む結果となっています。フランスのテロの被害は大きく報道されるのに、その何千倍もの規模でなされているアメリカの中東での市民の虐殺の報道はわずかです。しかも、アメリカ、イスラエル、NATOのシリア侵攻の真の動機はスノーデンらの内部リークにもかかわらず、広く知られているとは言い難いです。ISIS (イスラム国)という過激派組織は、そもそもアメリカ、イギリスとイスラエルが作り、アサド政権を倒す目的でコッソリと支持してきたもので、そこにトルコが一枚、噛んでいます。ところがだんだんISISの制御が効かなくなってきて、そこでやむなくロシアが出てきてISISを制圧しようとしたということだと思います。つまり、ISISを本気でなんとかしようとしているのはシリアのアサド政権とロシアであり、ISISを口実の一つにシリアに介入してアサド政権を倒そうとしているアメリカ、イスラエル、トルコにとっては、建前上、ISISの制圧をしているフリをしているものの、ロシアがすんなりとISISを制圧してもらっては困るというのが本音なのでしょう。
アメリカでは、感謝祭にターキーを食べるわけですが、それに合わせたのように、トルコ(Turkey)が 、シリアでのテロ組織制圧に従事していたロシアの戦闘機を攻撃したというニュースがありました。「感謝祭ディナーはターキーを喰おう」とオバマと電話するプーチン、の風刺漫画が、早速、出回りました。
田中宇さんの記事「トルコの露軍機撃墜の背景」が配信されたので、一部転載。
、、、トルコが今回、露軍機を撃墜した真の理由は、シリア領内でトルコ政府(諜報機関)が支援してきたトルクメン人などの反アサド勢力(シリアの反政府勢力)を、露軍機が空爆して潰しかけていたからだった。トルコ側が露軍機に警告したのは「トルコの仲間(傀儡勢力)を爆撃するな」という意味だったので、空爆対象をテロ組織とみなす露軍機は、当然ながら、その警告を無視した。 、、、戦況がこのまま進むと、ISISやヌスラはトルコ国境沿いから排除され、トルコから支援を受けられなくなって弱体化し、退治されてしまう。トルコは、何としても国境の向こう側の傀儡地域(テロリストの巣窟)を守りたい。だから17秒間の領空侵犯を口実に露軍機を撃墜し、ロシアに警告した。 、、、トルコはシリア内戦で不利になり、かなり焦っている。 、、、ISISやアルカイダの創設・強化は米軍の功績が大きい。米国は、ISISやアルカイダを敵視するふりをして支援してきた。、、、だが、先日のパリのテロ以降、それまで米国のマッチポンプ的なテロ対策に同調していたフランスが本気でISISを退治する方に傾き、国際社会の全体が、ロシア主導のISIS退治に同調する傾向になっている。、、
結局、シリアで無実の人間が何十万と殺されて、大勢が難民化するのは、もとを正せば、醜い「ヨーロッパの心」ゆえであろうと思います。幼稚な力に頼った独善的な傲慢さだと思います。力を持つものが成熟して自制を覚え、弱いものをいたわる心をもつことでしか、中東の問題を解決できないだろうと私は思いますが、エルドアンやネタニヤフの顔を思い出すと、道のりは遠いな、という感じを否めません。