百醜千拙草

何とかやっています

A Lunatic State

2024-09-24 | Weblog
1980年代、イスラエルは内戦に乗じてレバノンに侵攻し、レバノン南部を占領し、パレスティナ人を排除しようとしました。それに対抗するために、二つの組織が合併してできた抵抗組織がヒズボラ(神の集団)です。「レバノンを帝国主義者と侵略者から解放する」と宣言し、1985年からの15年間、ヒズボラはイスラエルの占領軍と戦い、2000年についにイスラエルをレバノンから撤退させました。しかし、イスラエルはレバノン人捕虜の拘束、ゴラン高原近傍のレバノン領土の占拠を続けており、ヒズボラは活動を継続、やがて、ヒズボラはレバノンの主要な政治団体として活動するようになります。イスラエルに拘束されているレバノン人の人質解放を目指した活動が引き金になり、2006年、ヒズボラとイスラエルの戦争は再び勃発しました。そしてイスラエルは12,000人のレバノン人を殺し、そのうちの1/3は、やはり子供であったのでした。以来、レバノン南部とイスラエル北部の国境を挟んでの攻撃は継続しています。そして、2023年、ガザでのイスラエルのジェノサイドが本格化し、パレスティナ解放運動に連帯することは、ヒズボラの目標の大きな一部となっています。ヒズボラの活動はハマスとは関係がないと言うイスラエル擁護派もいますが、そんなことはありません。そもそもイスラエルがレバノンに侵攻しパレスティナ人迫害を行ったことがヒズボラを誕生させたのです。ハマスと同様、ヒズボラはイスラエルの不法占拠に対する抵抗勢力として生まれた集団ですが、政治勢力でもあります。しかし、帝国主義者やイスラエル寄りの西側メディアは、彼らを「テロリスト」と呼び続けてきました。ハマスやヒズボラの成立過程とイスラエルのやってきたこと見れば、イスラエルとヒズボラのどちらがテロリストなのかは自明でしょう。無差別に子供を殺しまくる「狂気の国」がテロリストでなくて何でしょう?

そして、先週、ネタニヤフがレバノンのヒズボラに対して攻撃を本格化すると宣言した翌日、ハンガリーでライセンス製造された台湾ブランドのページャーがレバノンで爆発し、死者が出たことが先週水曜日に報道されました。その翌日にはすでに製造が中止されている日本製のトランシーバーなども同様に爆発し、子供を含む市民の犠牲者がでています。ヒズボラがイスラエルに携帯電話を盗聴されるのを防ぐために導入した旧式の通信機器に、小型爆弾がどこかの流通経路で仕込まれたらしく、ヒズボラ、イラン、それから大手メディアはイスラエルのサボタージュであるとほぼ断定しました。どうもイスラエルは年余に渡りこれらの電子機器を仕入れて爆弾を仕込み今回のテロの準備をしてきたという話です。イスラエルは沈黙。世界のテロの裏にはCIAとモサドがいる、こういうのを撞着語法で「公然の秘密」というのでしょう。

今回のヒズボラを目標としたイスラエルの卑劣な無差別テロ、その後に続いたレバノン南部への無差別絨毯爆撃、そして、ガザの無差別攻撃をみても、ネタニヤフは狂っているとしか言いようがない。その狂人ネタニヤフは同様の精神構造を持つ一定の人々によってを支持されています。ちょうどヒトラーが大衆に支持されたように、彼を支持するイスラエル人も正気ではないのでしょう。

普通の理性と思考能力をもっていれば、見境なく周囲の国々にテロ攻撃を仕掛けるようなことがどのような結果を生むか、愚かな行いはやがて自分に返ってくるとこと、は分かるはずだと思うのです。気に入らない相手を一旦は、無理やり力でねじ伏せることができても、問題は、「その後」です。周りの国々を破壊し、数えきれぬ死体と人々の恨みの上に国家を建設して、永く平和に幸せに暮らせるとでも思っているのでしょうか?ネタニヤフが掲げるガザ再建計画は、中学二年生レベルの「妄想」以外の何物でもないです。このカオスからどうやって具体的にどういうプロセスで「妄想」を実現する気でしょう?私には、とりあえず死ぬまで戦争を継続するというのがネタニヤフの愚かすぎる戦略なのだろうとしか思えません。ま、そういうのを普通は「狂っている」というのですが。

以前からネタニヤフ政権を批判してきたユダヤ系アメリカ人政治学者のNorman Finkelsteinは、最近のインタビューで、ネタニヤフは「性格の歪んだユダヤ至上差別主義者のキチガイ」であり、ネタニヤフはイスラエルの社会を反映しているのだと、イスラエル全体を一緒に批判しました。それを聞いた時、私は、イスラエルに住んでいる人々も大多数はわれわれと同じ現代人であり、平和と安定を好む普通の人間なのではないだろうか、と疑問に思いました。

しかし、「類を以って集まる」という格言もあります。イスラエルに移住してくる人々のうちの半分ぐらいは、ポーランドから移ってきたネタニヤフ (本名 Mileikowsky) 一家と同様のメンタリティを共有しているのかも知れません。イスラエルという人工的に作られた国家そのものが、いわば統一教会のような信者からなるカルト集団であって、コア信者と二世、三世信者の少なからずが洗脳状態にあるという可能性も十分にあるのではないでしょうか。つまり、彼らは「中東では、神に選ばれた優れたユダヤ人がパレスティナの土地と劣った他人種を支配すべきであって、折伏せぬ者はテロをもってポアし、天国へ送ってやらねばならない」とでもいうような教義に洗脳された人々の集まりなのかもしれません。

下は、12年前に行われたBBCでのNorman Finckelsteinのインタビューの様子です。当時、意見が過激すぎると批判を受けた彼は、「これでも控え目に言っている方だ」と述べていますが、今日のイスラエルの振る舞いを見て、当時の彼の意見に同意せずにいるのは困難です。

「、、、イスラエルは狂ったように数年おきに周囲の国に戦争を仕掛けてきた。イラク戦争では旗振り役、それからレバノン侵攻、ガザへの攻撃、気狂い沙汰です。イスラエルの新聞を読んでみれば、『われわれは、ガザを攻撃すべきか、あるいは、レバノン、シリアを攻撃した方がよいのか』と言うような記事が毎日出ています。こんな国が他にありますか? 例えば、イランは他の国に戦争を仕掛けようと計画していますか?実際にこの10年でイランがどこかの国に戦争を仕掛けたことがありましたか?、、、、イスラエルでこのような政府が支持されているのは残念なことです。先週、ノーベル賞経済学者のPaul Krugmanが書いたNew York Timesの記事で、『イスラエルが国家的自殺に向かっていることは完全に明白だ。イスラエルは狂気の国になってしまった、これはユダヤ人にとっても世界にとっても良くないことだ』と述べましたが、私もこの状況を憂いています」

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われわれにできること

2024-09-17 | Weblog
ロシアがイランから武器供与を受けたことを口実に、ブリンケンやトルードーが、ウクライナに長距離弾道ミサイルでロシアへの遠距離攻撃をけし掛けた先週でした。"Warmongers"と一括されるアメリカ軍産と政治複合体は、世界各国で戦争をすることで公金を軍産に回す、つまり、第三国を戦場にすることで金儲けを続けてきました。主に前世紀のアメリカの国家犯罪の記録であるアメリカの国家犯罪全書では、この半世紀の間にアメリカ、CIAは50を越える国家に違法に介入し、国家転覆を図り、戦争を誘発し、数えきれぬ市民を世界中で殺してきたことの詳細が描かれています。戦争と紛争をネタに国家を回してきたこの国では、敵国を常に必要とし、そして、その敵国が大きいほど、大きな予算がつき、軍需経済は大きくなるわけです。

ゆえに、ロシア(それから、これからの中国)は、敵国として十分大きく、国民に脅威を語り、戦争のネタにするにはうってつけでした。しかし、アメリカは自分の力を過信し過ぎたのか、立ち入ってはいけない場所にまで入り込んで、戦争を煽るようになりました。それがウクライナです。ウクライナやジョージアまでを含めてNATOに取り込みロシアを完全に包囲するというのが、80年代ぐらいからのアメリカ強硬派の計画で、その筆頭にいたのが共和党のブッシュ政権の副大統領だったディック チェイニーです。今回、共和党の彼が民主党のカマラ ハリスをendorseしたことが話題になっていましたが、大きな理由の一つが対ロシア政策でしょう。トランプはウクライナへの支援はやめて戦争を終わらせると言っており、一方、バイデン政権の飾りに過ぎないハリスはこれまでの民主党政権のpro-war方針を踏襲するでしょうから、ロシアとの戦争継続を望むものは民主党政権の方が都合がいいのでしょう。

それにしても現政権は、戦争のネタにウクライナを使うということが、ロシアにとってどういうことなのかを理解していないのか、あるいは理解した上で核戦争を期待しているのか、どちらなのでしょう?いくらバイデンが認知症でカマラが傀儡であっても、ロシアはアメリカを荒廃させることができるだけの核戦力を持っていて、核戦争になったら、アメリカのみならず、人類は滅亡するということをわかっていないわけがないと思うのですけど。

ラブロフは、あらためてウクライナが長距離弾道ミサイルを使うようなことになれば、それはロシアとNATO(アメリカと西ヨーロッパ)との直接戦争であり、ロシアの核兵器の使用根拠になり得る、またロシアは核兵器がなくてもキエフを瞬時に壊滅させうると警告しました。プーチン政権は総じてストレートです。彼らの言うことは字面通りに解釈しないといけません。

ところで、前回のポストで、イスラエル(や横暴な権力)を止めるために何ができるのか、というコメントがあったので、思うところを少し。かつて科学研究の世界に身を置いていたせいかも知れませんが、「世の中は基本的にシンプルにできている」と考えておくべきだと思っています。複雑に見えることもシンプルな事柄が組み合わさっており、(少なくとも部分的には)単純な構成因子の"cause-effect"の積み重ねで現象は説明できるとするreductionism的アプローチの実効性は否定できないと思います。ですので、世の中の問題については、何か思いがけないような素晴らしいことが起こって困難が一発逆転で解決するということは、滅多にないと私は思っています。大抵、当たり前のことが当たり前におこり、その結果として予測されたことが起こるのです。「当たり前」と言うのは人間が因果論に基づいて論理的に考えた結果、予測される範囲のことです。ですので、「何ができるのか?」ということに関しても、誰も思いつかない妙案があるわけではなく、事実を当たり前に分析して結果、当たり前の結論が引き出されるだけです。そういうことしか言えませんが、ちょっと議論しておきたいと思います。

イスラエルに関しては、先日、イスラエルの野党党首、Yair Golanは「継続的な民衆の圧力だけが、終わりなき戦争に引き摺り込むネタニヤフ政権を終わらせることができる」と述べました。つまり、権力の横暴に対峙するには、民衆の集合的圧力しかない、という当たり前のことを述べたのですが、私もそれが答えだと思います。問題は、それをどう実現してくかということです。

現在、国際的運動で、多少の効果を出しつつあると思われるのがBDS (Boycott, Divestment, Sanctions) movementです。(例えば、この団体の活動を見てみてください)。BDSはコロンビア大での反イスラエル デモ活動が話題になった時に取り上げましたが、歴史的には、南アフリカのアパルタイト政策を廃止させたのが、世界的なBDS運動の盛り上がりでした。南アフリカ政府と取引や支援をする企業をボイコットし、南アフリカへの投資を引き上げ、制裁をくわえるということを広げていって、南アフリカのアパルタイト政府に圧力をかけ、アパルタイト政策を撤廃させました。この時、運動の発端になったのが、アメリカのカリフォルニア州立大バークレーでの80年代の学生運動でした。アメリカの大学はendowmentsと呼ばれる資金を運用することでその活動費に当てておりますが、学生が大学当局にデモを通じて圧力をかけ、南アフリカ支援企業への投資をやめさせたことが広がり、最終的に南アフリカのアパルタイト政府に打撃を与えたのでした。

その戦略を踏襲して、アパルタイト国家であるイスラエルへの抗議活動を行なったのが今回のコロンビア大から広がったアメリカの大学での反イスラエル プロテストです。残念なことに、大学が早期に警察を介入させたこと、学年末に重なったことなど、そして、南アフリカの場合と異なり、シオニストはアメリカのエスタブリッシュメントに深く食い込んでいることなどがあり、運動は下火となってしまいました。アメリカでは、人口の2%に過ぎないユダヤ人は、大学、政府機関、金融、主要産業、大手メディアなどの指導的部門では50%近くを占めており、そうした影響力のあるユダヤ人の一部はシオニストであり、イスラエルを支援しています。彼らは自らの立場を利用し、またAIPACなどの機関を通じたロビー活動によって、アメリカ政治に非常に強い影響を与えております。それだけに、イスラエルの場合はアメリカ政府を動かすことが南アフリカよりも困難です。

しかし、BDSは一定の効果をあげており、イスラエル支援企業と見做されているスターバックス、マクドナルド、コカコーラ、などなどの売上は今年になって急激に減少してきています。また、国家レベルでイスラエルへの投資を引き上げ、武器輸出を停止する国も出てきています。イスラエルがこの極悪非道を続けられるのは、共謀者のアメリカの支援ゆえですから、アメリカの支援を止めることができれば終ります。BDSを広げることでアメリカ政府にプレッシャーをかけていくことが一般国民にできることではないかと思います。

しかしながら、スターバックスのコーヒーを飲みながら、ユダヤ資本の3大ネットワークのニュースを聞き、ヒューレットパッカードのパソコンで仕事をするような人が、これらのイスラエル支援企業をボイコットする動機をもつためには、まずは、イスラエルの暴虐の歴史とイスラエル支援企業の役割について知らないと困難でしょう。

つまり、人は、知ることなしに考えることはできず、考えることなしに正しく行動することはできません。人々がこれらの問題をまず知り、それを自分の身に結びつけて考える、そうする人々が一定数、世界に増えれば、世の中を動かす力になると確信しています。

ですので、われわれ日本の一般人ができることは限られていますが、そういう点でも、まずは情報の拡散だと思います。NHKの朝のニュースで報じられる情報は非常に限られています。今も世界中で反イスラエル、パレスティナ支援の数万人規模のデモが各地で行われていることをNHKは報道しません。日本においても、ヨーロッパ諸国で行われているデモより小規模ながらこの週末も新宿の駅前でデモが行われましたが、一切、報道されません。こうした情報はSNSなどを通じたマイクロメディアを通じて拡散されるのみですから、情報を積極的に集めようとする人以外にはなかなか届きません。

加えて、イスラエルのジェノサイドを実質的に支援しているアメリカに絶対服従の日本政府の実質的管理下にあるNHKと大手メディアとは、subtleな言葉遣いを使うことで、まるでイスラエルという国とイスラム組織との戦争が中東で起こっているかのような印象操作がされています。しかし、これは、独立した国と国が戦う戦争ではなく、ジェノサイドであり、占領者がその占領の被害者をほぼ一方的に虐殺しているのです。

パレスティナで起こっていることは「戦争ではない」ということをどれほどの日本人が理解しているでしょうか?私は多くはないと思います。仮に戦争だとしても、国土の8割が破壊され、住人のほぼ100%が住居を追われ、殺された市民の半数が子供であるという戦争など、歴史上、皆無であるという異常さをどれだけの日本人は実感しているでしょう。そして、一体、何割の日本人が、76年前に、そもそも、なぜ75万人というパレスティナ難民が生まれることになったのか知っているでしょうか?

しかし、主要メディアにおいては、これらのコンテクストは、ほぼ意図的に無視されています。NHKは「イスラエルはハマスが隠れているとされる学校を攻撃し、xx人の死者がでました」とまるで、台風被害でもあったかのような調子で文章を棒読みするだけですが、実際に起こったであろうことを具体的に想像してみてください。長年、抑圧され、自由を奪われ、何世代にもわたって困難な生活を強いられてきた人々です。そうして、家族を殺され、何もかもを奪いさられ、身一つで食べるものにも欠いた難民が身を寄せている避難所の学校や病院に爆弾を落とすということがどういうことか、理解できるだけの知能と想像力があれば、NHKの報道がいかに報道の精神を欠いているかわかるでしょう。事実を報道しているだけというのなら、なぜ、NHKイスラエルの主張しか報道しないのでしょう?なぜ76年の虐殺と抑圧をおこなってきたイスラエルとその被害者であるパレスティナの歴史を無視し、国際法で認められている10/7のハマスの武力抵抗を非難するのでしょう?

マスメディアがわざと口を噤み、スピンをかけることによって、人々は権力者が人々に知って欲しくない不都合な事実に注意を向けなくなり、マスメディアの解釈をそのままに信じ込んだりします。知らないこと、意識にのぼらないことは、人びとにとって「存在しない」ことと同じだし、そもそも興味のないことを知ろうともしないのが人間です。だから、われわれは、重要なことは、学び、忘れないように、学校で歴史を教えて、戦争の記憶を語り継いできたのだと思います。

われわれ個人が、できることは、まずは、ユダヤ資本に牛耳られている大手メディアや、イスラエル最大支援国であるアメリカの属国である日本のメディアが流す情報以上のものを「知ること」であり、批判的に物事を見ることによって、自ら考え、判断するというプロセスを引き起こすことでしょう。しかるに、自分の身に直接関与しないことに興味を持たないのが人間であり、歴史の授業は居眠りして過ごし、マス メディアの言うことは丸呑みで信じてしまうのも人間です。

そういう無関心な人、さらに悪いのは多少の知識があるがために、自分では何もしないくせに、誠実に努力する人々を冷笑しバカにすることを喜ぶ「小人」は、少なくありません。しかし、こうしたゼロやマイナスの人々をプラスの方向に向かわせて社会全体で圧力を加えていくことでしか権力を動かすことはできないのではないかと感じております。他人は変えることはできません。自分が変わろうとする意思のみが人を変えることができます。われわれができることは、そんな意識の芽生えを刺激することであり、そのためにはまずは知ってもらうことです。少しでも多くの人に問題を知ってもらおうと、わざわざ休日を潰して、街角に出て、デモを行い、TwitterやTikTokでメッセージを発信ししている人々がおります。彼らの行いは尊いものだと思います。少なくとも、それを冷笑したり批判したりするよりは、遥かに価値あることだと思います。

私も、ずっとこの話題を取り上げてきたのは、多少でも情報提供の足しになるのではないかと気持ちがあるからでもあります。話を聞いてくれる周囲の人には話をします。日本でやる意味があるかどうかわかりませんが、個人的なBDSとして、スターバックスなどの個人ボイコット、パレスティナ支援団体への支援などは、何もしないよりはマシだと思ってやってます。大海も一滴の水からなり、千里の道も一歩から始まるもので、力をもたない個人でも、心ある人々ができることを積み重ねていくことが大切だと思っています。毎日、少しの時間でも苦しむ人に心を寄せて忘れないでいることだけでも意味があります。一人一人ができることは限られていますが、ゼロではありません。

人はそれぞれ、自らの生活があり、人生の目的がありますから、それらを犠牲にして、数々ある世の中の不条理に立ち向かう必要はないし、そうするべきではないと私は思います。しかし、パレスティナやアフリカで行われているジェノサイドで無抵抗な子供が残虐に殺され続けているという現実は、受け入れ難いものです。

コメントいただいた方、「なんとかしなければならない」という気持ちを共有していただいているのなら、是非、その目的のためにご自身ができることは何があるだろうかと考え、できる範囲で行動し、そして発信してもらえたら、と思います。
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愚かな保身

2024-09-10 | Weblog
26歳のアメリカ人活動家 Aysenur Eygiがウエストバンクでイスラエルに殺された週末。ご都合主義のアメリカは沈黙。アメリカ人がハマスに殺されたのなら全力でメディアは報道しハマスを糾弾するだろうに、イスラエルに殺されたらアメリカ人であってもアメリカ政府は見ないふり。ウエストバンクでの違法なイスラエル軍の活動は10/7以前からもずっと続いており、どう考えてもハマスとも人質救出とも無関係です。

20年前の2003年にも、23歳のアメリカ人、Rachel Corrieがイスラエルのパレスティナ迫害に対するプロテスト中、イスラエル軍のブルドーザーによってイスラエルに殺されました。この時、イスラエル軍はRafahのパレスティナ人の住居をブルドーザーで破壊しようとし、それを阻止しようと立ち塞がった彼女をイスラエルはそのまま轢き殺したのでした。

パレスティナ系アメリカ人ジャーナリスト、Shireen Abu Aklehの場合もそうでした。「PRESS」のジャケットを身につけていたにもかかわらず、イスラエルは発言力の強い彼女を射殺し、しかも、当初はその罪をパレスティナ側に擦りつけようとさえしました。これは10/7のハマスの蜂起の一年以上も前の話です。イスラエルは自分達がやってきたことの疾しさを充分自覚しているからこそ、報道を潰そうとするのです。ジェノサイドの実態を隠したいのです。

10/7以後は、イスラエルによる物流停止によるパレスティナの飢餓を救うべく活動していたボランティアのWorld Central Kitchenを狙ってイスラエルは攻撃し、アメリカ人スタッフ、Jacob Flickinger含む7名が殺されました。

25歳のアメリカ軍兵士、Aaron Bushnellは、ガザの大虐殺におけるイスラエルとアメリカの共謀に抗議して、ワシントンのイスラエル大使館前で焼身自殺をしました。

これらのアメリカ人犠牲者に対してアメリカ政府がしたことは何でしょうか?彼らの命をかけた意志を無視し、イスラエルのパレスティナ迫害に加担し、大量の武器を送り続け、軍事協力をして、パレスティナ人を殺し続けてきたことです。国民の生活には興味がなく、利権でしか動かぬ自民党政府と同じく、アメリカ政府も国民の方ではなく軍産やイスラエル ロビーの方しか見ていない。権力を持つものは、自分の権力を維持することにしか興味がなく、そのために18万人以上と見積もられる市民が殺され続けても、自らの持つ権力をその阻止のために使おうとしない。Genocide Joeが大統領選からdropout した後の代わりがHolocaust Kamalaで、対抗馬がイスラエルのアメリカ大使館をエルサレムに移した忠実なイスラエルの僕、トランプ、というディストピアがアメリカです。

1948年以来、76年にわたるイスラエルの悪質なパレスティナ迫害に対し、国際社会は声を上げてきましたが、現在に至るまで、イスラエルの邪悪な行いが止まったことがありません。それはひとえに、アメリカの絶えざる支援のせいです。

アメリカの政治家がシオニストユダヤに重ねるのはひとえに彼らの保身ゆえです。保身と言えば、兵庫県知事の公開尋問やイスラエル擁護者のインタビューなどを聞いていると、いい年した大人が保身に走る姿というのは本当に見苦しいと感じますね。

「正直は最上のポリシー」であるという諺がありますけど、事実に際して、事実を客観的に正直に見ることをせず、を自己が有利となるように無理な解釈を押し通そうし、さらに嘘を重ねようとする態度は、短期的にも長期的にもその人の得になることはありません。多少の知恵のある人なら誰でも知っています。

保身に走る人間は醜いです。ユダヤ人至上主義の差別者集団のシオニストが、バレバレの嘘に嘘を重ねて自己正当化しようとし、できないとなれば、自分を批判する人間を攻撃する、どう見ても「愚か」としか言いようのない振る舞いを晒し続け、結局、自爆して、さらなる人間の醜さを見せられるのは、目の前でフレッシュな排泄物を突き出されてその臭いを嗅がされるぐらいに苦痛です。

先日、Piers MorganのYoutube番組でイスラエル擁護するrabbiの言い分を聞いていましたが、あまりの見苦しさに最後まで見れませんでした。疾しいことを隠そうとする人間は、相手に喋らせまいとして、聞くに堪えない屁理屈を捲し立て、論点をずらし続けて、議論そのものを潰そうとしますが、その愚かな行動が聞く人間に与える強烈な嫌悪感というものに注意は向かぬのでしょうかね。醜いものに興味のある人のために、一応、ビデオをリンクしておきます。

朝のニュースでは、大谷選手並みの露出度となった兵庫県知事。NHKの報道で唯一信頼しているお天気コーナーを見るためにTVをつけているのに、彼らの話題ばかりを、毎日、毎日、僕らは、NHKで聞かされ、嫌になっちゃうよ、という日々が続いております。兵庫県の政治家と言えば、10年前は「号泣議員」が話題になりました。あれは殆どお笑いネタでしたが、今回は人が死んでいます。

それにしても、パワハラする人というのは、何が楽しいくてパワハラするのでしょうね?自分に自信と信念があれば、権力を手にしてもそれを振り回して、他人を傷つけるすようなことはしないでしょう。権力を振り回すことでしか自己の価値を認識できないような自己肯定感が低く劣等感に苦しむ人なのか、単なる人の気持ちがわからない愚か者なのか、あるいは、某党のようなパワハラ文化の中で育ってきたためにパワハラへの認識能力に問題があるのか。しかし、もしイスラエルのように、弱い者を虐待することで快感を得るような変態なのであれば、救いがないし、パワハラだけならまだしも、それを指摘されて、自らの行動を反省するどころか、通報者を探し出して罰を与えて保身を図るとなれば、たとえ頭が可哀想な人であっても同情には価しません。

この人の今後の人生は安楽なものではないでしょう。そう言えば、数年前、アベを庇って公文書を部下に改竄させ、その部下を良心の呵責から自殺にまで追いやり、国会で偽証までして、アベを守った功績で国税庁長官まで登り詰めたのに、人々から後ろ指を指されて、耐えきれずに任期前にやめていったパワハラ親父がおりました。彼は今、どんな老後を生きているのでしょう。

なぜ、原則に正直に、周りの人々を尊重し、みんなから信頼できる素晴らしい人として生きようとせず、立場の弱い人間を虐めて、みんなから嫌われ、テレビで公開処刑されるような人生を選ぶのでしょうか。パワハラ親父の気持ちはわからんです。同じく、ネタニヤフやシオニストの愚かさは私には理解できないです。ただ、彼らの愚かさの巻き添えになって、大勢の命や生活を失う人々がいるという現実は何とかしないといけません。
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先週の出来事など

2024-09-03 | Weblog
一週間という時間は短いようで長く、長いようで短いです。思い返せば、いろいろなことがありましたが、あっという間に先週と同じように今週も過ぎていきます。週末は大学の同門会でした。台風でオンラインになりましたが、私より一回りも上の先輩方が今も現役で最前線で研究活動に関わり活躍している姿を見るのは刺激的でした。研究の興奮と無縁となってしばらく経って、寂しい気持ちもありますけど、研究に必要な資金と人と時間、どれ一つを工面するのも困難となった今は、もう一度やりたいと思いません。研究生活の最後の方はその前者二つを賄うためにほとんどの時間とエネルギーを費やしていましたから、研究者というより超零細企業経営者でしたし。

さて、ウクライナ情勢は、ウクライナがロシアに侵攻したことで、いよいよゼレンスキー政権の終焉、最悪、ウクライナ消滅へと動き出したような感じがします。昔の言葉で言えば、ウクライナがKruskへ攻撃がルビコン川であったように思います。

プーチンが大統領になって以来、ウクライナに対するロシアの要求は明快かつ硬固でした。それは、ウクライナの中立性であり、理由は、黒海に面するウクライナ(やジョージア)が西側の一部になることは、ロシアにとって国家の直接的危機だからでした。それを分かっているのか理解できていないのか、バイデン政権は巨額の資金をつぎ込み、ゼレンスキーを使ってロシアを挑発し、そして戦争を継続させてきました。最大の理由はカネとウクライナの資源でしょう。

昨年末、アメリカがNATOメンバーでもないウクライナに巨額の支援していることを批判されたブリンケンは、会見で「90%の資金は、アメリカでの兵器製造などに使われており、アメリカの経済活動に寄与している、win-winだ」と堂々と発言しました。そうした軍需産業の資金管理をしているのはBlackRockです。
つまり、この戦争は(例によって)アメリカ軍産にアメリカの国家予算を回すために、ウクライナを利用した一種の「マネー ロンダリング」であることを告白したようなものです。本来なら、この発言だけでもこの男は国際的批判と罷免に値するでしょうが、アメリカが戦争ビジネスで経済を回してきたことを世界中が知っている状況では、この発言もさらりと流されて波風も立ちませんでした。

アメリカにとってはウクライナを使った「マネーゲーム」で「火遊び」であっても、ロシアにとっては国家防衛上の大問題であるということをアメリカやアメリカに追従する西ヨーロッパ諸国がどれほど理解しているのかと思わずにいれません。それによって苦難を被るのは主にウクライナです。

西ヨーロッパはロシアと断絶することで、天然ガスなど世界一豊富なロシアの安い天然資源へのアクセスを失い、結果、現在インフレが進み産業が衰退していっています。ヨーロッパがロシアと敵対するメリットはゼロです。プーチンはEU諸国にアメリカに追従することの「愚」を説いてきましたが、残念ながら、ウクライナに関しては、今やEU諸国の「対米従属」は日本並みのようです。

ウクライナを利用してロシアを挑発してきたアメリカの態度について、元アメリカ海兵隊情報将校で元国連特別委員会(UNSCOM)武器査察官のScott Ritterは、インタビューで次のように述べました。「ロシアの方針は明快だ。もしちょっとでも核兵器がロシア領内で爆発すれば、ロシアは全力でアメリカを核攻撃するだろう。これはプーチンが言ったことだ。、、、火遊びすれば火傷する、しかし火傷は指先ではすまない。(アメリカの)街全体、国家全体が焼け落ちることになる」
しかし、日本と同じくロビー団体や利権でガチガチのアメリカ政界は、地球を破滅させる二大危機の一つである核戦争が60年ぶりに目前に迫っていることを実感しているようには見えません。

アメリカの大統領選を見ても、日本の自民、立民の代表選を見ても、政治家の「志」や「知能指数」は高いとはとても思えません。アメリカの次期リーダー候補、カマラ ハリスはCNNのインタビュー後、支持率が5ポイント低下。この人の空虚さは、岸田を超えて小泉二世に逼迫するかのようです。何か意味ありげなことを喋っているように見えるが中身がない。彼女の「しゃべり」を分析した人はスムーズに何か意義あることを喋っているように見せかけるために、同じような意味の言葉を(例えば、"amibions", "hopes", "aspirations")単に繰り返すが、その中身は言わないのだそうです。これを突き詰めると「小泉話法」に行き着くのではないかと思います。(因みに、小泉話法の実例:「30年後の未来は、 今から30年経つとやって来るのです」、「早くするにはスピードが大切です」、「課金するにはお金がかかります。 でも、お金をかけないと課金できないんです」)

ま、二大政党制というプロレス興業をいまだに信じているアメリカ人が多い中で、独立系政党から大統領が出ることはまずないと思われますが、ケネディが撤退した現在、大統領候補は一応4名ほどおります。中でもハーバード卒の医師である緑の党のJill Steinが最も理性的で倫理的な主張をしていると思いますが、日本と同じ衆愚政治の親玉のアメリカ、政治家のレベルは国民のレベル、大多数の凡人が賢人を選ぶことは普通ないです。結局は、トランプ、ハリスのどちらかで、どちらになったところで、アメリカと世界の未来は極めて暗いとしか言いようがないです。

中東では相変わらずイスラエルの邪悪な政権がジェノサイドを遂行中です。ハマスではなく、ファタハが統治しているウエストバンクでも武力攻撃を行なっており、パレスティナ人住居の破壊が激化さしてきています。これまでもイスラエルは国際法で禁止されている違法入植を強行し、ウエストバンクのパレスチナ居住区を力づくで奪い取り、住人を殺し、追い出して、そこにユダヤ人入植者が入り込むことによって虫食い状にパレスティナ人とその土地を分断、侵食してきました。彼らの邪悪さには言葉がありません。このことからも「ハマスの壊滅と人質の奪還」はイスラエル側の単なる建前に過ぎず、本音はパレスジナ人の殲滅とパレスティナ全土の掌握であることが明らかです。先週は、さすがにイスラエル人も、異常な執念深さでパレスティナ殲滅に執着し、イスラエル社会に大きな悪影響を及ぼしてきたネタニヤフに怒り、テル アビブではネタニヤフ政権退陣を求める大規模デモがおこりました。

最後にもう一度、比類なき邪悪、ガザでの地獄を表した言葉がありましたので、リンクしておきます。

「歴史上、80%の国土が破壊され、100%の人々が住居を奪われ、50%の犠牲者が子供であったような戦争はなかった。 これは(戦争ではなく)ジェノサイドである」


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